「傾識✖️ここちめいど」河合隆志先生(医師)と「痛み」を考える

「傾識✖️ここちめいど」河合隆志先生(医師)と「痛み」を考える

9月、10月と2回オンラインで「痛み」について勉強をさせていただく機会がありました。
主催は傾識さん✖️ここちめいど
ゲストとして河合隆志先生(フェリシティークリニック名古屋)

第1週は、河合先生より「痛み」についての講義と質疑応答
第2週は、鍼灸師からみた「痛み」

鍼灸師からみた「痛み」というのは、解剖学、生理学といった西洋医学的な学習を鍼灸師はどういう教育を受けているのか。
ここを米倉まな先生が担当。

それ以外に3人の鍼灸師が、それぞれの臨床の中でどう痛みを捉えているのか。

その一つに遠藤彰宏と小坂知世でプレゼン資料を作成してお話しをさせていただいたので、その内容をせっかく作成したので公開したいと思います。

「スライドを作る時の気持ち」

スライドを作る時の気持ちって何?
スライドって「綺麗に作りたい」「これも伝えたい」みたいにこちら側のやりたいことがあるけど、
それは全て「相手の人に知ってほしい」「理解してほしい」
その上で「一緒に議論をしたい」

「私たちはこう考えています」「どや!!!」
っていうことがいいたいわけではなく。

「あっ。先生はそういう考えなんですね。」
「理解できました」
「私はそれを理解した上でこう考えています」

っていうことがやりたい。

お互いに持っている価値を混ぜ合わせることがコミュニティーの一つの魅力だと思っているので、そんなことを意識しながらスライドは作っています。

「聞いている方に優しいスライドを」

今回は、河合先生は医師で、ここちめいどの仲間は鍼灸師、傾識の参加者の方は一般の方です。
ですので、今回は傾識の方にわかりやすいようにというテーマで作成しています。

ですので、このページをご覧いただいた一般の方にもわかりやすい内容になっていると思います。

「プレゼンスタート」


プレゼンの際にも、聞いていただいている方にお断りを一言入れるようにしています。
「正しく詳細な医学情報」
これは本当に患者さんにとって必要なのでしょうか?
もちろんこちらが正しい医学情報を知っておく必要があることは十分理解しております。

ですが、何らかの症状で困っている患者さんにとって、必要なことは限られた時間の中で、必要な情報を理解して、問題を解決していくこと。

みなさんの中でもiPhoneを使っている方は多いと思いますが、「詳細な医学情報」という例えをiphoneで使うなら、どんな機会を使っているのか。
「半導体の話」「OS」「カメラの性能」

みなさんが知りたいことって、こんな詳細なメカニズムでしょうか?

こんなに車が汚れて困っています。
この時に、私なら「どんなスポンジなのか」「どんな洗剤なのか」
あまり興味がありません。
「車を綺麗にして欲しい」
「before」「after」で自分の汚れていた車が綺麗になるという体験がしたい。

そう考えています。

そのため、
「正しい医学情報」よりも「正しくわかりやすい医学情報」という点を意識して説明をしています。
どうか自分も痛みで「悩んでいる一人の患者」という立場で聞いていただきたいと思います。

他の2人の先生と内容が被らないように配慮しながら「痛み」を一つの視点から切り取りたいと考えて
「足に神経痛で困っている患者さん」

痛みが続くために整形外科を受診したところMRIを撮影
「腰椎の椎間板ヘルニアが原因ですね」と診断される。

これって鍼灸院に受診する患者さんではよくある症状です。

椎間板ヘルニアは左側が正常です。
水色の四角が綺麗に収まっています。

椎間板は繊維輪という構造で外側を包み、中央にゼリー状のものが収まっている。
普段は、椎間と椎間(骨と骨の間)にありクッションの役割をになっています。

右側の図は赤丸の中が「椎間板が飛び出した状態」これをヘルニアと呼びます。

神経はそれぞれ出ている高さが異なります。
頚から出ている神経は手に
腰から出ている神経は足に

こんな図にすることができます。
デルマトームという神経の分布図。

足の親指が痛いなら「腰の4番目から出る神経」
足の中指が痛いなら「腰の5番目から出る神経」
痛みの出ている症状から、痛みの原因がどこで起きているのか「震源地を推定」するのに役立ちます。

これはTOCfEというところで教えてもらったロジック・ブランチという構造で、一つ目の四角に原因を書き、矢印の先に結果を表す。
常に矢印の手前は原因、矢印の先が結果を繰り返します。

今回の場合、「腰に椎間板ヘルニアが存在している」
これはMRIを撮影して確認されているので、存在しているのは事実です。

その結果「ヘルニアが腰から出ている神経を圧迫している」

「ヘルニアが腰から出ている神経を圧迫している」が原因となり
その結果「下肢に痛みと痺れが出現」

これが整形外科の先生が患者さんに説明した椎間板ヘルニアが原因で神経痛が起きているという説明をとてもシンプルにしたものです。

その説明を元に改善策を考えると、椎間板ヘルニアの存在をなくす必要が出てきます。

「腰椎椎間板ヘルニアの手術を行う」
結果として「ヘルニアによる神経圧迫を除圧」

「ヘルニアによる神経圧迫を除圧する」
ならば結果として「下肢の痛みと痺れが改善される」

このように考えられます。
少なくとも患者さんの中にあるイメージはこういうメカニズムで考えている方が非常に多いです。

本当にそうなのでしょうか?

「椎間板ヘルニア」って実はすごく幅広い。
どんな状態の症状なのかを明確にしない限り実は議論は難しい。

そこで、「椎間板ヘルニアが腰に確かに存在している」
かつ「膀胱直腸障害はない」

※膀胱直腸障害は、椎間板ヘルニアでも神経の圧迫をしている場所が違って、脊髄を圧迫している。
神経痛だけを起こしている時には脊髄から出た枝の部分で末梢部分。
同じ神経痛でも全然違う。木の幹の問題なのか、枝の問題なのか。

かつ「下肢の筋力は正常」
「膀胱直腸障害がない」「下肢の筋力は正常」ということは緊急の手術が必要な状態ではない。
ということがわかります。

今回の例にしている患者さんは、「椎間板ヘルニア」ではあるものの、デルマトームに沿った痛みと痺れだけが主訴です。
そうなると圧迫の程度は軽度なんだろうということがわかります。

こういう症状は鍼灸治療が得意です。

次は少し視点を変えてみます。
ワインボトルの中にある液体を外に出したい。
その時に、制限しているのはこの細くなっている部分。
これが「ボトルネック」制約です。

外により速く液を出したい。
その時に、どんな解決策を導き出しますか?

「細くなっているところが邪魔だから、広げる」
この解決策って椎間板ヘルニアの神経が圧迫しているから、圧迫を取り除こう。
この理論と似ていませんか?

 

全部動画を見る必要はありませんが、ボトルネックは同じでも取るアクションの違いによって、流れを変化させることができる。
「ボトルネックを意識して」そこをどう活用するのか。
使えていない機能を最大限活用する。

これが椎間板ヘルニアの時に鍼灸治療でやりたいことです。
椎間板ヘルニアが存在しているが、機能を高めて症状を改善させる。


これは岸良裕司先生の「ミステリー分析」(YouTube)を鍼灸臨床に活かしています。
①症状の改善を目的に
②原因と考えられ部位にアプローチを行う。

これがすぐに成立すればもちろん自分の仮説が正しく治療が成立する。

しかし、③思った結果にならない。

④思った結果が出なかった原因を再考する。「刺激量が足りない」「想定より炎症が強い」「梨状筋の問題など、原因部位が別なところにある」

⑤ ④で考えた原因に応じて新しいアクションを起こす。

このような形で治療を考え改善に導いて行きます。
もちろん、考えられる原因の中に、私たち鍼灸師では手に負えないような病態が考えられる時には、再び医療機関へ受診していただきます。

当院で考えている「痛み」について。
これは私たちにとっても一つの視点でしかありませんが、何か参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

#1
遠藤真紀子
CEO
(代表取締役社長)
はり師
きゅう師

#2
遠藤彰宏
CDO
(最高デザイン責任者)
はり師
きゅう師
あん摩マッサージ指圧師

#3
竹永百華
はり師
きゅう師

#4
荻侑花
はり師
きゅう師

#5
岩佐ゆかり
はり師
きゅう師
歯科衛生士

#6
小坂知世
はり師
きゅう師

#6
福地弓子
Cabin attendant

#7
髙田良子
受付/事務
当院で30年勤務
どんなに昔の方からお電話をいただいても
「〇〇さんお久しぶりですね」
この安心感に私たちは支えられています。
当院のレジェンド。