円形脱毛症(単発、多発)皮膚科領域へ免疫異常と発毛に鍼灸&スーパーライザー治療

脱毛症で鍼灸院の受診を検討されている方のケースの一つは、美容室等で指摘されたというケース。
この場合には、ご自身ではまだ気がついていないレベルの脱毛。

多くの場合は先に皮膚科を受診し、ステロイド塗布治療で経過観察中、もしくは改善の傾向が見えないというケースです。

当院では鍼灸だけでなく、スーパーライザーを組み合わせて治療を行います。
どんな治療効果が期待できるのか。

丁寧に書いていきたいと思います。

鍼灸SL研究会

私達は、この治療の開発者中村一徳先生(京都)、それを受け継いだ田邊美晴先生(広島)お二人より治療法を教わりました。

この治療法が公開されたのは鍼灸SL研究会という会です。

私達がその治療方法を教わり、すでに通院されていた脱毛の方に対し治療を行い、完治する。
このような小さなチャレンジを数年間繰り返してきました。

円形脱毛症の中でも、単発型、多発型の型には著効することがわかりました。
症状の始まったタイミングや抜け毛の範囲によって回復までの期間に差はあるものの、『3ヶ月』が一つの回復の基準になってくることがわかっています。
また、蛇行型や全頭型へ移行しているような症例では、1年を超えてくる。

「鍼灸だけでは足りず」
「スーパーライザーだけでも足りない」

両者を組み合わせることで、治療効果を最大化します。

もちろん組み合わせという点では、皮膚科での治療も合わせて行っていただく必要があります。

脱毛という症状はこれまで「ストレス」という一言で語られ、いつの間にか自然に治るようなイメージを持つ症状ではなかったでしょうか。
近年の研究では、そこに「免疫」、特に自己免疫系の症状という認識がなされています。

当院は、この免疫の暴走に対して、丁寧に治療を行っていきます。

鍼灸 SL 研究会では、全ての会員がスーパーライザーを臨床に応用しています。
大阪、京都、名古屋、三重、鹿児島、栃木でも受診可能ですので、お困りの際には各院へご相談下さい。

なかむら第二針療所 中村一徳(京都)
はる鍼灸院 田邊美晴(広島)
鍼灸香里治療院 西村和重(大阪)
はりきゅう院さくら 田中隆一(鹿児島)
きむら鍼灸 木村雅洋(栃木)
こもれび堂 山根早織(三重)
 黒川鍼灸院(愛知)

 

円形脱毛症とは

円形脱毛症(alopecia areata)は、古代ローマ時代C.celsusが約2000年も前に指摘しており、日本でも平安時代、鬼に頭を舐められたという意味の「鬼舐頭(きじとう)」という言葉がありました。

このように国内外問わず古くから観察されてきた病気です。

円形脱毛症は、後天性の脱毛症に分類されます。
後天性脱毛症の中で最も頻度の高い疾患が、円形脱毛症です。

発症部位は頭部をはじめとして、毛髪の存在するあらゆる部位に発症(眉毛や、まつげ等)し、「突然発症」かつ「円形の脱毛班」となることが特徴です。

脱毛の分類説明図症状や脱毛の形状により名称が異なる症状は単発の小さな脱毛班のみの軽症の単発型から、複数できる多発型。
脱毛部が耳の後ろを中心に、上下に連なる蛇行型。
全頭部に拡大や、全身の体毛が脱毛する重症例まで、同じ脱毛という言葉の中でも重症度は幅広く存在します。

円形脱毛は人口の1~2%に発症すると考えられ、発症年齢は特になく、どの年代にも発症例があります。
半数は30歳までに、そのうちの半数が15歳以下。男女の性差はありません。
正常な毛髪

正常な髪の毛について

髪の毛は皮膚内部で生まれる

毛髪は、頭皮の毛根にある毛球部で盛んに細胞分裂を起こすことで成長します。
その中でも、毛乳頭と毛母細胞が重要な役割をしています。

毛乳頭:
毛細血管が入り組み、血液中から栄養を受け取って毛母細胞へ供給。
髪の毛の発生と成長の指示役。
毛母細胞:
毛乳頭から栄養を受け取り、細胞分裂を盛んに行う事で毛髪が成長する。

 

大事なのはヘアサイクル

髪の毛が生えてから自然に抜けて、再び同じ毛穴から新しい髪の毛が出てくる期間をヘアサイクル(毛周期 )と呼びます。
成人の毛髪は一日に0.3~0.5mm、1カ月で約1センチ、1年で約15センチ伸びるのが平均的です。
男性で2~5年、女性で4~6年ほどで発毛、脱毛を繰り返しています。

正常であれば、毎日50~100本程度の頭髪が休止期の終わりを迎え、頭皮から抜け落ちていきます。

大切なこととしてまず、正常時も抜けていること。
脱毛時期は、いつもより多く抜けているのか。
これは正常範囲なのかが、非常にわかりにくい。

一日や一回で判断をすることはせずに、丁寧に観察をする必要があります。
乱れたヘアサイクル

乱れたヘアサイクル

ヘアサイクルに何らかの影響や原因があり、脱毛が急に早まる。
サイクルの途中で抜け落ちたり、切れる、といった異常が起きた状態を「脱毛症」と言います。

遺伝やホルモン、生活習慣など様々な要因が絡み合って起こりますが、病気が原因で起こる場合もあります。
現在、円形脱毛症で考えられている説として最も有力なのが「自己免疫疾患」として考えられています。
田中はり灸療院でも、この「自己免疫説」として脱毛症を捉えています。

「自己免疫疾患」と聞いた時に思い浮かべる疾患はありますか?
関節リウマチや、バセドウ氏病や、慢性甲状腺炎などが有名です。
「えっ。脱毛症って自己免疫なの?」「ストレスでなるって思っていました。」

そんな方は多いと思います。

「ストレスで関節リウマチになるとは思えない。」
だけど
「脱毛はストレスだと思う。」

皆さんが持つイメージと病気の間には、非常に大きなギャップがあります。
これは、病気の罹病期間、長さの影響もあると思います。
リウマチは非常に長い間患ってしまう病気です。
脱毛は、本当に長く悩んでいる方がいる一方で、短い期間(3か月程度)の方もいます。

自己免疫について、できるだけわかりやすい言葉を使って解説してみたいと思います。
ちょっと一緒に勉強してみましょう。

免疫について

「免疫」
この免疫というシステムは、そもそも私たちを守るために備わっているシステム。
免疫を高める。免疫が弱くなった。

言葉は非常に簡単ですが、中身はかなり複雑です。
今の医学をもってしても、全容はつかめていない。
毎年新しい発見がなされている分野です。

これは、どんどんこれまでよりも細かいところを研究できるようになってきたことが大きい。

1890 北里柴三郎「抗毒素(抗体)」
1908 メチニコフ「自然免疫における白血球の食作用を研究」
1960年代 ジャック・ミラー「T細胞」「B細胞」を同定

免疫が解明されつつあるのは、ついこの100年の間の話なんです。

「免疫」は「疫を免れる」(まぬがれる、まぬかれる、のがれる)
一度患った病気に罹らないことから名前がついています。

現在私達を苦しめている covid-19 のワクチンを日本でも令和3年9月で2回接種率が50%を超えました。
これも免疫をつけるためです。

私たちの免疫は自然免疫という生まれ持った異物に対して対処するシステムと
相手(抗原)に合わせて抗体を獲得していく「獲得免疫」の2種類で生きています。
そのため、未知のウィルスには獲得免疫がないため非常に苦労しているのが現在です。

余談ですが、ワクチンは2度接種しますが、一度目のワクチン接種で抗体を作り、2度目を接種で自分が備えた抗体の威力を増す。
これをブースター効果といいます。そのブースター効果を活かすためにモデルナ社、ファイザー社どちらのワクチンも一定の期間を空けて接種する必要があります。

あとは最近になってわかってきている免疫の概念として、抗体の「ある」「なし」だけではなく。
covid-19の感染にしても、ワクチン接種によって自然免疫も高まっていることがわかっています。
この効果は「訓練免疫」として、海外に行って水を飲むと下痢をするが、長期滞在している間に下痢をしなくなる。
この時に、「適応」という言葉を使うと「慣れ」のような感覚に聞こえてしまいますが、ここで身体の内部で起きている変化は「自然免疫」が訓練されて強化される。

また、免疫の強化という点では、一度コロナに罹った方がワクチンを接種すると、「スーパー免疫」を持つ人の存在も報道されていますが、
「抗体を作ること」かつ「抗体を十分な数にすること」という点で
「一度目の感染により抗体を作る」その上で「ワクチンの2回接種」
これは、感染を経験していない多くの国民が今後のワクチンの3回接種を検討している現在で重要な指標の一つと考えられる。
Withコロナという現在において、どこまで感染を防ぐのかという側面と、免疫という点ではどこかで感染を許容できないか。
この葛藤の中で、コロナによる死者・重症を防ぎながら活動性を戻していくこと。
コロナウィルスの株も変異を繰り返しているため、状況を見極めながらの行動が大切だと、改めて免疫を学びながら考えています。
エッセンシャル免疫学表紙
さぁ治療の話に戻していきますね。
鍼灸は非常に細い鍼を使って、お身体に小さな傷をつけます。この時に起こる組織損傷を起点として治す力を引き出す。この際、「治癒していく過程には免疫系が必ず関与している」ということを鍼灸師になってすぐに教えてくださったのが、米山榮先生という鍼灸師であり、その後神経内科医としてご活躍された先生です。

その頃はまだまだ未熟で、「鍼は免疫に関与している」という程度の種を持ち続けてはいました。このなかなか開花させない自分に、免疫の学習する道を作ってくださったのが、この治療方法を教えてくださった中村一徳先生です。

お二人には、一生頭が上がりません。

「エッセンシャル免疫学」を読みながら、中村一徳先生が解説している免疫の動画合計4時間分を一章ずつ読み進めて学習して免疫の理解を深めています。

もっと詳しい免疫と脱毛との関係や、症例について詳しく知りたい方は、下記よりリンク先をご参照ください。
当院でも同じ治療を提供することができます。

参考:なかむら第二針療所脱毛のWEB
「脱毛」
「円形脱毛について」

「円形脱毛症 症例」

 

免疫の誤作動

本来自分を守るために備えた免疫が誤作動を起こしてしまうのが厄介なところ。

アレルギーの代表に花粉症があります。
花粉(抗原)に対して敵がきた!

「身体に入ってくるな!出ていけ」

「くしゃみ」
「鼻水」
「涙」

全部敵を排出するためのシステムですが、過剰に反応し過ぎている。

そんなに反応しなくてもいいのに。

抗原(花粉症)は敵という表現をしましたが、自分のものではない異物が入ってくるため、この異物は非自己(自己とは非なるもの)。
非自己に対しての過剰な反応がアレルギーです。

自己免疫疾患

非自己に対して、自分は自己という表現を使います。
自己を免疫の誤作動で攻撃してしまうのが、自己免疫疾患です。

「関節リウマチ」自分の関節にある滑膜を攻撃してしまい炎症を起こし関節を破壊していく。

「脱毛」はというと、自分の毛根を攻撃して排除してしまう。
本来自分の毛根は、「自己」であるにも関わらず攻撃をする。

「私たちが治療をするのは、血流を良くして毛が映えるようにしましょうね」
という単純なものではない。

まずやりたい一番最初の治療は「免疫系の誤作動を正常化に導くこと」です。
その結果、「現在起きている炎症を抑えること」「次に火事が起きそうなところを予防する」
この火事が起きそうなところを予防するという表現は、放火を起こす犯人を抑え、次の犯罪を未然に防ぐ。

そこには、「スーパーライザーによる免疫能の変化」と「小さな組織損傷で免疫系に作用させる鍼灸治療」
この両輪が必要になってきます。

日本皮膚科学会円形脱毛症診療
ガイドライン

脱毛症の治療に使用するスーパーライザーの写真スーパーライザー療法
(直線偏光近赤外線照射療法)

治療方法
直線偏光近赤外線照射療法
推奨度
C1
推薦文
単発型および多発型の症例に併用療法の一つとして行ってもよい

直線偏光近赤外線照射療法(スーパーライザー療法)の発毛促進効果を評価するランダム化比較試験はない。
2 件の非ランダム化比較試験より,単発型や多発型の症例に塩化カルプロニウム,セファランチン,グリチロン,抗アレルギー剤を併用しながらスーパーライザー照射した場合に,照射部位では非照射部と比較して,50% 以上の発毛回復期間が短縮することを示唆する弱い根拠が見いだされている.

『日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2010  日皮会誌:120(9),1841―1859,2010(平22)』
日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版  日皮会誌:127(13),2741-2762,2017(平成 29)』

近赤外線は身体の中に
一番深くまで届く光
(深達性)

スーパーライザーを頚部の正常神経節に照射する様子

スーパーライザーという治療機器を当院は使用しています。これは、ペインクリニックの星状神経節ブロックの代用として登場した機械です。スーパーライザーの深達性の紹介図

スーパーライザーは、「直線偏光近赤外線」という体内の水や血液に反応しない特殊な光を放出することで、深部の神経節に照射(SGR:星状神経節近傍照射)を行い、星状神経節ブロック(SGB)と同様の反応を引き出すことが可能です。

NK細胞は抗原感作なしに標的細胞を傷害するリンパ球群で、種々腫瘍細胞やウイルス感染細胞を障害し、非特異的免疫に関する重要な細胞である。
NK細胞活性は測定条件 、性差、年齢差 により変動し、老化、癌 、自己免疫性疾患で低下、運動などの非特異的なストレスで上昇が報告されている。
今回の実験では、約20分程度の短期間の照射でも、白血球数 、NK細胞数の減少 、 NK細胞活性が有意に低下しており、交感神経抑制と関係する精神的緊張度の低下など非特異的なストレス抑制効果を示唆する。
「直線偏光近赤外線による星状神経節近傍照射が生理機能・免疫機能に与える影響」孫立衆など 北海道大学大学院医学研究科リハビリテーション医学 , 日温気物医誌第66巻3号2003年5月

NK細胞はナチュラルキラー細胞のことを指しています。
この論文をかなりざっくり要約すると、「星状神経節に20分照射することで、末梢血のNK細胞が変化(減少)する」
減少という表現を使いますが、数が減ったというのは消失をさせているわけではなく。
「移動をさせた」ということ。

ここで大切なのは、「スーパーライザーの星状神経節照射は、免疫能に変化を与えている」という事実が医学研究で報告されていること。

星状神経節に照射すると「効果がある」ことは、我々も、患者さんでの実体験はある。

「それは何故だ?」という疑問の一つに答えてくれたのが、この論文です。
NK細胞だけに焦点を当てて評価をしているが、その他の免疫系にも影響を与えていることが推察される。
制御性T細胞
自己免疫性の炎症を抑えるという事実からは、「制御系T細胞」の働きも正常機能へと導くのではないか。
ちなみに、制御性T細胞は近年発見されたT細胞で、働き過ぎると自己免疫疾患が起きるし、不足すると癌が起きる。
免疫システムの統制を取っているT細胞。
もちろん、鍼でどんな変化が生まれるのかの証明はまだされていませんが、鍼灸治療で炎症が治る理由の一つに、この制御性T細胞の存在は十分に考えられます。
今後の研究で、さらにどんな展開が待っているのか。どんな治療方法が登場するのか、非常に楽しみです。
「制御性T細胞」についても、またどこかでまとめてみたいと思います。

もう一つの武器として、スーパーライザーは星状神経節照射だけではなく、脱毛部へ直接的に照射することで、局所の血流の増加や抗炎症作用を狙うことが可能です。
毛根部へ直接照射することで、ここに起きている炎症・火事を抑えにかかります。その後の発毛促進という作用も狙って照射を行います。
これが田中はり灸療院でスーパーライザーを照射する理由です。
全ての方にスーパーライザー照射治療を提供するために、当院では6台のスーパーライザーを装備しております。
実は、これは鍼灸院という枠をすでに超えているようです。
「脱毛の方に必要な医療を提供する」というこれは私たちが大切にしているポリシーです。

鍼灸治療の際の手捌き

鍼灸治療

鍼灸治療の円形脱毛症ガイドラインにおける変化として、2010年推奨度Dであったものが、2017年には、推奨度C2にランクが上がったという点にあります。

治療方法
鍼灸治療
推奨度
D

鍼灸治療の発毛効果に関して、1 編の症例集積研究と 4 編の症例報告がある.まず罹患期間、1 年未満 14 名、1 年以上 2 年未満 18 名、2 年以上 3 名の多発型および全頭型 35 例に鍼治療を行い 50% の領域で毛髪が回復したもの 9 例、10% の領域で毛髪が回復したもの 16 例であったが、脱毛巣の個数や脱毛範囲、鍼治療を実施した症例報告があるが、いずれも病状や経過の記載が不十分で、医学的な評価をする水準に達していない。
以上のように、鍼灸治療による発毛効果に関しては未だ有益性を論じる段階ではないため、現時点では推奨できない。

『日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2010  日皮会誌:120(9),1841―1859,2010(平22)』

治療方法
鍼灸治療
推奨度
C2

2 編の症例集積研究と,4 編の症例報告がある.前回のガイドライン発行以降は本邦では 4 例の症例報告の会議録があり,詳細は不明であるが,いずれも発毛を示した.
鍼灸の施術方法は施術者や患者ごとに同一の方法ではなく,病状の経過の記載も不十分で,医学的な評価水準には達していない。
現段階では鍼灸治療による発毛効果に関して有用性を論じる段階にはないが,すでに広く実施され発毛効果を示す症例報告がある点を考慮し,また無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスも存在しないことから,推奨度を C2 とした.今後は,実施方法,評価方法を統一し,臨床試験で十分に検証されるべきである.

『日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版  日皮会誌:127(13),2741-2762,2017(平成 29)』

鍼灸治療全体の問題として、現在の研究をクリアできるレベルの症例集積や報告が少ないことで、ガイドラインで推奨度が上位に来ないという問題がある。
これについては、今後私たちも問題意識を持ちながら症例の経過観察を行い、症例を積み上げていきたい。

「無効、あるいは有害であることを示す確かなエビデンスも存在しない」
このことは、鍼灸治療自体が円形脱毛症に対して、「患者さんに不利益になる治療行為ではない」ことを示しています。

これは、鍼灸治療をこれまで経験したことない方にとって非常に大切な要素で、私たちは安全・安心な医療を届けることができるように常に努力をしています。

使用している鍼について

150913-0010

日本の鍼は非常に細い

鍼治療で使用する「はり(直径0.1mm)」は、鍼そのものが「注射針よりもずっと細い」のはもちろんですが、
毛髪(直径0.15mm)と比較してもさらに細いのが特徴的です。

※日本の鍼は、中国の鍼よりさらに細いという特徴を持っています。

日本の鍼技術 管鍼法

150913-0009細い鍼を使用する際に、江戸時代から日本に登場したのが、管を使用して鍼を行う管鍼法という方法です。
この管は「鍼管(しんかん)」と呼ばれる筒状の道具で、治療を行う際の操作性だけではなく、
鍼を刺す際の痛みを抑える効果をもっています。

使用鍼のシングルユース
(ディスポ鍼:使い捨て鍼)

slide07

世界的に、エイズやB型肝炎・C型肝炎・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染が大きな問題となっています。

患者さんの血液や体液が注射針などの医療器具に付着し、注射針を誤って指などに刺した医師や看護師が発病する、といった報告もあります。

このような危険を減らすために、医療器具のディスポ-ザブル化(一回使用後、廃棄)を徹底、当院は医療機関の注射と同じ基準で衛生管理を重要視しております。

円形脱毛(単発型)の治療経過

元々、頚肩の痛みや頭痛を主訴に当院に通院されていた方が、今回は単発型の円形脱毛症を主訴に来院されました。
この写真は、治療開始後1か月後の脱毛班より発毛を認め始めた時の写真です。
順調な経過の場合には脱毛が停止し、さらに治療開始後の約1か月頃より、このような産毛が認められ、およそ3か月で脱毛班が見た目ではわからなくなります。


この方にも鍼とスーパーライザーを行うことで、脱毛部に発毛を認めました。

脱毛が始まったタイミングや脱毛のピークによって差があり、一概には言えませんが、およそ1ヶ月から1ヶ月半でこのような状態になる方をよく経験しています。

円形脱毛(多発型)の治療経過


この方は、すでに皮膚科を受診中で、皮膚科のステロイド外用療法と並行して、当院で治療を行いました。
来院時には脱毛が増えるという状態ではなく、この写真の状態から発毛を促していくことを目指していきます。
頭頂部は写真の通りですが、後頭部にも脱毛があり、全てが生え揃うまでは半年必要でした。

単発型・多発型にしても、治療効果を認めるタイミングは、脱毛が開始した時期や、脱毛が完成した時期がいつかによって、発毛のタイミングが変わってきます。
脱毛の発見があまりにも早い場合には、まだ脱毛が進む期間が発生します。
これは、すでに脱毛が起きる前段階の退行期に入ったものを成長期に戻すことはできないためです。

円形脱毛(多発型)の治療経過

脱毛の種類が少し異なりますが、どこまで因果関係があるか不明なのがコロナの陽性後に脱毛が起きる方や、ワクチン接種後に脱毛が起きる症例があります。
その他にはこれと言えるような原因がなく脱毛が起きている。
脱毛が免疫系の誤作動で、その免疫に影響がある感染症やワクチンという時に、どんな影響があるのかまだまだわかっていないところはたくさんあるものの、
この患者さんが「脱毛になっている」ここだけは事実です。
何が原因というところは不明な点が多い。

これは初診時の画像ですが、この後は、まだ抜けたり、髪の毛が切れたりしてさらに脱毛が進む時期がありました。

脱毛が完全に終えた状態なのか。
まだ抜けている途中なのか。
これによって回復してくるまでの期間が変わってきます。
この方の場合には、まだ脱毛が完成していなかったこともあり、生え始める時期はゆっくりで、治療後4ヶ月で拡大鏡を使って少し変化に気が付ける程度でした。
その時見た目の変化はまだ確認できないため、ご本人は回復している実感はない。
奥様は「後頭部などで変化している実感があるよ」ということが一緒に確認できるが、ご本人は半身半疑。

初診から半年経ちとご本人も回復している実感が芽生え始めて、
「週に1度のペースで治療に通院してよかった」という言葉が出たのは、この頃でした。

そこからは、正常な抜ける量であり、発毛のスピードが促進してくる時期に入ってきたため、
あーちゃんと生えてきているという安心感が増えてくる。

初診時から11ヶ月経過しての写真がこちらです。
ここまでくると、脱毛だった頃の面影もなくなります。
こちらは丁寧に治療をしていくことしかできませんが、結果がちゃんと伴ってよかったです。

来院前のお願い

来院前日に、以下の手順で毛髪を採取し、診察時にお持ちください。

当院では、マイクロスコープを使用して頭皮・抜け毛毛根部の状態を確認し、適切な治療方針をご提案いたします。

お持ちいただきました毛髪は、一度用紙に一本ずつ貼り付けて毛髪をチェックしていきます。
この作業は1回目の治療中にはできませんので、2回目の治療の際に詳細をご説明します。


私達は脱毛の治療以外にも、鍼灸治療とスーパーライザーに経験を組み合わせて治療を行っています。

ぎっくり腰や神経痛のような痛みは、治療を行ってすぐに治療が有効なのか患者さんと私達で評価が可能です。
ですが、脱毛の治療は、直後効果を評価できるのは、現在進行形で脱毛が広がっている状態の抜け毛が減ってくる。
ここから発毛してくるまで、「本当に良くなっているの?」という期間が少なくとも1ヶ月ほどあります。
皆さんが不安に思う気持ち。
効果の見えにくいこの時期を、私達はしっかり丁寧に治療を行いながら脱毛を改善していきます。

 

初診料

 初診料
 一般 2,200円
学生、未就学児 1,100円

 

治療費

治療費
脱毛治療6,600円
一般治療6,600円
学生3,300円

※価格はすべて税込み価格です
※土曜日は別途+1100円頂戴いたします。
※現金以外にPayPay・クレジットカードでのお支払いが可能です。
※日曜日と祝日は休診です

【支払い方法】
現金

クレジットカード



男性不妊のための鍼灸治療

造精機能を高め精子の数と運動率の向上へ


椎間板ヘルニアによる
「痛み」「痺れ」を改善

MRIで見つかる異常とのギャップ
局所炎症を改善

 


ぎっくり腰・急性腰痛

鍼灸こそがぎっくり腰に対する
最高の治療

 1-2 回の治療で改善


「膝痛」「変形性膝関節症」

変形の程度と膝の痛みは比例しない
滑膜の炎症を抑える

 


「四十肩」「五十肩」

それぞれの時期に合わせて
「治療」や「リハビリ」を指導

 

電気を流す美容はり

「全身の調整」×「美容はり」
田中はり灸療院のSpecial

 

逆子の鍼灸治療

 エコーを使って胎児の位置を確認

 

突発性難聴の鍼灸×レーザー照射

内耳循環に集中させ改善を狙う
聴力固定までに行いたい
耳鼻科との併用療法

顔面神経麻痺「Bell麻痺」「Hunt症候群」

顔への適切な指導とリハビリの徹底

 


耳鳴りに対する鍼灸治療

「内耳」×「自律神経」×「認知行動療法」