四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の鍼灸治療
~痛みの緩和と可動域の改善〜

 

『腕や肩を動かすと痛みが走る。』
『腕が上がらない、腕を後ろに回すことができない。』

服や下着の脱ぎ着に苦労する。
家事、仕事、スポーツ・・・今まで当たり前にできていたことが
できない、できにくくなる。

このような「痛み」+「動きが悪い」という症状は、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)が考えられます。
四十肩・五十肩といわれる肩関節の痛みや動きの悪さは仕事や日常生活に影響が出てしまうことが多い。

「就寝中に痛みで目が覚める。痛みで眠れない。」
「通院、リハビリも続けているけど、改善しない。」
「マッサージや整体、整骨院も試したが症状は変わらない。」
「他の鍼灸院に行ってみたが改善しない。」

「この痛みを早く何とかしたい!」

当院には、切実な悩みを抱える患者さんが多く来院されます。

鍼灸治療に興味を持っていただき
ありがとうございます。
まず初め

鍼灸治療について少しご紹介させてください。

マッサージや整体へは行っても、なかなか鍼灸院に行こうと考えないのはどうしてでしょう?

「どんな所なのか、よくわからないから不安がありましたか??」

鍼灸師という資格制度について

鍼灸師は、はり師・きゅう師という独立した2つの国家資格を有する鍼灸治療のスペシャリストです。
鍼灸院で治療を行う鍼灸師は皆、3〜4年をかけて鍼灸治療に必要な専門知識や関連する医学知識を学び、
国家資格を取得しており、安心・安全な治療を第一に行っています。
そして、鍼灸治療自体が副作用が無い、体に優しい医術です。
マッサージという言葉を使う際に、
あん摩・マッサージ・指圧師という免許制度があるものの、免許を所有している方は実際には少ない。
街中で見かけるマッサージの多くは、免許を持たないリラクゼーションに属しています。
これは、医学的な知識がないことや、治療行為は認められない施術が多いということを意味しています。

整体なども日本では資格制度がないというのが現状です。

人数(2016年)
はり師116,007
あん摩マッサージ指圧師37,780

 

「鍼を刺すのは痛い??」
この質問は本当に良くいただきます。

【鍼は、痛みなく治療が可能な優しい治療】
刺される痛みは、ほとんどありません。
当院で主に使用する鍼は人の毛髪より細く、蚊の吸い口と変わらないほどの細さです。
治療の際は、患者さんの反応や鍼先から伝わる感触を確かめながら、鍼の太さや刺し方を患者さんに合わせて調整して治療を行います。

痛みのない鍼は
日本人の感性が活かされた治療

鍼治療で使用する「はり」は、先が注射針よりもずっと細く、皮膚に滑り込むように刺さっていくため、刺激が少なく痛みを感じにくい特徴を持っています。

また、鍼を刺す際に「鍼管(しんかん)」と呼ばれる筒状の道具を使うことで鍼が刺入される痛みを抑えられます。筒を使い鍼柄を指先で軽く叩けば、鍼先が瞬く間に身体に刺さります。

これは「管鍼法(かんしんほう)」と呼ばれる方法で、いつ刺されたか気づかない程です。当院ではこの方法を採用しています。

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鍼灸院を受診する年齢は何歳ぐらい?
「鍼灸治療は高齢の人が利用するもの??」

当院には生後数ヶ月のお子さんから学生さんも含め、様々な年齢の方が来院されます。
鍼灸治療に年齢は関係ありません。
当院の患者さんには、ご家族で治療に通われるケースもあります。

当院の大きな特徴としては、来院される患者さんが非常に若いということがあります。
一番来院の多い年代は40代>30代>50代>20代という順番で来院されます。

多くの方が皆さんと同じように痛みを抱え、不安を抱え鍼灸院に来院しています。

鍼灸治療は、整体や整形外科とは全く違う視点とアプローチで不快な症状を和らげ、改善を目指します。

「他の治療とは異なる生体への刺激」
鍼灸治療は「鍼で組織を極小さく傷つけながら、組織の自然な治癒力で回復させる」という特徴を持っています。

STEP1

「痛みが軽くなった」
「夜間の痛みが取れて、眠れるようになった!」
まずは、日常生活に大きな影を落としている「痛み」を和らげるための治療を行います。

STEP2

「長袖のシャツが着やすくなった」
「シャンプーが楽にできるようになった」
「シートベルトを締める際に、不自由がなくなった」
痛みの改善に続いて、肩の動きを改善していきます。

四十肩・五十肩は、ぎっくり腰や寝違えのように1〜2回の治療ですぐに元の状態に回復するものではなく、継続的な治療を必要とします。
丁寧に継続的な治療を行い、STEP1「痛みの改善」,STEP2「関節の動きを改善」によって、困難になってしまった日常生活を取り戻していきます。

田中はり灸療院 遠藤真紀子 遠藤彰宏  竹永百華

社会と共に生きる

 

 


患者さんの健康を守るため。
スタッフの健康を守るため。
社会を健康に保つため。

COVID-19と共存しながら、どう生活していくのか。
私たち自身もしっかりと考えながら
そして、社会環境に適応しながら
診療を継続していきたいと思います。

田中はり灸療院 一同

ここから詳しく説明していきます!
「四十肩」「五十肩」
=「肩関節周囲炎」

ある年齢になると、「四十肩・五十肩」という言葉をよく耳にするようになります。

原因不明の痛みが突然、肩関節周辺に起こるのが四十肩・五十肩。
転倒して肩をぶつけたとか、重い物を運んで肩を痛めたとか、そういったきっかけとは関係無く起こります。

ハッキリとした原因は未だにわかっていません。

今のところ、肩関節を構成する組織(骨・軟骨・靭帯・腱など)の老化が炎症の原因の一つではないかと考えられています。

四十肩・五十肩という呼び方は通称で、日本では「肩関節周囲炎」
海外では、「凍結肩(Frozen shoulder)」という名称で呼ばれています。
肩関節周囲炎は日本人だけではなく、世界中の大人を悩ませている症状なのです。

肩関節周囲炎は40代以降の方、特に50代の方に多い疾患です。

「四十肩」「五十肩」
特徴的な3つの症状

主な症状を分類すると3つあります。

【運動制限】
肩の関節が痛む。
腕を上げると途中でブロックがかかって、それより上に上がらない

 

【運動痛】
腕を動かすと肩の辺りに鋭い痛みが走る。痛みが強いため動かしたくなくなる。

 

【夜間痛】
夜、布団に入ると、肩がズキズキを疼いて眠れない。寝返りを打つ度、痛みで目が覚める。

「四十肩/五十肩」「肩関節周囲炎」
という診断にはどう至るのか

肩に異変を感じると、病院(整形外科)へ行かれる方が多いと思います。

病院では、関節の変形、骨の腫瘍や石灰の沈着、腱の断裂他、疾患の有無を調べるために、必要に応じてレントゲンやMRI検査を行います。

まだ病院を受診していない場合に、こんな症状があれば一度医師に相談してして欲しいのが、

安静にしていても痛い。(安静時痛)
肩を動かして痛いわけではない。(肩の動きに制限はない)
ちょっと早歩きをすると肩に痛みがくる。(労作時の痛み)

ごくごく稀にではありますが、内科的な疾患や循環器の疾患が隠れているケースがあります。
緊急性がないと考えられる場合には、当院を一度受診していただいても大丈夫です。

初診時の問診、診察を行った上で、内科や循環器の医師を受診する必要があるかも含めてアドバイスをさせていただきます。
もし、専門医を受診をする必要があると判断した場合、それは鍼治療で改善が期待できない状況ということ。
鍼治療は行わずに専門医をご紹介いたします。

「原因が特定できない」かつ
「炎症が進行している」
その結果
「痛み」と「肩の動きが悪い」

肩関節周囲炎はレントゲンやMRIに写るものではありません。
検査で「異常や原因が特定できない」のが、肩関節周囲炎の特徴です。



左:正常な肩関節    右:肩関節周囲炎

肩関節周囲炎の診断は
・肩の痛みがある=患部周辺に炎症がある
・肩の動きが悪い=可動域制限がある
・レントゲン検査やMRI検査の結果も異常がない=先に挙げたような特定の疾患である可能性が消去法で外される(除外診断)

ということは、他に疑わしい病気もない。
これは、最後に残る「肩関節周囲炎」と考えていいでしょう。

こんな風に、診断の優先順位が上がります。
この時も、肩関節周囲炎と断定できたというわけではないのです。
肩関節周囲炎を想定した治療を行い、経過を観察しながら、より診断を確かなものにしていく。

経過が肩関節周囲炎とは異なるときには、その他の疾患を疑う必要があり、改めて問診や、追加の検査が必要になる。

つまり、
「肩関節周辺の炎症」+「可動域制限」+「除外診断」=「肩関節周囲炎」(四十肩・五十肩)
となるのです。

 

 

<千差万別・個人差がある>

『原因となるきっかけの有無』
きっかけとなる負傷があり、そこから肩周辺に炎症が起こり五十肩になる方もいらっしゃいますが、きっかけが全くないのに発症する方も多数いらっしゃいます。

『運動量の差』
日常的にゴルフ、水泳などの運動をしている方も、特に運動をしていない方でも、同様に発症する可能性があります。
利き腕だから発症する、というわけでもありません。

『年齢的な要因』
45歳頃から痛みを訴える方が増えてくることから、年齢的な変化に伴う発症とも考えられています。
関節を構成する骨、軟骨、靭帯などの経年劣化や、最近では炎症が起きた部分に余計な血管が増えてしまうことが原因だ、とも言われています。

『重症度と治癒までの期間』
治療をせずに短期間で治るような軽症の方もいます。しかし、症状が重い方は治療をしないと関節の硬さが残り、腕や肩が元のように動かなくなるため、早めの治療が必要です。

四十肩・五十肩
「典型的なパターン」
「時期で切り分ける」

「急性期」⇒ 「慢性期」 ⇒ 「回復期」
-赤色線(痛み)
-灰色線(関節の動き)
(四十肩・五十肩の典型的な痛みと関節拘縮の変化)

「急性期」(炎症・疼痛)

・肩の痛みを自覚し始める。腕や肩を動かした拍子に鋭い痛みが走る(運動痛)。

・腕が上げにくいなど、肩の動きの悪さを自覚する。

・だんだん痛みが強くなる。安静にしていても強い痛みがある(安静時痛)。

・夜になると痛みが激しくなる人が多い(夜間痛)。肩だけでなく、二の腕(上腕)まで痛む。
寝る姿勢によっても痛みが強く出るため、痛みの出ない体勢を探すようになる。痛みでなかなか眠れない。
寝返りを打つと、肩や腕に痛みが走り目が覚めてしまう。

・日常生活で、衣類の脱ぎ着、トイレ時のスボンや下着の上げ下げ、お風呂で体や髪を洗う動作時などが辛い。

・痛みが辛いので肩を動かさなくなり、そのため肩の動く範囲が狭くなってゆく。

【鍼灸治療の目的】
当院ではこれまでの臨床経験から、鍼灸治療は『可能な限り早い方がよい』と考えます。
鍼灸治療で肩や腕の痛みの悪化を防ぐことで、さらなる痛みを防ぎたい。

また、
痛むから動かさない

動かさないため、肩関節が固くなる

関節が固まるため、肩や腕が動かなくなる

このような状態が作られないようにしたい!

そして何より、患者さんを一刻も早く辛い痛みから解放したい、という目的を持って鍼灸治療を行っています。
痛みが和らげば、明るい気持ちで日常を送ることができます。
その人の日常を取り戻す。
それは治療にも、症状の改善にも、日常生活にも、プラスの効果になります。

「慢性期」(運動制限・拘縮)

・急性期に比べて痛みが軽くなる。または、鋭い痛みから鈍い痛みへと変化する。

・関節の固さ(拘縮)が目立つ。肩や腕の可動範囲がさらに狭くなる。

・腕を上げたり、腕を後ろに回すことが出来ない(下着のホックを止める、背面のファスナーを上げ下げすることが出来ない)。

・この時期に肩関節を動かさないでいると、肩や腕はさらに動かなくなり、治癒そのものが長引く。

【鍼灸治療の目的】
痛みはピークを過ぎたものの、まだ残っている状態です。
また、肩の関節が固まっており、肩や腕を動かすことがかなり難しくなっています。
この時期になると、痛みの軽減の治療と同時に、肩の可動域を広げるために鍼灸治療と運動療法、リハビリの指導を行うなど、回復期へ向けての治療を行っていきます。

「回復期」(雪解け)

・いよいよ雪解け!治療を受ける毎に痛みが軽くなり、関節の動きも改善してくる時期。
元の状態に近づいていくことを感じることが出来ます。

【鍼灸治療の目的】
回復期になると、治療の間隔は開いていきます。
肩を動かした時の痛み(運動痛)は日ごとに軽くなり、肩の動きも徐々に改善、動く範囲が広がってきます。
あと一押し!と背中をぐっと押すように、最後に残っている症状を見つけ出し、改善をはかっていきます。

「肩関節の中で、どの組織が悪いのか」を特定し、鍼治療の特徴の「患部の近くを刺激可能」を活かして治療を行っていきます。

田中はり灸療院の肩関節痛治療
鍼灸治療&スーパーライザー照射

 

『鍼治療がもっている独自性』

【特徴1:鍼(はり)は患部周辺を”小さく傷つけ自然治癒力を引き出す”】

鍼灸治療は
・ごく細い鍼で患部の近くに入って行き、組織を小さく傷つけて”細胞自身の再生する力(自然治癒力)”を引き出して、自然な回復を促します。
・薬や注射で一時的に痛みの信号を止めるのではなく、痛みそのものを改善することを目的に行う。
・マッサージのように”外から”刺激を与え、リラクゼーション状態を作るのが目的ではなく、”外側から内側に直接的に”、しかし、”非常に小さくて優しい刺激”を与えて治療します。
このように、病院やマッサージとは目的や治療の性質が違います。

五十肩の場合、「急性期(炎症)」「慢性期(拘縮)」「回復期」それぞれの段階によって、鍼治療が持つ即効性の出方・効果の現れ方に差はありますが、
治療直後に
「あっ、痛みが軽くなった!」
「前より肩が動くようになった!」
「肩や腕の張りが柔らかくなってる!」
という変化を確認することができます。

私たち鍼灸師は、患者さんの肩の動きの悪さや痛みの訴えを丁寧に聞きながら、「ここの部分に問題があるのだろう」という推定(仮説)を立て治療を行います。
・鍼で刺激をし、鍼先から伝わる微妙な反応を感じながら、その仮説が合っているかどうか、即座に検証ができる。
・患者さんの身体の変化、症状の変化に合わせて、治療の進め方を最適なものへ変えることができる。
・『常に変化してゆく』ことを前提として、患者さんの体と向き合う。
これこそが鍼灸治療の大きな特徴、優れた点です。

これは、企業にお勤めの方々がビジネスの世界で活用されている「PDCAサイクル」と同じ手法です。
「PDCAサイクル」を高速に回していくようなことが1回の治療中に、”即座に””臨機応変に”行われているのです。
Plan :計画する
Do :実施する
Check :検証する
Act :改善する

【特徴2:当院で使用する鍼(はり)は非常に”細く””やさしい”】

鍼治療で使用する「鍼(はり)」は、一般的に馴染みのある注射針より、ずっとずっと細いものです。
当院で使用している日本式の鍼は、そもそも中国鍼と比較しても細い鍼で、
挿入する感触も刺される側の感触も「非常にやさしい」という特徴をもっています。
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【特徴3:鍼管(しんかん)を使用することで、さらに”やさしい施術”に】

鍼を刺す際に「鍼管(しんかん)」と呼ばれる筒状の道具を使うことが、日本の鍼と中国の鍼の違いです。
この筒を使用する目的は、鍼を刺される瞬間の痛みをなくすことにあります。

(筒の圧刺激>鍼の刺激)
管を皮膚に軽く押し当て、患部周辺の皮膚を刺激している状態を作ることで、鍼の刺激を感じにくい環境になります。
また、管を使うことで、細く扱いにくい鍼をスムーズに刺すことができる、という特徴をもっています。

このような管を使った方法は「管鍼法(かんしんほう)」と呼ばれ、江戸時代から続いている、日本で開発された伝統的な鍼の方法です。

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使用する鍼は全て使い捨て(ディスポ鍼)

このような危険を減らすために、当院の医療器具のディスポ-ザブル化(一回使用し廃鍼)を徹底。当院は医療機関の注射針と同じ基準の衛生管理をしております。

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スーパーライザー照射の併療

当院ではSUPER LIZER(東京医研社)の近赤外線(直線偏光近赤外線療法)照射の治療を鍼灸治療と併療しております。

SUPER LIZERは多くの大学病院や病院でも、多くの疾患・症状の治療に使われています。

深達性(身体の中の一番深くまで届く光)

体内の水分や、血液成分に反応しない特殊処理された光を放出することで、深部の神経節に照射(SGR:星状神経節近傍照射)を行うことで、星状神経節ブロック(SGB)と同様の反応を引き出すことが可能です。

スーパーライザーの周波数帯解説の図

スーパーライザーによる治療の図

①星状神経節照射で、ブロック注射の代用

スーパーライザー星状神経節照射によって副交感神経の働きが高まり、過度な緊張状態が解け、リラックスした状態になります。

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星状神経節にスーパーライザーを照射することで、全身の血流の増加が認められます。
肩の痛み以外にも「様々な症状を回復させる身体の環境を整える」ことがスーパーライザーの照射の目的です。
つまり
血行が悪い所には栄養や酸素が届きづらいので、ダメージを受けている組織が治りにくい、そして免疫力の低下なども起こりやすい。

痛みの症状に限らず、胃腸などの内臓や脳を含めた全身の血行を良くすることで、予防医学効果も含めた全身症状に対する効果を狙える
ということです。

 四十肩・五十肩を治療する上で
大切にしていること

「痛みがどこから発生しているのかしっかりと見極める力」

Aの地点では、3本の線はある一定の場所に集まっているため、その違いはわかりにくい。
Bの地点では、それぞれの線はハッキリと別れています。

四十肩・五十肩の臨床で、B地点の視点から、それぞれの患者さんの症状の特徴を知るために「丁寧な問診」、「診察」を行います。さらに目的(例:痛みを取る)を定めて治療を行い、鍼を打ちながら仮説の検証を繰り返すことを大切にしています。

治療を行う上で、恩師の米山榮先生(神経内科医、鍼灸師)の教えである「患者さんを傷つけないこと」「自分たちの仕事の範囲をしっかり見極めること」を大切にしています。

患者さんの経過をお聞きした上で、「心臓(循環器)」「内臓(内科)」等の問題が疑われれば、病院への診察や治療を優先していただくこともあります。

この点からも、「治療技術」だけではなく、「診察力(問診・身体診察)」の技術は大切な要素と考えます。

Aの地点で大切なことは、患者さんの状態を、当院に来院された時点だけを考えるのではなく、ここからの変化について「どんな変化をして、どう症状が改善していくのか」「それ以外にどんな経過が考えられるか」について説明を行うこと。そして、「本当にそのような経過を辿っていくか」検証しながら経過観察をすることで、患者さんと私たちの関わりは点から線になり、治療の過程を共有しながら、それぞれの患者さんに合わせたより精度の高い治療を提供することが可能になると考えます。

※整体・マッサージなど無資格者の施術では、疾患を見逃す事故も多いことが報告されています。
専門知識の乏しい
方に身体を任せるのは、非常に危険です。骨折や捻挫、外傷などの報告も多数ありますので、治療を目的での通院は非常にリスクを伴うものと思われます。

2つの例を紹介します。

<症例1  右五十肩 61歳男性>

2か月程前より右肩が痛み、整形外科にてレントゲンの結果「異常はない。五十肩でしょう。」と診断された。湿布薬を処方される。
湿布を貼って過ごしていたが、痛みが強くなる。また肌が湿布に負けるので貼りたくない。
元々耳鳴りの症状もあるため、当院での治療を希望される。

所見)前方拳上は可能、側方拳上が困難:外転90度で痛み
他動運動では、やや固さを認めるも強い硬縮はない

評価)外転での痛みが強いことから、棘上筋や三角筋を中心に障害部位を推定

治療)特に効果的な治療として肩髃穴、四瀆穴を選択
関節周辺、星状神経節にスーパーライザーを照射
耳鳴りに対して内耳への照射と頚部の鍼治療を追加
経過)痛みは治療ごとに減少し、5診目終了時点で、ほぼ改善

<症例2  左五十肩 45歳女性>

半年前より左肩に痛みを自覚。
少しずつ痛みは悪化しているが、我慢ができると思っていた。

しかし、3か月を過ぎた頃、痛みがさらに強くなり、衣類の脱ぎ着が困難になる。
下着を後ろで止めることができなくなり、前で止める。

整形外科を受診し、治療開始したが変化がない。
むしろまだ悪化は続いている。

鍼治療という選択肢は自分にはなかったが、ご両親の薦めで鍼治療を知り当院を受診。

所見)前方拳上は可能、側方拳上が困難:外転45度で痛み 伸展15度
他動運動でもしっかり固さがわかり、関節拘縮がある状態。

評価)外転での痛みが強いことから、棘上筋や三角筋を中心に障害部位を推定
それ以外に、伸展が困難なことから大円筋や、広背筋なども治療が必要

治療)特に効果的な治療として肩髃穴や三角筋部、大円筋、広背筋を治療することで、早期に伸展可能

関節周囲へは、体位変換ごとにスーパーライザーを照射

経過)痛み、関節の可動域が、治療ごとに改善し、10診目終了時点で、ほぼ改善頚椎椎間関節の痛み

五十肩以外で、私たちが出会う関連症状
肩や背中に痛みがあるのに原因は、頚にある
「頚椎椎間関節」が原因の痛み

頚椎の椎間関節の周辺で炎症が起きるとその痛みは、頚だけでなく、肩や肩甲骨の内側に痛みが生じます。

「四十肩」「五十肩」は、「痛み+関節拘縮」という肩の動く範囲が狭くなるという特徴があります。

一方、頚椎が原因の痛みでは、「肩こりに似た鈍痛」のようにな重だるい感じ、疲労感が抜けないという感覚があります。
また、頚椎からきた痛みなら、頚部の動きで痛みが変化します。(頚を動かすと肩の痛みが増える感じ、肩にひびくなど)

頚椎は7つ(C1-7)ありますが、それぞれの間に関節面があります。
痛みの原因となっている悪さがどの高さにあるかよって、痛みの部位は、右図のように C2-3であれば頚の上部から後頭部にかけて痛み、C5-6、C6-7では、肩凝りに近い痛みが生じます。

この時、患者さんは「筋肉をほぐしたらいいんだ」「血流が悪いんだ」「リンパの流れが悪いのでは」という発想から、マッサージ、整体、リラクゼーションなどあらゆるところへ行かれます。
しかし、その痛みの場所には原因がないため、治ることも症状の変化も、期待した効果はありません。

残念ながら当院にお越しになる方は、きちんとした診察を受けずに施術され、何も改善されることなく来院されています。

鍼治療は、細い鍼を使用することで痛みがなく目的の場所に侵入できるという点で、非常に優れています。問診で原因をしっかりと探り、目的意識を持って治療を行うことがこの症状に対する一番の強みです。

<症例 60歳 男性 左肩甲骨内側の痛み 左頚部の凝り感>

1週間前より、特に思いあたる原因なく発症。
少しずつ痛みが強くなり、先週の土曜日に痛みが最も強くなる。
1週間経過しても症状が改善されないため当院を受診。
以前より肩凝りは、経験あるが、今回の痛みは今までとは違う。

所見)
・胸痛、息苦しさなし
・冷感、冷や汗なし
・頚部の動きに連動して、肩の痛みが増える

補足)
今回の症状には、直接的な原因はないものの、身内の病気のことで心労が重なったことは、痛みの原因の一つの要素としてご本人は自覚している。

評価)頚部の動きで痛みの再現があること、肩の動きでは痛みが増強されないことから、
肩甲骨部の痛みは、筋肉性よりも頚椎下部周辺からの痛みと推察して治療を行う。

治療)若い頃に鍼治療の経験があり、刺鍼の際に鍼が好きということだったので、置鍼だけではなく、手技鍼(雀琢術)を行い心地よいひびきを出しながら治療を行う。
治療中にも、「先生!そこが悪いんです。」というマッサージにも似た感覚を再現しながら鍼治療を行う。治療直後に痛みは10→3へと変化。痛みの質がピリピリとした性質だった状態から角が取れたような丸みのある鈍痛へと変化。

この症例は、3日後に治療に来院された際には、すっかり痛みは良くなり、普段感じていた肩凝りの症状だけになっていたため、肩凝りの治療と、心労もあったことから、ストレスに対する治療穴(身柱、百会穴など)を追加。

この症状ならもっと早く治る
「トリガーポイントタイプ」

ショルダーペイン1米国のトラベル博士が中心として研究された筋肉が起こす痛み、「筋筋膜性疼痛症候群 (トリガーポイント:引き金点)」という考え方があります。
トリガーポイントは、筋肉を触った際に索状の硬結というしこりがあります。
図中の×印にトリガーがあると赤の部位へ痛みが起こります(関連痛)。この際治療ポイントは、赤い痛みの部位ではなく、×印の部位が治療のポイントとなってきます。

鍼灸治療で用いる経穴とも非常に一致しており治療点としても有効なポイントです。

鍼治療では意識的にも無意識的にも、用いていきます。

当院の治療は鍼治療+SUPER LIZERで、よりやさしく、より再現性のある治療を行なっています。

 

この鍼灸院が持つ”もう一つの物語”

私自身、2018年に『左肩関節周囲炎と左腕の強張りと痛み』で田中はり灸療院を受診、鍼灸治療を受けました。

このページを読んでくださっている皆さんと同じ悩みを持っていました。
発症してから数か月間は整形外科に通い、痛み止め薬を服用したり、2度の注射(痛み止めやヒアルロン酸注入)
リハビリも続けましたが、なかなか改善の兆しを感じられませんでした。
とにかく毎日辛かった。

肩関節周囲炎特有の『痛みと可動域制限』に苦しみ、仕事にも日常生活にも支障が出ていました。
肩や腕が疼いてなかなか寝付けない、やっと眠りについても寝がえりなどで態勢を変えると痛みが走り、目が覚める
・・・心身ともにかなりのダメージを感じていました。

そんな時、17年ほど前、当時住んでいた関西で鍼灸治療に出会い、産後の体調不良を支えてもらったことを
思い出しました。
「福岡で鍼灸治療をうけるなら、どの鍼灸院がいいだろう」
一刻も早くこの苦痛から開放されたくて、その日からWEBで鍼灸院を探しました。

いくつもの鍼灸院のWEBを見ましたが、「ここなら」と思える所が見つからない。
そんな中、田中はり灸療院のWEBサイトが唯一、違っていました。

「洗練されていて見やすい、余計なものがない」
「症状別のページがあり、情報がしっかり書かれている」
「鍼灸治療のことが分かりやすく書いてある」

WEBから、
田中はり灸療院が70年以上の歴史のある治療院であること、
そして、治療に特化してきた鍼灸院であることがわかりました。
さらに
①症状のメカニズムや体のメカニズム
②鍼灸治療でどうアプローチするのか
③この鍼灸院の治療への考え方、症例への考え方
が丁寧に、綴られている。

何より『相手を慮りながら治療する』という言葉と
熱のある内容に引き込まれました。

(初診時)
問診では、発症のきっかけと思われる故障日から学生時代まで遡り、日頃の身体の使い方の癖等の聴き取り、
現在の症状についての見立てや解説、どんな治療をするのか、どのような段階を辿るであろうなどの話がありました。
治療者と患者とのコミュニケーションに充分な時間があることで、安心して治療を受けることができました。

あんなに痛かったのが、初回の鍼治療で僅かではありますが、和らいだことを感じました。
この痛みから解放されないかもしれないという不安が消えました。
改めて鍼灸の効果と素晴らしさを実感、今後の治療に希望を感じることが出来ました。

田中はり灸療院の鍼のタッチは優しく、こちらの感覚や体調に合わせた丁寧な治療だと感じました。
また、鍼灸師の方々の気さくで温かい人柄に、通院も楽しみでした。

通院を重ねる内に徐々に痛みは気にならなくなり、夜間に痛みで目が覚めることも無く朝まで眠れるようになりました。
そこからは肩の可動域が広がるまでの間、徐々に通院の間隔は開いていき、数か月で治療は終了。

鍼灸治療、田中はり灸療院の鍼灸にすっかり魅せられました。
一患者が、やがて一スタッフへ。
有り難いことに縁をいただき、現在、田中はり灸療院の運営スタッフとして働いております。

初診料

 初診料
 一般 2,200円
学生 1,100円

 

治療費

治療費
一般治療6,600円
学生3,300円

※価格はすべて税込み価格です
※土曜日の診療は、別途+1,100円頂戴しておりま
※日曜日と祝日は休診です

【支払い方法】
現金

クレジットカード



男性不妊のための鍼灸治療

造精機能を高め精子の数と運動率の向上へ


椎間板ヘルニアによる
「痛み」「痺れ」を改善

MRIで見つかる異常とのギャップ
局所炎症を改善

 


ぎっくり腰・急性腰痛

鍼灸こそがぎっくり腰に対する
最高の治療

 1-2 回の治療で改善


「膝痛」「変形性膝関節症」

変形の程度と膝の痛みは比例しない
滑膜の炎症を抑える

 


「四十肩」「五十肩」

それぞれの時期に合わせて
「治療」や「リハビリ」を指導

 

電気を流す美容はり

「全身の調整」×「美容はり」
田中はり灸療院のSpecial

 

逆子の鍼灸治療

 エコーを使って胎児の位置を確認

 

突発性難聴の鍼灸×レーザー照射

内耳循環に集中させ改善を狙う
聴力固定までに行いたい
耳鼻科との併用療法

顔面神経麻痺「Bell麻痺」「Hunt症候群」

顔への適切な指導とリハビリの徹底

 


耳鳴りに対する鍼灸治療

「内耳」×「自律神経」×「認知行動療法」