寝違えの鍼灸治療

田中はり灸療院は1948年の開業以来、初代から現在の3代目まで、頚部の症状を得意としてきました。

「頚部には、患者さんの症状を改善するのに有効だがツボ(経穴)の名前が存在しない場所がある」

田中はり灸療院では、昭和30年代より学会にて、頚部の刺鍼点と治療効果について、度々学会で発表を行って参りました。
『田中後頚点』として発表し、頚部に有効な治療点として評価されました。

長年、寝違えを治療する中で私たちが辿りついたのは、多くの方は1回の鍼治療で充分痛みを和らげることが可能だということ。
鍼治療を受けるのが初めてという方も多いため、その場合は刺激を軽く、やわらかい治療でも2日あれば充分。

どの治療方法よりも「安全に」「早く」。

これが田中はり灸療院がもっている「寝違えに対する鍼灸治療への自信」です。

一日でも早く快適な生活に戻れるように、しっかり治療させていただきます。

田中はり灸療院 一同

社会と共に生きる


患者さんの健康を守るため。
スタッフの健康を守るため。
社会を健康に保つため。

COVID-19と共存しながら、どう生活していくのか。
私たち自身もしっかりと考えながら
そして、社会環境に適応しながら
診療を継続していきたいと思います。

田中はり灸療院 一同

寝違えを治療する上で
大切にしていること

寝違えの治療をする中で大切なことは、丁寧に患者さんの症状を聞くこと。

症状を聞き、私たちは仮説を立てます。

「今朝急に目覚めたら痛みを自覚した。」
「痛みは安静にしているとほとんどない。」
(若干うずくような痛みはあるが、これまで経験したことがある痛みの程度)
「この方向に動きが悪い。」

A:天井を向くことができないため、うがいをすることができない
B:首を傾げるように右(または左)に倒すと痛みがあり、動かすことができない
C:車を運転していて、左右のミラーを確認することができない

それぞれの痛みによって、寝違えの痛みの原因となっている筋肉が異なります。

そのため、当院では治療前に丁寧に問診、診察の上で治療を行います。

寝違え以外の可能性はないか?

寝違えの特徴である
「急な痛みの発症」
「動かした際に痛み」
「安静時には痛みはない」
「腕にしびれ、痛みはない」
(首に限定した痛み、あっても肩甲骨にひびく程度)

この症状であれば、寝違えの可能性は高くなります。

一方で
「短時間で痛みが始まり、どんどん悪化する」
(痛みが進行している)

また、
「脂汗が出てくる」
(自律神経症状)

頚部の痛み以外に
「吐き気、嘔吐」
「腹痛」

等があれば、先に病院を受診していただく必要がありますが、
『この症状は何か変だ!』
『これは救急車を呼ぶしかない!』

といような緊急性があるものは、ご本人も危険を察知されるため、

我々が「これはすぐに病院に行ってください!」というケースは、非常に稀です。

皆さんの中にある
『寝違えだと思います』
寝違えに関しては、この患者さんの感覚はあてにしていいと思います。

寝違えの原因の多くは筋膜

NHKスペシャル『腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム”腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~』をはじめ、腰痛の原因の一つとして近年注目されているのが筋膜です。

ぎっくり腰と似た経過や、鍼治療の治療ポイントや、鍼治療後に即座に効果が出る点など共通点も多く、寝違えも同じ筋膜の異常と考えて良いと考えています。

当院の鍼治療はこの緊張した筋膜を適切に捉えること、そして緩めるということを鍼治療で行っていきます。

検査と治療を同時に可能な
鍼灸治療

その筋膜は、どこが異常なのか。
どうやって痛みをとっていくのか。

鍼灸の最大限の強みは、寝違えの問題が起きている個所を推察し、即座に治療を行うことが可能ということ。

この仮説が正しく、その部位へ適切な鍼刺激があれば症状はすぐに軽くなる。
仮説が間違っている場合は治療効果は認めないため、治療の部位、深さ、刺激の量を変更しながら、
治療効果が出る場所を探し当てます。

私たちの強みは、この仮説を立てるための
『問診力(症状を聴く力)』『仮説の立てる力』『鍼治療技術』にあります。

 

 

当院が行き着いた
『治療効果を最大化する』
かつ
『デメリットをなくす』

現在、寝違え治療の来院は「今朝寝違えを発症しました。」とお電話をいただき、発症してかなり早い段階で来院される方がほとんどです。
また、鍼灸治療は初めてという方が非常に多いのが当院の特徴です。

初めて鍼治療をする場合には、ある鍼の刺激をした際の刺激の大きさを「1」とした際に、どれだけ効果が出るか個人差があります。

私たちは個人差があることを知っているため、刺激量はできる限り最小限にしたいと考えます。

これは、
A:鍼1の刺激に対して患者さんから返ってくる反応1
B:鍼1の刺激に対して患者さんから返ってくる反応0
C:鍼1の刺激に対して患者さんから返ってくる反応3又は5

鍼の刺激に対しては、
「患者さんの寝違えの重症度」
「患者さんの鍼に対する感受性」
(敏感さ、鈍感さなど)

それぞれが影響しています。

安全を考慮しながら、治療効果を最大化するというのが私たちのミッションです。

それを実現するために当院でとっている行動は、
1回の施術料金をいただき、アフターメンテナンス(無料)で、一回余裕を持って治療を行うということをしています。
※初診料金2,200円+治療費6,600円
※アフターメンテナンス(初診時より3日以内)

これは、美容室でパーマのかかり具合をみながら、パーマのかかり具合には個人差があるため、弱すぎた場合にアフターメンテナンスしてくれるサービスに近いと考えてください。

1回目の施術を発症した日の午前中に行い、夕方に2回目を治療するケースや。
1回目の施術は、発症当日。2回目の治療は翌日など様々です。

寝違えの鍼治療
日々感じること

寝違えに対する治療方法は、整形外科の先生方はもっていないため「今の痛みをどうにかして欲しいのに」
その他の病気がないかをチェックする目的でレントゲン検査をして、湿布と痛み止めを処方され帰宅させられます。

また、整体や、リラクゼーションでは施術をしたことで悪化してしまい、その後当院を受診する方も多く経験します。

昨今では、寝違えの原因として『背骨の歪み』『骨盤のズレ』『冷え』などをあたかも原因のようにうたっている広告を目にしますが、
仮に背骨の歪みであれば、治療前後のレントゲン写真の変化でも示すことができれば証明の一つになるかもしれませんが、全くそのような報告はみたことがありません。

また無資格での治療によって、骨折などの事故も多く消費者庁に報告され非常に危険な状況です。

寝違えの治療で鍼灸治療よりも回復が良い治療はありません。

当院で治療を経験された方は
「もっと早く鍼灸治療を知っておけば、以前の寝違えで、あれだけ苦しまなくてよかった」
この「もっと早く」は患者さんにとっても、当院にとっても機会損失だと考えています。

「寝違えなら鍼が一番」この文化をしっかりと作っていきたいと思います。


田中はり灸療院
2代目 故田中正治
「臨床鍼灸」
Vol.34 No.1 2019.1


故田中正治の活動の一つとして、日本臨床鍼灸懇話会という会がありますが、こちらで定期的に頚部の治療について発表を行ってきました。
頚部の治療だけではなく。診察方法まで丁寧に記されています。
追悼集のため初回の投稿は30年近く前だったりしますが、今見ても時代を感じさせない内容です。

医学が発達した中で、画像検査等の進歩がある中で、寝ちがいの治療は特に新しい進歩がある分野ではなく。
丁寧な診察と、丁寧な治療によって成り立つ。

私たち田中はり灸療院が大切にしているものがそこには記されています。
この寝ちがいの治療は、私たちが受け継いだバトンのような治療方法です。

大切に守っていき、患者さんに役立てたいと思います。


「鍼灸で治す「むち打ち損傷・寝ちがい」田中正治,毎日ライフ1996.8,P80-81」

 

改定版
刺鍼基本テクニックのマスター教本
木下伸一から学んだ師弟教育


木下伸一先生は、田中正治と明治東洋医療専門学校の同級生で、一緒に大阪の学生時代を過ごし、田中正治は、米山鍼灸院で弟子入り、木下伸一先生は鍋島鍼灸院に弟子入りし、共に技術を磨き。
卒業後も日本臨床鍼灸懇話会や、全日本鍼灸学会で共に活躍。
田中後頚点は、二人が鍼灸学生時代に「頚にはなんで経穴がないんだ?」「うちの親父(田中謹悟)は、頚に治療するが経穴はないのか」
こんなやりとりの中で、生まれています。

臨床的には使っていた場所に、名前をつけて治療方法を解説することで治療を独自のものとせずに、他の鍼灸師の先生にも再現性があるようにする。
これは田中正治が目指した鍼灸の一つでした。


この治療方法について、私たちも自分たちだけのものとはせずに、多くの方に知っていただくために、
木下伸一先生のお弟子さん佐野善樹先生より原稿を執筆させていただきました。

鍼灸師の先生でご興味のある方は、ぜひAmazonでお買い求めください。

 寝違いの痛み

症例35歳
女性 左頚部の痛み、頭痛、肩凝り感

現病歴)3日前からなんとなく痛みを自覚していた(凝り感)、昨日頭痛がひどく、少しずつ痛みが強くなり頚が回らなくなる。今朝がもっとも頚の痛みが強くなり、朝家事をするのがとても辛かった。

診察所見)
・痛みは、左の側頚部(外側)に縦に痛みを感じる
・左へ曲げる、上を向くことができない。
・右に曲げても、左の頚が引き伸ばされるように痛む
・安静時痛なし(じっとしていても痛みはない)

既往歴) 特になし

治療)天中、風池、田中後頚点、側頚部へ治療

治療効果)直後より痛みが軽くなり動きが改善する

初診料

 初診料
 一般  2,200円
学生、未就学児  1,100円

 

治療費

治療費
一般治療 6,600円
高校生・大学生 3,300円
中学生 1,650円

※価格はすべて税込み価格です
※初回の治療費で、来院後3日以内の治療費は無料でアフターメンテナンスをさせていただきます。
これは、安全に治療効果を最大化するための当院の治療方針です。
※土曜日・日曜日の診療の場合には休日診療のため+1,100円頂戴いたします。

 

【支払い方法】
現金

クレジットカード


寝違えの原因は
『腋窩神経』なのか!?

鍼灸院に遠方で来院できない方。
鍼灸院に来院する前に、自分で何か試すことができないのかと考えている方。

この方法は、一度試してみる価値はあると思います。

当院で治療する方は、この方法で治らなかった方が基本的に対象となるため、どれだけ効果があるのか判断はできていませんが、参考にしてみてください。

寝違えの原因を「腋窩神経(えきかしんけい)が圧迫されたため」が人気マンガ「ゴッドハンド輝(てる)」で紹介された方法です。

この方法は、『腋窩神経』を原因と考えて改善を狙う方法です。
この方法で、治らない場合には、『腋窩神経』ではなく、筋膜と考えて鍼治療も選択肢の一つにしてください。

【運動1】
痛む側の腕を少しずつ後ろに引き上げ、自然に止まるところで20秒キープする。
これを2回繰り返す。

寝違えたときの対処法

【運動2】
痛む側の手のひらで、真後ろのベルトの真ん中に手を当て、肘を後ろに引いて20秒キープする。
これを2回繰り返す。

【運動3】
痛む側の手を、肘角120度に曲げて上げ、そのまま腕を軽く後ろに引いて20秒キープする。
これを2回繰り返す、

寝違えたときの対処法引用文献:山本航暉「ゴッドハンド輝」46巻,講談社