頚椎椎間板ヘルニアによる痛み・しびれ
鍼灸×スーパーライザー

はじめまして、田中はり灸療院の遠藤彰宏です。

手や足に痛みやしびれがあり、その原因は「椎間板ヘルニア」と診断され、病院での薬と牽引や電気治療、リハビリ等を受けるが症状は改善しない。
しかし、手術をする程ではない。

当院を受診する「椎間板ヘルニアによる神経痛でお困りの方」はこのようにすでに先行する治療はあるが奏功しない。
手術はまだ早いというような方が、鍼灸鍼灸とスーパーライザーに期待して来院されます。

鍼灸治療は初めてという方
鍼灸治療をすでに他で試してみた方
通院しやすい鍼灸院を選びたい気持ちもわかります。

ただし、鍼灸治療・鍼灸院というカテゴリーで分類しても、それぞれの専門性や日頃みている患者さんは鍼灸院ごとに全く異なります。

こんなに良い治療なら、
「もっと早く来院すればよかった」
でも「今知ることができてよかった」

これは、鍼灸治療が患者さんの第一選択ではない治療方法だからいただく声ですが、
患者さんの心境をよく表していると思います。

「知識」×「治療」×「経験」
これを掛け合わせた時に、
私たちにしかできない治療があります。

どうぞ安心してご相談ください。

少し文章量の多いWEBページになっていますが、
「こういう状態だから私は痛みやしびれが出ているんですね」
「鍼灸でなぜ症状が改善するのかイメージが湧きました」
「この鍼灸院なら安心して受診できそうです」

そんな情報をお伝えできればいいなぁと思いながら丁寧い言葉をつむぎたいと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。

田中はり灸療院 遠藤彰宏

 腰椎椎間板ヘルニアで
お悩みの方はこちらへ

椎間板ヘルニアについて

まずは「椎間板ヘルニア」や症状を説明していく前に「椎間板って何」という解剖学的な説明からさせてください。
脊椎は脊椎椎体骨が、連なって関節を構築します。
いわゆるみなさんがイメージする「骨」は「椎体骨」という名前がついています。
1つ1つの骨が連結することで、前屈したり、後屈したり、回旋したり動くことができます。

椎間板の説明図1つ1つの椎体の間でクッションの役目をしているのが、椎間板(上図 水色)です。
椎間板髄核、線維輪
中心部にあるゼラチン状の「髄核」とコラーゲンを含む「線維輪」この二つで、椎骨にかかる衝撃を吸収します。
髄核はゼラチン状なので、ゼリーみたいなイメージ。
線維輪は、線維なので、タイヤのようなイメージを持っていただけたら良いと思います。
椎間板はこんな二重構造になっている。

椎間板ヘルニア説明図その椎間板が何らかの原因で飛び出してしまった状態(図中 赤部)が「椎間板ヘルニア」と呼ばれる状態になります。
後方に飛び出して、黄色い神経に接触してしまっているようなイメージ画像です。
神経って、こんな路線図のような分布をしているのはご存じですか?
頚椎の神経はC6-C8は上肢へ分布しています。
そのため、親指に沿って痛みがあるならC6(頚椎の6番目)から出ている神経で、
小指側が痛みがあるならC8(頚椎の8番目)から出ている神経というように推察ができます。
そのため下肢に痛み、しびれがあるなら腰が震源地なんではないかと推察ができます。

もちろん、私たちの日常臨床では、本当に首が原因なんだろうか。
腰が原因なんだろうかとあらゆる可能性を考えながら診察をしていますので、
ここでは、「神経は電車の路線図のような構造をしているんだな」
っていうところを理解していただけたら良いです。

ちなみに『ヘルニア』
広義には臓器または組織の全体あるいは一部が、体壁や体腔内の裂隙、凹窩部や、組織の欠損部を介して、その正常の位置から逸脱、突出した状態と定義され、突出が体外に向かう場合は外ヘルニアで、体腔内で他の部分に向かう場合には内ヘルニアといわれる。(『医学大辞典』第18版,南山堂,2004)

このようにヘルニアは外側か内側に飛び出してしまった状態を指しています。

これまで皆さんが主治医の先生、セカンドオピニオンの先生に言われた内容や、ご自身でWEBや書籍を調べた内容のように、椎間板ヘルニアは、椎間板が出ている状態のことです。

「出ていることはMRIなど画像で確認ができる」
「構造として、他の正常なところとは違う」
「見た目の変化」
さぁこの見た目の変化は、どれだけ症状に関連しているのでしょうか?というのが次のテーマです。

椎間板ヘルニア
診断基準

椎間板ヘルニアによる神経痛を起こしている場合のガイドラインには、以下のような項目が並んでいます。
先ほどの画像で椎間板ヘルニアがあるというのは、「4. MRIなど画像所見で椎間板の突出がみられ,脊柱管狭窄の所見を合併していない.」
この項目のみが該当をしているかどうかで、他は症状やベッドサイドの検査が含まれます。

1. 腰痛・下肢痛を有する(主に片側,ないしは片側優位).
2. 安静時にも症状を有する.
3. SLRテストは陽性(ただし高齢者では絶対条件ではない).
4. MRIなど画像所見で椎間板の突出がみられ,脊柱管狭窄の所見を合併していない.
5. 症状と画像所見が一致する

「日本整形外科学会診療ガイドライン委員会/腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン 改訂第 2 版.1,2011,南江堂」

画像だけで椎間板ヘルニアとはいえない。
各項目の掛け合わせで診断をする必要があります。
ちょっと画像所見が1人歩きしていませんか?
画像の所見が重きを置かれすぎていませんか?というのが、一つ問題定義としてあげさせてください。

その治療に根拠はあるのか?

腰椎椎間板ヘルニアと疼痛

腰椎椎間板ヘルニアは,変性椎間板組織周囲の炎症に起因する神経根性疼痛を主症状とする疾患である.
この神経根性疼痛の発現機序について,椎間板組織自体がサイトカインやプロスタグランジンE2(PGE2)などの化学物質を産生し,これが疼痛誘発物質として重要な役割を演じることが報告されている.

(安藤則行 ほか: 変性腰部椎間板の免疫組織学的及びRT-PCR法による検討― サイトカインと椎間板の変性について―.日整 会誌,68:1571, 1994. )

ここで登場してきたのが、椎間板周辺で起きている炎症の存在です。
これまでは「椎間板が突出している」=自分の症状って考えていませんでしたか?

鍼灸やスーパーライザー神経症状を治療していく根拠の一つとして、この炎症に関わっている椎間板の付近に治療を行うことで、炎症を抑えていくことで改善させること。
「神経の周辺で炎症が起きる」「炎症が引き金で腫れる」「神経を圧迫する」

この炎症を取り除き、腫れを抑えることで、神経に対する圧迫を取り除く。
これが当院の治療で狙っている神経の改善計画です。

腰椎椎間板ヘルニアの退縮

腰椎椎間板ヘルニアの退縮は、無機質な椎間板に血管新生によって炎症が惹起され、サイトカインの作用で様々な酵素が誘導されて腰椎椎間板ヘルニアを分解するために生じる。
解説:椎間板ヘルニアが生じると生体反応としてその周辺に血管新生が起こり、活性化したマクロファージを中心にリンパ球などが浸潤することによって炎症が惹起され、TNF(tumornecrosis factor)-αなどの炎症性サイトカインの作用で様々な酵素が誘導されて椎間板ヘルニアを分解すると考えられている。ヘルニアが退縮に要する時間については明確にした報告はないが、2~3カ月で著明に退縮するヘルニアも少なくないとされ、特に大きなヘルニアや脱出型のヘルニアでは退縮しやすいとされている。
(日内会誌 105:2210~2214,2016)

椎間板ヘルニアでは自然退縮が起こることがわかっていますので、前述の痛みを取ることを目的としながら、自然退縮の可能性を探っていきます。

「この探っていきます」という表現には、少し弱い印象があるかもしれません。
「鍼灸治療で、椎間板ヘルニアの退縮を促す」「鍼灸治療で自然退縮の期間が短縮する」というエビデンスは、証明されていません。
当院での主たる目的として、痛みやしびれを改善させることに重点を置いていますので、炎症を抑えることを第一に、その後に自然な退縮を期待しています。

鍼灸治療の目的は
機能を回復させる

鍼灸治療の回復は機能を回復させるというテーマで次はちょっと変わった角度からお話をさせてください。

ペットボトルの中にある液体を外に出す際に、流出するスピードや、量はペットボトルの首の部分に影響を受けます。
この部分を「ボトルネック」と呼びます。

ペットボトルのボトルネックを手術をして広げることができれば、中の液体は沢山出すことができます。
このボトルネックは、椎間板ヘルニアに例えると、元々同じ寸胴の円柱だった神経が、椎間板の膨隆により神経が圧迫を受けた状態。
この膨隆を取り除くことで、ボトルネックは解消され神経症状は改善するこれが手術に対する考え方です。

しかし、手術をしなくても、回復はできないのか?
これを実現できる手段として鍼灸治療はどうなのか?
というテーマでこのWEBを読んでいただいているはずです。

実は、ペットボトルの液体を外に早く出すためには、ボトルネックの口径を大きくする以前にできることがあります。

それは、ペットボトルを円を描くように、回旋させて、中の液体に渦を作ることで、外に流出するスピードが上がること。

さらに、ストロー差し込み、空気を流入すると、液体の流出量は、さらに拡大をすることが可能です。
これは物理学の世界ですね。

手術をする前に可能なことがある。
サイズを変える前に、そのままの状況で、機能を回復することは可能だ。

鍼灸は、このストローのように新たな機能を生み出すことで回復を促す。

高校を卒業してすぐに鍼灸の道に進みましたが鍼灸をどうやって説明できるのか。
どうやったら理解して治療できるだろうかという課題を持ち続けています。

鍼灸は「機能デザインだ」
そんな仮設を立てながら、デザインについて学ぶ中で、このような説明が生まれてきました。

私がやりたいことは、これまでの鍼灸の治療効果だけではなく。
ちゃんと理解していただきながら身体が変化していく体感と納得感を。

そんなことを繰り返していたら
「おーこの説明なら、たしかに治りそうだ。」
「病院の先生よりもわかりやすい」
「今日話が聞けて安心できました。」
そんな声を治療以外でもいただけるようになりました。

そんな私は何者なのか

鍼灸学校を卒業後に、故米山榮先生(神経内科医,はり師,きゅう師)の三重県四日市市にあった米山クリニック(神経内科医院,鍼灸治療室併設)で研修を許されました。
その中で、椎間板ヘルニア、各種神経痛の患者さんや神経内科疾患、内科疾患、整形外科疾患と幅広く学ばせていただきました。

自分の未熟さのあまり、その時に吸収できることには限りがある中で、
「今わからないことでも、教科書で学んだだけの知識と、実際にこの目で見た経験。これは大きく違う。」
「今後の人生に役立たせなさい。」

そういって「種」をたくさんいただく貴重な研修時代を20代前半にさせていただきました。

 

「神経内科での研修」

大阪から四日市へ通う中で、いつも持ち歩いていた本がこの『ベッドサイドの神経の診かた』(南山堂)です。
この本を片手に、教科書に書かれていることと、故米山先生の診察、治療を研修させていただきました。

具体的には、
現在、皆さんが普段受けている薬物治療によってどんな変化が生まれるのか。
故米山榮先生のクリニックでは鍼灸院を併設していたため、鍼灸治療で椎間板ヘルニアによる神経根症の神経痛に対して痛みやしびれがどう変化していくのか。
手術を必要とする患者さんはどんな特徴があるのか。
手術を受けた結果どんな変化が生まれるのか。

「病歴」と「身体診察」の大切さ

神経内科医は患者さんの「病歴」と「身体診察」を大切にします。

これは画像所見(レントゲンやMRI)が診断にどれだけ寄与しているか。
言い換えると、その検査の重要度はどれだけあるのか。

私自身も衝撃でしたが、画像検査単独でみるとそれ自体は、患者さんが考えているよりずっと低いことがわかります。

病歴と身体診察を行った上で画像所見があるのか。
画像所見を先に撮ってから、何が起こっているのか考えるのか。

「遠ちゃんこの二つ違いわかるか?」
「病歴と身体診察をした上で、どこに悪さがあるか予想して画像を診ることが大切」

だからこそ当院では、椎間板ヘルニアの患者さんを
「丁寧に問診をすること」

その上で、身体診察を行い
「神経が正常な働きをしているのか。」
「異常があるのか。」
「異常があるとすればどの神経の高さなのか。」

(打鍵槌 5.07モノフィラメント 音叉128c メジャー)

当院では、神経内科医が使用するハンマー(打鍵槌)で反射を診ていき、正常、異常を確認していきます。
神経が正常な場合でも、腱反射の欠如や消失があるため、左右対称かどうか。
再現性があるかどうか。
病歴や、他の身体所見と比較しながら、総合的に判断していきます。

腱反射(tendon reflex):深部反射(deep reflex)
腱反射は、腱や骨の突端を急に叩くことによって引き起こされるもの。

 

腱反射の異常
腱反射の亢進 反射の中枢より上位にあることを推察
腱反射の減弱or消失 反射弓に障害があることを推察

 

また、筋肉の痩せがないのかメジャー使って左右に差がないかを確認する。
感覚障害(しびれ)をみるためには、筆やティッシュを使用して異常の有無を確認していきます。
鍼がどれだけ上手なのかを比較することは難しいが、神経痛を治療する際に、問題がどこにあるのかを見つける力が、他の鍼灸院とは圧倒的に異なります。

『鍼技術論』
米山榮

米山榮,米山由子『鍼技術論』
(医道の日本 681号 2000)

私たちは、故田中正治、遠藤真紀子、遠藤彰宏は、大阪で故米山由子先生(米山榮先生のお母さま)の鍼を受けて、鍼を学びました。

故米山由子先生の鍼は、「今日は、技術を盗むぞ!」と意気込んでいるにも関わらず。
心地良い鍼の感覚に包まれて、いつの間にか寝てしまいます。

これは私だけではなく、鍼を受けている際中に心地よさに涎を垂らして寝てしまう方。
治療後には、来院前の苦悶の表情から、明るい笑顔に変わっていく。

この鍼は、神経生理学的にどんな治効理論があるのか。
技術は伝承し、再現可能なのか。

この文章は、研修時代だけではなく。
今尚定期的に、読み返す文章ですし、当院で一緒に働く仲間は、全員が一度は必ず触れる文章。

「鍼の技術論」私たちが鍼で再現したい世界は、この中に詰まっている。

頚肩腕の現代医学的アプローチ
ー診断、治療そして鍼灸治療の可能性ー

『頚肩腕痛における画像診断検査の意義と限界』の項で、米山は、臨床診断学の立場から諸検査には限界というものがある。これは検査方法と診断学という本質的な問題に関連する。臨床の”現場”で検査結果と患者が訴える症状との間には常にある種の距離が存在し、検査が必ずしも疾患の確定診断に迫りうるものではない。
(『疾患別治療大百科シリーズ3「頚肩腕痛」米山榮他,医道の日本社』)

 

脊椎レントゲン写真の頚椎症性変化と症状との一定の関係性が認められなかった。
(Heller、C.A.,Stanley,P.et.al:Value of X-ray exam-inations of the cervical spine . British Medical Jour-nal,287:1171-1178,1983)

 

無症候性のヘルニアが過大にとり扱われ、ヘルニアなどの病名が飛び交っている現実は猶予すべきである。実際、多数の正常人のMRIの検討で、無症候性のヘルニアの多いことは過去の報告にもある(Maureen C.Jensen et al;Magnetic Resonance Imag-ing of The Lumbar Spine in people without back pain,NEnal J.Med.,331:67-73.1994)

 

神経根症のゴールド・スタンダード・テスト* に匹敵するものは、患者の訴える症状と徴候(神経学的)といえる。決して、MRIでもミエログラフィーでもない。(確かに、時に検査によって検出された病巣が一致をみることはあるが)。神経根症と思われる症状、所見をともなわなければ画像診断の異常の意味はないわけである。
(*ゴールド・スタンダード・テスト:ある疾患が確定診断に至る最適お検査をいう。例 高血圧症なら血圧計. 肺癌:癌細胞の病理組織検査等 )

神経根症の適応・不適応
境界はどこにあるか

 神経の主な症状として『痛み』,『しびれ』(正座をした後のようなびりびり),『筋力低下』(なんだか握力が弱い),巧緻障害(ボタンを留めにくい)麻痺(筋肉を動かせない)といった症状が起きる。

その中でも上記図の左から水色の部分『知覚障害』は、しびれた感じがあるような気がする(自覚的)、実際に検査をするとしびれが確認できる(他覚的)
症状も水色が濃い程軽症のケースが多く、改善も早い傾向にある。その方々には、筋肉の症状はない。(この筋肉のラインに沿って痛い!という訴えはあるが、実際には神経の痛みのため、筋症状はない)

一方で、水色から赤に変わり、筋症状が出現すると「筋力低下がある」(力が入りにくい状態)からさらに筋肉が痩せて細くなってくる(萎縮)がある場合。
より赤色になる程症状は強くなり、筋萎縮が完成する時間にもよるが、急性に筋萎縮が完成する症例(時間的なスピードが速い)では、私の関われる域をすでに超えてしまい専門の医師に判断を委ねるしかない。

当院を受診される多くの方は、痛み+他覚的な知覚障害の方が多く、
痛みとしびれで悩んでいる方の治療成績は良。

痛みは特に直後効果もあるため非常に喜ばれる。

田中はり灸療院
伝統的に得意としてきた
「神経痛」

当院は、初代田中謹悟、2代目田中正治が頚部、腰部の治療を得意としていたことから、
それぞれの患者さんの原因や病態によって、豊富な鍼治療の解決方法を持っています。

臨床鍼灸これは、故田中正治が長年会員であった日本臨床鍼灸懇話会で『臨床鍼灸 Vol.34 No.1 田中正治の追悼号(2019.1)』を発刊していただきました。
故田中正治が昭和45年より鍼灸の世界に入り、大阪時代に米山鍼灸院で米山博久先生、由子先生と出会い、また金沢では多留淳文先生と、鍼灸学校や、学会を通じて多くの仲間と出会いどんな鍼灸人生を歩んできたのか。

その中の一つに、「頚肩腕痛」として日本臨床鍼灸懇話会や、全日本鍼灸学会で「頚肩腕痛班」に所属しながら、臨床を積み上げていきました。

故田中正治の臨床は、決して個人の「技」の世界ではなく『「知」を積み上げていく中で、「技」を編み込んでいく』そんな臨床をしてきたこともあり、私たちに再現できる知識体系と再現方法を遺してくれました。

田中謹悟 田中正治
2人が遺した
「田中後頚点」

刺鍼基本テクニックのマスター教本より

日本臨床鍼灸懇話会発刊の『刺鍼基本テクニックのマスター教本~木下伸一から学んだ子弟教育~』の中で、「田中後頚点の刺鍼テクニック」と題して以前、日本臨床鍼灸懇話会の全国集会で発表した内容を加筆して掲載していただきました。

「後頚部に経穴がないのはなぜか」
これは田中正治と木下伸一先生が二人で学生時代に交わした会話です。

「長い鍼灸の歴史の中で、経絡経穴図の中に表記されていない部位が存在するが、ここって鍼灸治療の有効な場所になり得るんじゃないか」
「うちの親父はこの部位に治療をしてくれたことがあるから、経穴はあると思っていたが、ないのか」

そんな若い二人の臨床への疑問と共に、治療点を評価、追試、発表を繰り返して、今の臨床で私たちがそれを活かしています。

私が現在、椎間板ヘルニアを治療で成果を上げることができているのは、二人の恩師 故米山榮先生と故田中正治のおかげです。
「治療方法については何一つ開発はしていない」

そう言ってもいい程、二人の師から受け取った財産は素晴らしいと思っています。

では今私は、どこに注力をはじめたのか。

 

私が大切にしている
椎間板ヘルニアに対する
診察と治療について

image88“痛みの原因はどこにあるのか” “鍼治療で痛みを改善することは可能なのか” を考える上で、重要になってくるのが5つの要素です。

すべての始まりは
患者さんを知ること

「私たちは、症状だけではなく患者さんご自身のことを知りたい」
患者さんごとに異なる「物語」をお持ちです。

椎間板ヘルニアにどれぐらいの期間悩まされてきたのか。

数週間の方、数か月の方、数年、何十年という方もいます。

その患者さんごとに異なる「物語」を知るために、ゆっくり時間をとって問診を行います。ぜひ患者さんご自身の言葉で、ご自分の思っている通りにお話しください。

私たちは患者さんの「物語」を一緒に共有するところから、治療が始まると考えています。

それぞれの患者さんによって「椎間板ヘルニア」に対する知識や情報量、症状の程度も違います。

鍼灸は治療時間が比較的長いことが特徴です。
「病院は医師が忙しそうなので、質問しにくい・・・」
些細なことでも結構ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

(問診)
・症状がいつから起こった
・何か原因となるきっかけがあるかどうか
・どこに痛みやしびれがあるのか
・症状はどの程度(重症度)
・膀胱直腸障害の有無

その上で、

(身体所見)
・反射の異常の有無
・筋肉の痩せ・筋力低下の有無
・痛み・しびれの範囲

探偵が犯人を探し当てるように、情報を集めていく必要があります。

分析

集められた情報の中で、
「椎間板ヘルニアの存在は考えられるか」
「椎間板ヘルニアが原因で症状は出ているのかどうか」
「椎間板ヘルニアが原因なら、どの高さが問題なのか。」

この段階では、犯人を見つけだしているとはまだ言えません。
でもこの症状があるなら、犯人はこの可能性が高い!
それなら、それ以外の可能性はどの程度なのか、を推察しています。、。

この時点でこれは犯人だ!と考えてしまうと、脳の中は思考を停止してしまい、まるで船舶が港に停泊するために錨(イカリ)をおろすような状態になるため、
ここでは、あらゆる可能性について考えます。

最適を探す

「最適を探す」という意味では、「鍼灸治療で何ができるのか。」についてももちろん考えます。
例えば、患者さんによっては専門の病院を受診していただく必要はないか。
セカンドオピニオンで、この先生を訪ねていただく必要はないか。

医療の中での鍼灸を考えたとき、私たちにはできること、できないことがある。

その中で、「患者さんに必要な最適とは何か」を考えていきます。

ここで、一人の患者さんのケースを紹介します。
今から15年前。鍼灸学校を卒業後、米山クリニックでの研修が始まった頃に出会った患者さんです。

この方は頚椎椎間板ヘルニアが原因で、上肢に痛み、しびれ、弱い筋力低下がありました。
クリニックでの薬物治療、鍼灸治療を数回しましたが痛みに変化はなく、少しずつではありますが筋力の低下を認めました。

この方と同じレベルの症状の方もたくさん来院されていましたが、
誰一人、同じレベルの症状で手術をする方はいなかった中、この方に対しては
「〇〇さん。今回は手術を検討する必要がある。」
「自分が普段手術をお願いしている先生に紹介状を書くから、その先生の診察を受けて検討しましょう。」

この患者さんと出会うまで、手術に対してはどこか明確な線引きがあって、この境界を超えると「手術をする」「手術をしない」に分かれるような、そんな幻想を抱いていました。

確かに明確な線引きがあるにはあるんです。
膀胱直腸障害といって、脊髄を刺激されている症状が出た際には手術をする。

この線は確かに存在している。

では今回の患者さんに、なぜ手術という選択が必要だったのか。

これは、この方の職業にありました。
「消防士」

初診の時点で「弱い筋力低下」
その後の数日の経過で、「筋力が少しずつ低下」

「このまま手術をしなければ仕事に復帰することが難しくなる」
そう考えての手術でした。

一般の方であれば、多少の筋力低下は日常生活には一切支障がでないので、手術をしない。
だが、消防士はそうはいかない。

「患者さんごとに異なる最適」

この言葉を強く認識した、忘れることができない症例です。
だからこそ、目の前の患者さんにとって何が必要なのか。

鍼灸院に来る時に何を提供できるのか。
自宅でできることはないのか。

様々なことを考えて最適を見つけ出します。

当院でも「椎間板ヘルニアは関係なかったですね」と言えるような、速やかに改善する症例、「手術が回避できた症例」「病院を紹介する必要がある症例」など様々な症状のレベルの方が来院をされます。
これまでの経験も含め、しっかりと診察、治療をさせていただきますので、椎間板ヘルニアを患い悩まれている方はご相談いただけたらと思います。

治療について

当院の治療は鍼治療+SUPERLIZER(近赤外線治療機:東京医研)でよりやさしく、より再現性のある治療へと進化

痛みのない鍼は
日本人の感性が生み出したもの

鍼治療で使用する「はり」は、鍼の先が注射針よりもずっと細く、皮膚に滑り込むように刺さっていくため、刺激が少なく痛みを感じにくい特徴を持っています。

また、鍼を刺す際に「鍼管(しんかん)」と呼ばれる筒状の道具を使うことで鍼が刺入される痛みを抑えられます。筒を使い鍼柄を指先で軽く叩けば、鍼先が瞬く間に身体に刺さります。

これは「管鍼法(かんしんほう)」と呼ばれる方法で、いつ刺されたか気づかない程です。当院ではこの方法を採用しています。

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鍼は細く尖端は丸い

鍼治療が痛くないもう一つの理由に、鍼の太さがあります。蚊が刺す感覚を痛いと表現する方は少ないように、当院で使用している鍼も非常に細く蚊の口先とほとんど変わらない太さの鍼を用いています。

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小さな赤ちゃんを治療しているのも当院の大きな特徴です。笑顔で治療を受け、笑顔で帰っていきます。
お母さんも妊娠前から鍼治療を行い、妊娠期、出産後のケア(往診)を行い現在はお子様も治療しています。

使い捨て
シングルユース

エイズやB型肝炎・C型肝炎・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が引き起こす院内感染が大きな問題となっています。

患者さんの血液や体液が注射針などの医療器具に付着し、注射針を誤って指などに刺した医師や看護師が発病するといったケースが多く報告されています。

私たちは、患者さんの身体を守り、私たち自身の身体を守る必要があります。

このような危険を減らすために、当院の医療器具のディスポ-ザブル化(一回使用し廃鍼)を徹底、医療機関の注射と同じ基準で、当院では衛生管理を重要視しております。

SUPER LIZERの併療

当院ではSUPER LIZER(東京医研社)の近赤外線(直線偏光近赤外線療法)を鍼灸治療に合わせて併療しております。
SUPER LIZERは多くの大学病院で、多くの疾患・症状治療に使われています。
①近赤外線は身体の中に一番深くまで届く光です。
②直線偏光処理した光は傷を早く治す力があると言われております。

この二つの特徴を鍼灸治療と組み合わせることで、より効果が発揮されます。

深達性

体内の水に反応しない特殊な光を放出することで、深部の神経節に照射(SGR:星状神経節近傍照射)を行うことで、星状神経節ブロック(SGB)と同様の反応を引き出すことが可能です。

スーパーライザーの周波数帯解説の図

スーパーライザーによる治療の図

①過剰ストレスによる緊張をときほぐす

スーパーライザー星状神経節照射(SGLまたはSGR)によって副交感神経の働きが高まり、リラックス効果が得られます。
これで、ストレスや不規則な生活によって出ていた自律神経失調による症状が改善します。過剰ストレスによる交感神経緊張は、徐々に時に急激に身体に影響を及ぼします。
ストレスに気づいてはいても、対処法が見つからないという方が多いのではないでしょうか?ストレスは生活習慣病のリスクとして極めて重大なものです。生活習慣病を発症しないためにも予防が大切です。

②全身で血流が良くなる

血行を良くする副交感神経に直接アプローチするため、照射が終了して15分後でも血行が良い状態が続きます。
血行が悪い所には栄養や酸素が届きづらく、創傷治癒が遅れ、免疫力の低下、老廃物の代謝も阻害され老化が進みます。
スーパーライザーで手足だけではなく、胃腸などの内臓や脳を含めた全身の血行を良くしておくことは、今ある症状を取り
除くことだけでなく、将来の病気の芽を摘むという予防医学効果もあります。

星状神経節照射後の手と顔の温度変化
150913-0007

 

症例 男性
(右頚~肩にかけての痛み)

image121#1 右頚部から肩にかけての痛み
#2 頚の運動痛(左に向くと痛む)

1か月前より誘因なく発症。
整形外科Dr.「肩の痛みだからレントゲンを撮影しましょう。」
肩のレントゲンでは問題なし。
整形外科Dr.「肩は異常がない。もう少し様子をみましょう。」
患者     「頚からきているんじゃないの?」
整形外科Dr.「その可能性はあるので、MRIを撮影しましょう。」
MRIの写真上述
整形外科Dr.「いくつかの頚椎で神経を圧迫しているが、手術をする程ではない。」
「牽引をして様子をみましょう。」

2週間通院するも変化がない。
知人の紹介で整体師?トレーナーのところへ3回通院も変化ない。

以前、当院で膝痛が良くなったことから鍼治療を思い出し当院を受診。

当院での診察等)
再診時に、MRI画像をお持ちだったため、画像をPCにて確認を行う。
C4-5,C5-6が画像で神経を圧迫していることを確認する。
患者さんが訴える痛みの部位としては、右図のC4-5、C5-6エリアとも一致をする。
頚椎椎間関節の痛み
遠藤「この痛みはどこからきているのか。」
ここで3つのことを考えました。

①頚のヘルニアや骨の変形によって神経を圧迫している
②頚の頚椎周辺の異常によって痛みが出ている
③頚は頚の筋肉の痛み、肩は肩の筋肉の痛み

このうちどの可能性が高いかを知るために詳しく問診と身体診察(理学所見)をとります。

痛みの特徴)
・朝起きた時に最も痛みを感じ2時間近く痛みを自覚する
・肩の動きでは痛みが出ない
・頚は左に向きにくく、右の頚に痛みを感じる

→肩の動きで痛みが肩周辺に出ないことから、肩の筋肉の可能性は低いと考える

理学所見)
・痛みの範囲が上肢および手にはない。
・しびれなし
・筋肉の痩せなし
・反射 上腕二頭筋反射 正常左右差なし 上腕三頭筋 正常 左右差なし
・ナチュラルジャクソンテスト(+)
・ナチュラルスパーリングテスト(+)

→デルマトームに沿った痛みもなく、しびれもない。筋委縮もないことから神経根の障害も否定的。

問診と身体所見からの考察)
頚の神経根周辺でのなんらかの異常により、痛みが関連痛として誘発しているのではないか。
トリガーポイントという表現もできるが、頚部のC5-7を中心に治療を考える。

治療)
1-3診)
①頚部に浅く鍼を刺し、スーパーライザー照射
②星状神経節照射(SGB) 手足の関連のある経穴へ置鍼
③背部の兪穴へ置鍼

症状は、少し柔らかくなる程度。痛みが増すことはない。
この頃、奥様が圧迫骨折をしたため、家事などが増えたことも症状の回復を遅らせている一つの要因ということがわかる。

4-6診)
①頚部の鍼の深度を変更し、スーパーライザー照射
②星状神経節照射(SGB) 手足の関連のある経穴へ置鍼
③背部の兪穴へ置鍼

起床時の痛みが出なくなり大変喜ばれる。
考察)治療のポイント(深度)を変えることで治療効果が劇的に変化。
浅い鍼で効果的な患者さんも経験することから、問診、鍼の反応を見極めて治療を行っているが、思期待した変化(治療効果)がない場合には、治療方法を次の段階へSTEP UPを行い、症状の変化を狙っていきます。

MRI像からは、もう少し時間がかかることが予想されましたが、3週間の治療期間で寛解できてよかったです。やはり椎間板ヘルニアの影響は少なかったということがいえると思います。

初診料

 初診料
 一般  2,200円
学生、未就学児  1,100円

 

治療費

治療費
一般治療 6,600円
学生 3,300円

 

※価格はすべて税込み価格です
※土曜日の診療は、別途+1,100円頂戴いたします
※日曜日と祝日は休診です

【支払い方法】
現金

クレジットカード

STAFF
早く行きたいなら一人で行きなさい。
遠くへ行きたいならみんなで行きなさい

現在、田中はり灸療院では再現性のある鍼灸治療を提供できる状態となりました。
安心してご相談ください。

#1
遠藤真紀子はり師
きゅう師

#2
遠藤彰宏
はり師
きゅう師
あん摩マッサージ指圧師

#3
竹永百華
はり師
きゅう師

#4小坂知世
はり師
きゅう師

#5
福地弓子
Cabin attendant

 


院内で採用している顕微鏡で精子を観察する様子男性不妊のための鍼灸治療

造精機能を高め精子の数と運動率の向上へ


椎間板によって神経が圧迫されている図椎間板ヘルニアによる
「痛み」「痺れ」を改善

MRIで見つかる異常とのギャップ
局所炎症を改善

 


ぎっくり腰を表現した絵ぎっくり腰・急性腰痛

鍼灸こそがぎっくり腰に対する
最高の治療

 1-2 回の治療で改善


膝関節が腫れ痛い様子「膝痛」「変形性膝関節症」

変形の程度と膝の痛みは比例しない
滑膜の炎症を抑える

 


肩関節の痛み四十肩、五十肩の様子「四十肩」「五十肩」

それぞれの時期に合わせて
「治療」や「リハビリ」を指導

 



電気を流す美容はり

「全身の調整」×「美容はり」
田中はり灸療院のSpecial

 

妊娠しているお母さんのお腹で胎児が頭位の様子逆子の鍼灸治療

 エコーを使って胎児の位置を確認

 

耳の聴こえが悪いことを表現した絵突発性難聴の鍼灸×レーザー照射

内耳循環に集中させ改善を狙う
聴力固定までに行いたい
耳鼻科との併用療法

顔の麻痺で、右頬に手を添えている絵顔面神経麻痺「Bell麻痺」「Hunt症候群」

顔への適切な指導とリハビリの徹底

 


耳鳴りに対する鍼灸耳周辺や頚への施術部位を表現耳鳴りに対する鍼灸治療

「内耳」×「自律神経」×「認知行動療法」


多彩な症状を示す自律神経失調症多彩な自律神経症状

症状ではなく根本へ