椎間板ヘルニアについて

image108脊椎は脊椎椎体骨が、連なって関節を構築します。
1つ1つの椎体の間でクッションの役目をしているのが、椎間板です。
その椎間板が飛び出している状態が椎間板ヘルニアと呼ばれる状態になります。
椎間板が神経を刺激すると頚部のヘルニアでは上肢へ痛みとしびれが起き、腰痛の椎間板ヘルニアでは下肢のしびれ、痛みが引き起こされます。

また、ヘルニアの飛び出す方向により神経根という末梢神経を刺激するものと、脊髄を圧迫する中枢神経を刺激するものに分かれ、後者の方がより重症度は高くなります。

椎間板ヘルニアはレントゲンで撮影することができませんので、MRIやCTで神経を圧迫しているものはすべて「椎間板ヘルニア」という名称がつきます。

当院での椎間板ヘルニアに対する診察と治療について

image88“痛みの原因はどこにあるのか”“鍼治療で、痛みを改善することは可能なのか”を考える上で、重要になってくるのが5つの要素です。

1.すべての始まりは患者さんを知ること

「私たちは、症状だけではなく患者さんご自身のことを知りたい」
患者さんごとに異なる「物語」をお持ちです。その「物語」を知るために、私たちはゆっくりお時間をとって問診を行います。ぜひ患者さんご自身の言葉で、ご自分の思っている通りにお話しください。患者さんの「物語」を一緒に共有するところから始まります。

2.分析

椎間板ヘルニアの診断はMRIだけではできない

「私は椎間板ヘルニアなんです!」と言われて来院される方は非常に多く、当院ではこの方々に治療前に詳細に説明を行います。
・椎間板ヘルニアという状態すべての方に痛みが起こるわけではない
最近の調査で椎間板ヘルニアは、無症状の方にも多く認められる状態だということがわかっています。
・椎間板ヘルニアという画像(MRI,CT)だけで診断はできません

(問診)
・症状がいつから起こった
・症状はどの程度(重症度)
・症状はどの高さから起こっているのか(障害高位)
・膀胱直腸障害の有無

(身体所見)
・反射の異常の有無
・筋肉の痩せ・筋力低下の有無
・痛み・しびれの範囲

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「症状:問診」「神経学的所見:診察」を充分に行った上で、「MRI:画像診断」を行うかどうかを判断する必要があります。

すべての人にMRIを撮れば、医療費は莫大にかかり、誤診も増えます。
一方で、MRIが必要ないという説明を患者さんに行い、納得していただくには問診で30分以上時間を必要ともすると言われているため、現在の医療の難しさも感じます。

3.鍼灸の適応範囲を含め最適を探す

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頚椎の椎間板ヘルニアの症例を例にみてみます。
軽症)症状は頚部に限られます。
中等度)腕や指先まで連続した痛みとしびれがあるもの
重度)膀胱直腸障害(緊急手術の適応)にわけることができます。

当院でも「椎間板ヘルニアは関係なかったですね」と言えるような速やかに改善する症例、「手術が回避できた症例」「病院を紹介する必要がある症例」など様々な症状のレベルの方が来院をされます。
これまでの経験も含め、しっかりと診察、治療をさせていただきますので、一度椎間板ヘルニアを患い悩まれている方はご相談いただけたらと思います。

症例 男性 (右頚~肩にかけての痛み)

image121#1 右頚部から肩にかけての痛み
#2 頚の運動痛(左に向くと痛む)

1か月前より誘因なく発症。
整形外科Dr.「肩の痛みだからレントゲンを撮影しましょう。」
肩のレントゲンでは問題なし。
整形外科Dr.「肩は異常がない。もう少し様子をみましょう。」
患者     「頚からきているんじゃないの?」
整形外科Dr.「その可能性はあるので、MRIを撮影しましょう。」
MRIの写真上述
整形外科Dr.「いくつかの頚椎で神経を圧迫しているが、手術をする程ではない。」
「牽引をして様子をみましょう。」

2週間通院するも変化がない。
知人の紹介で整体師?トレーナーのところへ3回通院も変化ない。

以前、当院で膝痛が良くなったことから鍼治療を思い出し当院を受診。

当院での診察等)
再診時に、MRI画像をお持ちだったため、画像をPCにて確認を行う。
C4-5,C5-6が画像で神経を圧迫していることを確認する。
患者さんが訴える痛みの部位としては、右図のC4-5、C5-6エリアとも一致をする。
頚椎椎間関節の痛み
遠藤「この痛みはどこからきているのか。」
ここで3つのことを考えました。

①頚のヘルニアや骨の変形によって神経を圧迫している
②頚の頚椎周辺の異常によって痛みが出ている
③頚は頚の筋肉の痛み、肩は肩の筋肉の痛み

このうちどの可能性が高いかを知るために詳しく問診と身体診察(理学所見)をとります。

痛みの特徴)
・朝起きた時に最も痛みを感じ2時間近く痛みを自覚する
・肩の動きでは痛みが出ない
・頚は左に向きにくく、右の頚に痛みを感じる

→肩の動きで痛みが肩周辺に出ないことから、肩の筋肉の可能性は低いと考える

理学所見)
・痛みの範囲が上肢および手にはない。
・しびれなし
・筋肉の痩せなし
・反射 上腕二頭筋反射 正常左右差なし 上腕三頭筋 正常 左右差なし
・ナチュラルジャクソンテスト(+)
・ナチュラルスパーリングテスト(+)

→デルマトームに沿った痛みもなく、しびれもない。筋委縮もないことから神経根の障害も否定的。

問診と身体所見からの考察)
頚の神経根周辺でのなんらかの異常により、痛みが関連痛として誘発しているのではないか。
トリガーポイントという表現もできるが、頚部のC5-7を中心に治療を考える。

治療)
1-3診)
①頚部に浅く鍼を刺し、スーパーライザー照射
②星状神経節照射(SGB) 手足の関連のある経穴へ置鍼
③背部の兪穴へ置鍼

症状は、少し柔らかくなる程度。痛みが増すことはない。
この頃、奥様が圧迫骨折をしたため、家事などが増えたことも症状の回復を遅らせている一つの要因ということがわかる。

4-6診)
①頚部の鍼の深度を変更し、スーパーライザー照射
②星状神経節照射(SGB) 手足の関連のある経穴へ置鍼
③背部の兪穴へ置鍼

起床時の痛みが出なくなり大変喜ばれる。
考察)治療のポイント(深度)を変えることで治療効果が劇的に変化。
浅い鍼で効果的な患者さんも経験することから、問診、鍼の反応を見極めて治療を行っているが、思期待した変化(治療効果)がない場合には、治療方法を次の段階へSTEP UPを行い、症状の変化を狙っていきます。

MRI像からは、もう少し時間がかかることが予想されましたが、3週間の治療期間で寛解できてよかったです。やはり椎間板ヘルニアの影響は少なかったということがいえると思います。

症例66歳 男性 (#1.両側の腰の痛み+右下肢外側の痛み)

#2.主訴に伴い長時間の立位が困難
現病歴)約10年前に椎間板ヘルニアの診断をMRI撮影を含め受けている
現在の症状は、約半年前よりゴルフ中に右下肢に痛みを自覚。それ以来、痛みはあったがロキソニンを服用すれば痛みは止まっていたためゴルフは継続できていた。
1月に入り思い当たり誘因なし,冷え込んだことが原因か痛みが強くなる。
ご自宅から1kmの距離が歩行できない。ゴルフをもっと快適にしたい。

所見)
・ラセーグ徴候陽性(神経は多少刺激を受けている可能性あり)
・膝蓋腱反射正常:PTR(左右差なし)アキレス腱反射正常:ATR(左右差なし)
→ラセーグは陽性だが、反射が正常であり重症度は高くない

・筋力低下はない

評価)鍼灸院に来院される「私は椎間板ヘルニアです。」という方でもっとも多いのがこの症例のようなタイプで、症状は確かに長年続いているが、神経の症状はあるものの優しく腰痛が主体。今回も腰痛を含め、腰臀部の治療を継続することで充分回復が望めることをお話しして治療開始。

治療)右腰部(大腸兪、志室穴)、臀部、大腿外側の痛みのライイに鍼を行う

来院当初は、2日に1度治療を行い、痛みの軽快とともに来院間隔をあけ、3週間の治療で治癒。その後は急性の腰痛などで来院はあるものの、神経痛の再発はない。

 

 

4.当院の治療は鍼治療+SUPER LIZERでよりやさしく、より再現性のある治療へと進化

痛みのない鍼は日本人の感性が活かされた工夫

鍼治療で使用する「はり」は、先が注射針よりもずっと細く、皮膚に滑り込むように刺さっていくため、刺激が少なく痛みを感じにくい特徴を持っています。

また、鍼を刺す際に「鍼管(しんかん)」と呼ばれる筒状の道具を使うことで鍼が刺入される痛みを抑えられます。筒を使い鍼柄を指先で軽く叩けば、鍼先が瞬く間に身体に刺さります。

これは「管鍼法(かんしんほう)」と呼ばれる方法で、いつ刺されたか気づかない程です。当院ではこの方法を採用しています。

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鍼は細く尖端は丸い

鍼治療が痛くないもう一つの理由に、鍼の太さがあります。蚊が刺す感覚を痛いと表現する方は少ないように、当院で使用している鍼も非常に細く蚊の口先とほとんど変わらない太さの鍼を用いています。

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こんなに小さな赤ちゃんを治療しているのも当院の大きな特徴です。笑顔で治療を受け、笑顔で帰っていきます。
この子のお母さんも妊娠前から鍼治療を行い、妊娠期、出産後のケア(往診)を行い現在はお子様も治療しています。

使用鍼のシングルユース(ディスポ鍼)

エイズやB型肝炎・C型肝炎・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が引き起こす院内感染が大きな問題となっています。

患者さんの血液や体液が注射針などの医療器具に付着し、注射針を誤って指などに刺した医師や看護師が発病するといったケースが多く報告されています。

私たちは、患者さんの身体を守り、私たち自身の身体を守る必要があります。

このような危険を減らすために、当院の医療器具のディスポ-ザブル化(一回使用し廃鍼)を徹底、医療機関の注射と同じ基準で、当院では衛生管理を重要視しております。

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SUPER LIZERの併療image28

当院ではSUPER LIZER(東京医研社)の近赤外線(直線偏光近赤外線療法)を鍼灸治療に合わせて併療しております。

SUPER LIZERは多くの大学病院で、多くの疾患・症状治療に使われています。

①近赤外線は身体の中に一番深くまで届く光です。
②直線偏光処理した光は傷を早く治す力があると言われております。

この二つの特徴を鍼灸治療と組み合わせることで、より効果が発揮されます。

深達性

体内の水に反応しない特殊な光を放出することで、深部の神経節に照射(SGR:星状神経節近傍照射)を行うことで、星状神経節ブロック(SGB)と同様の反応を引き出すことが可能です。

スーパーライザーの周波数帯解説の図

スーパーライザーによる治療の図

①過剰ストレスによる緊張をときほぐします

スーパーライザー星状神経節照射(SGLまたはSGR)によって副交感神経の働きが高まり、リラックス効果が得られます。
これで、ストレスや不規則な生活によって出ていた自律神経失調による症状が改善します。過剰ストレスによる交感神経緊張は、徐々に時に急激に身体に影響を及ぼします。
ストレスに気づいてはいても、対処法が見つからないという方が多いのではないでしょうか?ストレスは生活習慣病のリスクとして極めて重大なものです。生活習慣病を発症しないためにも予防が大切です。

②全身で血流が良くなります

血行を良くする副交感神経に直接アプローチするため、照射が終了して15分後でも血行が良い状態が続きます。
血行が悪い所には栄養や酸素が届きづらく、創傷治癒が遅れ、免疫力の低下、老廃物の代謝も阻害され老化が進みます。
スーパーライザーで手足だけではなく、胃腸などの内臓や脳を含めた全身の血行を良くしておくことは、今ある症状を取り
除くことだけでなく、将来の病気の芽を摘むという予防医学効果もあります。

星状神経節照射後の手と顔の温度変化
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