はじめまして、田中はり灸療院の遠藤彰宏です。
鍼灸学校を卒業後に、故米山榮先生(神経内科医,はり師,きゅう師)のクリニックで研修をさせていただく中で、椎間板ヘルニア、各種神経痛の患者さんと出会い、学ばせていただきました。

神経内科での研修は、
現在、皆さんが普段受けている薬物治療や、理学療法によってどんな変化が生まれるのか。
故米山榮先生のクリニックでは鍼灸院を併設していたため、鍼灸治療で椎間板ヘルニアによる神経痛がどう変化していくのか。
手術を必要とする患者さんはどんな特徴があるのか。
手術を受けた結果どんな変化が生まれるのか。

また、神経内科は患者さんの「病歴」と「身体診察」を大切にします。
画像所見の重要性が患者さんが考えているよりずっと低いこと。

病歴と身体診察を行った上で画像所見があるのか。
画像所見を先に撮ってから、何が起こっているのか考えるのか。

「遠ちゃんこの二つ違いわかるか?」
「病歴と身体診察をした上で、どこに悪さがあるか予想して画像を診ることが大切」

だからこそ当院では、椎間板ヘルニアの患者さんを
「丁寧に問診をすること」

その上で、
「神経が正常な働きをしているのか。」
「異常があるのか。」
「異常があるとすればどの高さなのか。」

神経内科のドクターが使用するハンマー(打鍵槌)を使う。
また、筋肉の痩せがないのかメジャー使って左右に差がないかを確認する。

神経痛を治療する際に、問題がどこにあるのかを見つける力が、他の鍼灸院とは圧倒的に異なります。

鍼の治療技術については、上手い下手を評価することは非常に難しいのですが、
当院は、初代田中謹悟、2代目田中正治が頚部、腰部の治療を得意としていたことから、
それぞれの患者さんの原因や、病態によって、豊富な鍼治療の解決方法を持っています。

さらにより安全性、再現性、鍼治療との相乗効果を狙ってスーパーライザーを併用することで、より改善ができるようになりました。

鍼灸師になってあっという間の15年が過ぎましたが、神経痛の治療は私自身最も得意としている症状です。

一度ご相談ください。
これは鍼灸で治せると思います。
これは難しいと思います。
治せる理由も説明できるし、難しい理由もお答えできる。
そんな正直な鍼灸院でありたいと思っています。

田中はり灸療院 遠藤彰宏

椎間板ヘルニアについて

image108脊椎は脊椎椎体骨が、連なって関節を構築します。
1つ1つの椎体の間でクッションの役目をしているのが、椎間板です。
中心部にあるゼラチン状の「髄核」とコラーゲンを含む「線維輪」この二つで、椎骨にかかる衝撃を吸収します。

その椎間板が何らかの原因で飛び出してしまった状態が「椎間板ヘルニア」と呼ばれる状態になります。
椎間板が神経を刺激すると頚部のヘルニアでは上肢へ痛みとしびれが起き、腰痛の椎間板ヘルニアでは下肢の痛み、しびれを引き起こされます。

『ヘルニア』
広義には臓器または組織の全体あるいは一部が、体壁や体腔内の裂隙、凹窩部や、組織の欠損部を介して、その正常の位置から逸脱、突出した状態と定義され、突出が体外に向かう場合は外ヘルニアで、体腔内で他の部分に向かう場合には内ヘルニアといわれる。(『医学大辞典』第18版,南山堂,2004)

腰椎椎間板ヘルニアについては,1857年にVirchowより病理学的報告が出されたことで始まり.その後,1911年のGoldthwaitにより臨床報告がなされ,日本では1932年に東の報告『椎間軟骨結節による脊髄圧迫症並びにその一手術例』が最初とされている.

1934年にMixterとBarrによる腰椎椎間板ヘルニア手術の発表がなされて徐々に世の中に広まった.

このヘルニアに関する説明は、これまで皆さんが主治医の先生に言われた内容、ご自身でWEBや書籍を調べた内容と変わらず、椎間板ヘルニアを説明する代表例です。

椎間板ヘルニア
診断基準

 

1. 腰痛・下肢痛を有する(主に片側,ないしは片側優位).
2. 安静時にも症状を有する.
3. SLRテストは陽性(ただし高齢者では絶対条件ではない).
4. MRIなど画像所見で椎間板の突出がみられ,脊柱管狭窄の所見を合併していない.
5. 症状と画像所見が一致する

「日本整形外科学会診療ガイドライン委員会/腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン 改訂第 2 版.1,2011,南江堂」

皆さんは、ご自身の症状は、この診断基準に当てはまりますか?

日常で経験する問題点として
「MRIで椎間板の膨隆がみられることから椎間板ヘルニアと診断されてしまう方」
「さしたる症状がないにもかかわらず外科的治療の必要性を宣告されてしまう方」
「椎間板ヘルニア症は自然退縮が認められる病気であるために保存的治療が原則であることを知らされていあいため、ずっと不安に過ごしている方」

この診断基準と照らし合わせながら、
「椎間板はそもそも本当に悪さをしているのか?」
「椎間板が出ていることが悪いというなら、いつ出たのか」
「手術は必要なのかどうか」
「保存療法で、症状は改善が見込めるのか」
「鍼灸治療がもっている治療価値はどこにあるのか」
「鍼灸治療が有効であるなら、当院にくる必要はなく、他の鍼灸院へいってもいいはず。」
「当院が椎間板ヘルニアに対する治療はどこが違うのか」

この辺りが皆さんの知りたい内容だと思います。
まだまだ医学的にわかっている情報、わかってきた情報、わからない情報が錯綜しています。
丁寧に言葉を選びながら、説明をしていきたいと思います。

椎間板ヘルニアに対する
診察と治療について

image88“痛みの原因はどこにあるのか”“鍼治療で、痛みを改善することは可能なのか”を考える上で、重要になってくるのが5つの要素です。

すべての始まりは
患者さんを知ること

「私たちは、症状だけではなく患者さんご自身のことを知りたい」
患者さんごとに異なる「物語」をお持ちです。

椎間板ヘルニアにどれぐらいの期間悩まされてきたのか。

数週間の方、数か月の方、数年、何十年という方もいます。

私たちは、その患者さんごとに異なる「物語」を知るために、私たちはゆっくりお時間をとって問診を行います。ぜひ患者さんご自身の言葉で、ご自分の思っている通りにお話しください。

患者さんの「物語」を一緒に共有するところから始まります。

「椎間板ヘルニア」に対する知識や情報量、それぞれの患者さんによって症状の程度も違います。

鍼灸院は、治療時間も長いことが特徴ですので、「普段病院では忙しくて聞けない!」
些細なことでも結構ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

(問診)
・症状がいつから起こった
・何か原因となるきっかけがあるかどうか
・どこに痛みやしびれがあるのか
・症状はどの程度(重症度)
・膀胱直腸障害の有無

その上で、

(身体所見)
・反射の異常の有無
・筋肉の痩せ・筋力低下の有無
・痛み・しびれの範囲

探偵が犯人を探し当てるように、情報を集めていく必要があります。

分析

集められた情報の中で、
「椎間板ヘルニアの存在は考えられるか」
「椎間板ヘルニアが原因で症状は出ているのかどうか」
「椎間板ヘルニアが原因なら、どの高さが問題なのか。」

この段階では、犯人を見つけだしているとはまだいえません。
でも、この症状であるなら、犯人はこの可能性が高い!
それ以外の可能性は、どの程度なのかを推察しています。

この時点でこれは犯人だ!と考えてしまうと、脳の中は、思考を停止してしまいまるで船舶が港に停泊するために錨(イカリ)をおろすような状態になるため、
ここでは、あらゆる可能性について考えます。

最適を探す

「最適を探す」という言葉の中には、「鍼灸治療で何ができるのか。」についても私たちはもちろん考えます。
中には、専門の病院を受診していただく必要はないか。
セカンドオピニオンで、この先生を訪ねる必要はないか。

医療の中での鍼灸を考えたとき、私たちにはできること、できないことがある。

その中で、「患者さんに必要な最適とは何か」を考えていきます。

ここで、一人の患者さんを紹介します。
今から15年前のまだ鍼灸学校を卒業して、米山クリニックでの研修がはじまった5頃に出会った患者さんです。

この方は、頚椎椎間板ヘルニアが原因で、上肢に痛み、しびれ、弱い筋力低下がありました。
クリニックでの薬物治療と、数回の鍼灸治療をした際に、まだ痛みは変化なく筋力が少しずつ低下を認めました。

この方と同じぐらいの症状の方もたくさん来院されていましたが、
誰一人、同じレベルの症状で手術をする方はいなかった中、この方には「〇〇さん。今回は手術を検討する必要がある。」
「自分が普段手術をお願いしている先生に紹介状を書くから、その先生の診察も受けて検討しましょう。」

この患者さんと出会うまで、手術にはどこか明確な線引きがあって、この境界を超えると「手術をする」「手術をしない」にわけるような
そんな幻想を抱いていました。

確かに明確な線引きはあるには、あるんです。
膀胱直腸障害といって、脊髄を刺激されている症状が出た際には手術をする。

この線は確かに存在している。

では、今回の患者さんはなぜ手術という選択が必要だったのか。

これは、この方の職業にありました。
「消防士」

初診の時点で「弱い筋力低下」
その後の数日の経過で、「筋力が少しずつ低下」

「このまま手術をしなければ仕事に復帰することが難しくなる」
そう考えての手術理由でした。

一般の方であれば、多少の筋力低下は日常生活には一切支障がでないので、手術をしない。
だが、消防士はそうはいかない。

「患者さんごとに異なる最適」

私が強くこの言葉を認識した忘れることができない症例です。
だからこそ、目の前の患者さんにとって何が必要なのか。

鍼灸院に来ることで何を提供できるのか。
自宅でできることはないのか。

様々なことを考え最適を見つけ出します。

当院でも「椎間板ヘルニアは関係なかったですね」と言えるような速やかに改善する症例、「手術が回避できた症例」「病院を紹介する必要がある症例」など様々な症状のレベルの方が来院をされます。
これまでの経験も含め、しっかりと診察、治療をさせていただきますので、一度椎間板ヘルニアを患い悩まれている方はご相談いただけたらと思います。

なぜ当院の治療で
回復するのか

腰椎椎間板ヘルニアと疼痛

腰椎椎間板ヘルニアは,変性椎間板組織周囲の炎症に起因する神経根性疼痛を主症状とする疾患である.この神経根性疼痛の発現機序について,椎間板組織自体がサイトカインやプロスタグランジンE2(PGE2)などの化学物質を産生し,これが疼痛誘発物質として重要な役割を演じることが報告されている.

(安藤則行 ほか: 変性腰部椎間板の免疫組織学的及びRT-PCR法による検討― サイトカインと椎間板の変性について―.日整 会誌,68:1571, 1994. )

椎間板は出ているだけでは問題がなく,無症候性の椎間板ヘルニアの存在もわかってきたので、痛みがある方とない方とでは何が違うのか。
この時に、関わっていると考えられているのがサイトカインや、プロスタグランジンという炎症に関わる物質が出ることによって、痛みを起こしている。

鍼灸やスーパーライザーでやりたいことの一つは、この炎症に関わっている椎間板の付近に治療を行うことで、炎症を抑えていくことが一つの目的です。
炎症が起き、その周辺で腫れが起こり、神経を圧迫する。

この炎症を取り除く、腫れを抑えることで、神経に対する除圧をし、症状の改善を狙っていきます。

腰椎椎間板ヘルニアの退縮

腰椎椎間板ヘルニアの退縮は,無機質な椎間板に血管新生によって炎症が惹起され,サイトカインの作用で様々な酵素が誘導されて腰椎椎間板ヘルニアを分解するために生じる.
解説:椎間板ヘルニアが生じると生体反応としてその周辺に血管新生が起こり,活性化したマクロファージを中心にリンパ球などが浸潤することによって炎症が惹起され,TNF(tumornecrosis factor)-αなどの炎症性サイトカインの作用で様々な酵素が誘導されて椎間板ヘルニアを分解すると考えられている.ヘルニアが退縮に要する時間については明確にした報告はないが,2~3カ月で著明に退縮するヘルニアも少なくないとされ,特に大きなヘルニアや脱出型のヘルニアでは退縮しやすいとされている
(日内会誌 105:2210~2214,2016)

自然退縮は、椎間板ヘルニアで起こることがわかっていますので、前述の痛みを取ることを目的としながら、自然退縮の可能性を探っていきます。
「この探っていきます。」という表現には、少し弱い印象があると思います。

「鍼灸治療で、椎間板ヘルニアの退縮を促す」「鍼灸治療で自然退縮の期間を短縮する」というエビデンスは、照明されていません。
当院での主の目的としては、痛みやしびれを改善させることに重点を置いていますので、炎症を抑えることを主にし、退縮に関しては自然な退縮を期待しています。

治療について


当院の治療は鍼治療+SUPERLIZER(近赤外線治療機:東京医研)でよりやさしく、より再現性のある治療へと進化

痛みのない鍼は日本人の感性が活かされた工夫

鍼治療で使用する「はり」は、先が注射針よりもずっと細く、皮膚に滑り込むように刺さっていくため、刺激が少なく痛みを感じにくい特徴を持っています。

また、鍼を刺す際に「鍼管(しんかん)」と呼ばれる筒状の道具を使うことで鍼が刺入される痛みを抑えられます。筒を使い鍼柄を指先で軽く叩けば、鍼先が瞬く間に身体に刺さります。

これは「管鍼法(かんしんほう)」と呼ばれる方法で、いつ刺されたか気づかない程です。当院ではこの方法を採用しています。

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鍼は細く尖端は丸い

鍼治療が痛くないもう一つの理由に、鍼の太さがあります。蚊が刺す感覚を痛いと表現する方は少ないように、当院で使用している鍼も非常に細く蚊の口先とほとんど変わらない太さの鍼を用いています。

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こんなに小さな赤ちゃんを治療しているのも当院の大きな特徴です。笑顔で治療を受け、笑顔で帰っていきます。
この子のお母さんも妊娠前から鍼治療を行い、妊娠期、出産後のケア(往診)を行い現在はお子様も治療しています。

使用鍼のシングルユース(ディスポ鍼)

エイズやB型肝炎・C型肝炎・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が引き起こす院内感染が大きな問題となっています。

患者さんの血液や体液が注射針などの医療器具に付着し、注射針を誤って指などに刺した医師や看護師が発病するといったケースが多く報告されています。

私たちは、患者さんの身体を守り、私たち自身の身体を守る必要があります。

このような危険を減らすために、当院の医療器具のディスポ-ザブル化(一回使用し廃鍼)を徹底、医療機関の注射と同じ基準で、当院では衛生管理を重要視しております。

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SUPER LIZERの併療

image28当院ではSUPER LIZER(東京医研社)の近赤外線(直線偏光近赤外線療法)を鍼灸治療に合わせて併療しております。

SUPER LIZERは多くの大学病院で、多くの疾患・症状治療に使われています。

①近赤外線は身体の中に一番深くまで届く光です。
②直線偏光処理した光は傷を早く治す力があると言われております。

この二つの特徴を鍼灸治療と組み合わせることで、より効果が発揮されます。

深達性

体内の水に反応しない特殊な光を放出することで、深部の神経節に照射(SGR:星状神経節近傍照射)を行うことで、星状神経節ブロック(SGB)と同様の反応を引き出すことが可能です。

スーパーライザーの周波数帯解説の図

スーパーライザーによる治療の図

①過剰ストレスによる緊張をときほぐします

スーパーライザー星状神経節照射(SGLまたはSGR)によって副交感神経の働きが高まり、リラックス効果が得られます。
これで、ストレスや不規則な生活によって出ていた自律神経失調による症状が改善します。過剰ストレスによる交感神経緊張は、徐々に時に急激に身体に影響を及ぼします。
ストレスに気づいてはいても、対処法が見つからないという方が多いのではないでしょうか?ストレスは生活習慣病のリスクとして極めて重大なものです。生活習慣病を発症しないためにも予防が大切です。

②全身で血流が良くなります

血行を良くする副交感神経に直接アプローチするため、照射が終了して15分後でも血行が良い状態が続きます。
血行が悪い所には栄養や酸素が届きづらく、創傷治癒が遅れ、免疫力の低下、老廃物の代謝も阻害され老化が進みます。
スーパーライザーで手足だけではなく、胃腸などの内臓や脳を含めた全身の血行を良くしておくことは、今ある症状を取り
除くことだけでなく、将来の病気の芽を摘むという予防医学効果もあります。

星状神経節照射後の手と顔の温度変化
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症例 男性 (右頚~肩にかけての痛み)

image121#1 右頚部から肩にかけての痛み
#2 頚の運動痛(左に向くと痛む)

1か月前より誘因なく発症。
整形外科Dr.「肩の痛みだからレントゲンを撮影しましょう。」
肩のレントゲンでは問題なし。
整形外科Dr.「肩は異常がない。もう少し様子をみましょう。」
患者     「頚からきているんじゃないの?」
整形外科Dr.「その可能性はあるので、MRIを撮影しましょう。」
MRIの写真上述
整形外科Dr.「いくつかの頚椎で神経を圧迫しているが、手術をする程ではない。」
「牽引をして様子をみましょう。」

2週間通院するも変化がない。
知人の紹介で整体師?トレーナーのところへ3回通院も変化ない。

以前、当院で膝痛が良くなったことから鍼治療を思い出し当院を受診。

当院での診察等)
再診時に、MRI画像をお持ちだったため、画像をPCにて確認を行う。
C4-5,C5-6が画像で神経を圧迫していることを確認する。
患者さんが訴える痛みの部位としては、右図のC4-5、C5-6エリアとも一致をする。
頚椎椎間関節の痛み
遠藤「この痛みはどこからきているのか。」
ここで3つのことを考えました。

①頚のヘルニアや骨の変形によって神経を圧迫している
②頚の頚椎周辺の異常によって痛みが出ている
③頚は頚の筋肉の痛み、肩は肩の筋肉の痛み

このうちどの可能性が高いかを知るために詳しく問診と身体診察(理学所見)をとります。

痛みの特徴)
・朝起きた時に最も痛みを感じ2時間近く痛みを自覚する
・肩の動きでは痛みが出ない
・頚は左に向きにくく、右の頚に痛みを感じる

→肩の動きで痛みが肩周辺に出ないことから、肩の筋肉の可能性は低いと考える

理学所見)
・痛みの範囲が上肢および手にはない。
・しびれなし
・筋肉の痩せなし
・反射 上腕二頭筋反射 正常左右差なし 上腕三頭筋 正常 左右差なし
・ナチュラルジャクソンテスト(+)
・ナチュラルスパーリングテスト(+)

→デルマトームに沿った痛みもなく、しびれもない。筋委縮もないことから神経根の障害も否定的。

問診と身体所見からの考察)
頚の神経根周辺でのなんらかの異常により、痛みが関連痛として誘発しているのではないか。
トリガーポイントという表現もできるが、頚部のC5-7を中心に治療を考える。

治療)
1-3診)
①頚部に浅く鍼を刺し、スーパーライザー照射
②星状神経節照射(SGB) 手足の関連のある経穴へ置鍼
③背部の兪穴へ置鍼

症状は、少し柔らかくなる程度。痛みが増すことはない。
この頃、奥様が圧迫骨折をしたため、家事などが増えたことも症状の回復を遅らせている一つの要因ということがわかる。

4-6診)
①頚部の鍼の深度を変更し、スーパーライザー照射
②星状神経節照射(SGB) 手足の関連のある経穴へ置鍼
③背部の兪穴へ置鍼

起床時の痛みが出なくなり大変喜ばれる。
考察)治療のポイント(深度)を変えることで治療効果が劇的に変化。
浅い鍼で効果的な患者さんも経験することから、問診、鍼の反応を見極めて治療を行っているが、思期待した変化(治療効果)がない場合には、治療方法を次の段階へSTEP UPを行い、症状の変化を狙っていきます。

MRI像からは、もう少し時間がかかることが予想されましたが、3週間の治療期間で寛解できてよかったです。やはり椎間板ヘルニアの影響は少なかったということがいえると思います。

症例66歳 男性 (#1.両側の腰の痛み+右下肢外側の痛み)

#2.主訴に伴い長時間の立位が困難
現病歴)約10年前に椎間板ヘルニアの診断をMRI撮影を含め受けている
現在の症状は、約半年前よりゴルフ中に右下肢に痛みを自覚。それ以来、痛みはあったがロキソニンを服用すれば痛みは止まっていたためゴルフは継続できていた。
1月に入り思い当たり誘因なし,冷え込んだことが原因か痛みが強くなる。
ご自宅から1kmの距離が歩行できない。ゴルフをもっと快適にしたい。

所見)
・ラセーグ徴候陽性(神経は多少刺激を受けている可能性あり)
・膝蓋腱反射正常:PTR(左右差なし)アキレス腱反射正常:ATR(左右差なし)
→ラセーグは陽性だが、反射が正常であり重症度は高くない

・筋力低下はない

評価)鍼灸院に来院される「私は椎間板ヘルニアです。」という方でもっとも多いのがこの症例のようなタイプで、症状は確かに長年続いているが、神経の症状はあるものの優しく腰痛が主体。今回も腰痛を含め、腰臀部の治療を継続することで充分回復が望めることをお話しして治療開始。

治療)右腰部(大腸兪、志室穴)、臀部、大腿外側の痛みのライイに鍼を行う

来院当初は、2日に1度治療を行い、痛みの軽快とともに来院間隔をあけ、3週間の治療で治癒。その後は急性の腰痛などで来院はあるものの、神経痛の再発はない。