背中の痛みに対する鍼灸治療

背部痛の原因とメカニズム

局所的が原因の背部痛

背部の機械的・物理的な原因により傍脊柱筋が極度に疲労したと考えられるもの

外傷や、骨に関連する痛み(圧迫骨折など)、その他として胸椎に多い多発性骨髄腫などの腫瘍性の痛みに分類される

神経を介した背部の痛み(脊髄分節性)

代表的なものといして頚の神経根部(頚の神経が骨から出てくる部位)の圧迫によって、肩甲間部に痛みが出る症状
(菱形筋に沿った痛みや、膏肓穴周辺の痛み)

帯状疱疹ヘルペス後の神経痛

注意が必要なものとして、脊髄分節にかかわる内臓からの反射性の背部痛
心臓、胃、膵、胆道の異常による背部痛

中枢神経が関与する背部痛

全身におけるストレス性の筋緊張によって起こっているケース

慢性化した頑固な痛み、ヘルペス後神経痛、脊髄損傷後遺症、多発性硬化症など

田中はり灸療院での診察

原因を特定する

田中はり灸療院では、現在の背中の痛みがなぜ起こっているのかを知るために、丁寧に問診・検査を行います。

「機転になった契機」
「急に起こった痛み」「慢性的に患っている痛み」
「肩甲骨や肩の動きで背中の痛みが増える」
「頚の動きで痛みが増える」

「じっとしていても痛む」
「ここ数日または数か月痛みが増え続けている」
「病院での検査」
「健康診断の情報」
「これまで患った病気」
その上で鍼灸治療可能か、他の医療機関への受診が必要か(緊急性があるかどうか)を判断します。

背部痛に対する鍼灸治療の狙い

鍼灸治療の目的はもちろん「患者さんが抱えている痛みを取り除く」ことにあります。
鍼灸治療にできることとしては、「筋緊張の緩和、寛解」「血流改善」「脳・脊髄を介した痛みの抑制」

当院での治療例

33歳 女性 美容師「半年前から左手が痛みと左の肩甲間部にも痛みがある」

病歴:平成29年10月より発症 美容院で勤務していることから、日常的に髪をカットする際に右手を酷使し、左手はシャンプーをする際に、お客さんの頭を支えるという動作を頻繁に行う。勤務している職場の環境として、カットだけに専念することは難しい。ご本人は、このシャンプーの動作が痛みの原因だと考えている。

整形外科をすでに受診しており、レントゲンでは異常は認められない。しかし、MRIでは前腕部が白くなる部分があり「前腕に炎症があり、これが神経を圧迫して左手の痛みを起こしている」という説明を受ける。

ビタミン剤を処方され経過観察中。もしこのまま悪化していくようなら、手術も検討する

近所の鍼灸院へ通院しているが変化がないため、当院を受診。

検査:ファーレンテスト陰性(手首にある手根管を調べる検査 異常なし)
   ライトテスト 陽性(胸の小胸筋部で圧迫がないかを調べる検査 左のみ陽性)
   エデンテスト 陰性(鎖骨での神経の圧迫を調べる検査 異常なし)
   アドソンテスト 陰性(斜角筋部で神経の圧迫がないか調べる検査 異常なし)
   ジャクソンテスト・スパーリングテスト 陽性(頚部の神経根圧迫を調べる検査 陽性)

考察 MRIで前腕部分に問題を指摘されているが、手首を調べたが陰性ということ。ライトテストで陽性から、胸の小胸筋部で神経を圧迫していることが考えられることが一つ。またジャクソン・スパーリングという頚を調べる検査でも陽性ということから、左手と、肩甲間部の痛みは、頚部に問題があるのではないかと考える。

 原因の部位として 頚部>小胸筋部>前腕 と考えた

治療 頚部へ置鍼(直径0.16mmの鍼を使用し、浅く鍼を行う