妊娠後の卵巣の役割
胎盤の役割を担う妊娠黄体
胎盤は胎児の生命維持の役割を果たす重要な臓器です。
胎児と母体間の栄養・代謝物質の輸送やガス交換を行っています。また、妊娠維持や胎児の成長に必要なホルモンなども産生されています。
胎盤の形成は妊娠7週ごろから始まり、妊娠4ヶ月末までには形態的・機能的に完成し、その後妊娠10ヶ月ごろまで大きくなり続けます。
では、7週目より前は、胎盤の役割を誰がしているのか。
この役割を担っているのが「妊娠黄体」です。
黄体が妊娠黄体になるまで
妊娠黄体が形成されるまでの流れは、
1. 排卵:月経周期の中で、卵巣から成熟した卵子が放出されます。
2. 黄体形成:排卵後、卵巣に残った卵胞は「黄体」に変化します。この黄体は、主にプロゲステロンを分泌し、妊娠の準備を整えます。
3. 受精: 卵子が精子と受精することで受精卵となります。
4. 着床:受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮に移動し、約5日〜7日間後に子宮内膜に着床します。
5. 妊娠黄体の維持:妊娠が成立すると、黄体は「妊娠黄体」となり、胎盤が形成されるまでの間、妊娠維持に必要なホルモンを産生します。
(受精卵から分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が黄体から妊娠黄体へ変化させ、ホルモン産生を促しています。)
これにより、妊娠が継続し、子宮内膜が妊娠に適した状態に保たれます。
6.妊娠7週後のには、妊娠維持に必要なホルモンの産生場所は、妊娠黄体から胎盤へと変わっていきます。
7.妊娠12〜15週頃にはほぼ完全に胎盤からホルモンは作られます。
このように、妊娠黄体は排卵後から始まり、受精と着床を経て妊娠を維持するための重要な役割を果たしているのです。
当院の治療
着床後に胎嚢・心拍確認を行った後、当院では8週〜12週まで治療をさせていただいています。
その理由の一つとして、上記でお伝えした、ホルモンの産生場所が妊娠黄体から胎盤へ移行する妊娠初期の未完成で不安定な時期に対しての治療です。
卵巣の仕事は排卵して終わりではない。やはり身体はその時期、その時期で役割があり、連携しています。
妊娠維持のためには「妊娠黄体からホルモンが出続ける」かつ「胎盤が速やかに立ち上がりホルモンを出せる状態」にあることが必要です。
妊娠陽性後も鍼灸治療を継続し、この時期をサポートしたいというのが 8週〜12週卒業の狙いです。
鍼灸治療やスーパーライザーについて詳しく知りたい方はHPをご覧ください。
(文責:竹永百華)
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