全日本鍼灸学会参加

全日本鍼灸学会に参加!

今回は福岡大会という地元開催ではあるものの、コロナ禍という事で、
オンライン開催でした。

まずは、開催を実現していただきました関係者の皆様、貴重な機会をありがとうございました。
企画、打ち合わせ段階や、当日の動きなど初めてのことが多くかなりの困難があったと思います。

今大会には遠藤真紀子、小坂知世、中林まゆみの3名が参加して参りました。

今回はオンラインの中臨床研究のワークショップが開催され小坂知世が参加。
遠藤彰宏も以前福島での全日本鍼灸学会でこのワークショップに参加させていただき、臨床でのリサーチクエッションを大切にしながら、

2021年8月に研究発表をしてきます。
日本レーザーリプリダクション学会で発表

自分たちの仲間の中で、同じような視点で臨床に取り組む仲間が増えてくることがとにかく嬉しいです。

今回は、アーカイブも残っている事で、気になる演題は繰り返して見ることができる。

学会でついついありがちな。
わかったつもり。
あとは、会場まで出張で移動を行い、現地で知っている先生と食事をして。
実は学会前には体力が尽きていることもしばしば。

そんな状況の中で
演者の先生のペースに思考がついていかずに、あー今なんて言ったんですか?
聞き漏らした。ということもよく起きます。

これがアーカイブでは

「丁寧に確認、振り返りができる」
「自分の学習ペースに合っている」

通常見たい演題が被ってしまいどちらか一方に選ぶ必要がある。

この迷いもアーカイブではおきない。

これも非常にメリットでした。

普段は、座席の位置、マイク、他の参加者の話声などいろんな状況で講演を聞く必要があるが、
オンラインではそのノイズがない状態で参加できる。

こんなメリットに溢れていたというのが、今回の参加しての実感です。

 

一方で、これまでは学会参加時にしかお会いできない先生や、
初めましてから生まれる新しい縁が生まれにく。

ここは非常に課題だと思います。

また日々の臨床に生かして、学び続けること。
患者さんの健康にこれまで以上に貢献して行きたいと思います。

特に今学会で勉強になったこと
遠藤真紀子

 


日本顔面神経学会

私たちが普段から参考にしているのは、医学書、医学雑誌、各学会の論文などですが、
ここまでわかった鍼灸医学 ~基礎と臨床の交流~
「末梢性顔面神経麻痺に対する鍼灸治療の効果と現状」

司会・コーディネーター:
埼玉医科大学 東洋医学科 准教授 山口  智
東京大学医学部附属病院 リハビリテーション部鍼灸部門 主任 粕谷 大智

1)「麻痺の慢性期の後遺症に対する鍼灸」
東京大学医学部附属病院 リハビリテーション部鍼灸部門 主任 粕谷 大智

2)「顔面神経麻痺リハビリテーションの新しい展開~神経再生促通から抑制へのパラダイム変更~」
帝京平成大学 健康メディカル学部 理学療法科 教授 栢森 良二

3)「末梢性顔面神経麻痺に対する鍼治療のエビデンス~発症から回復期における鍼治療の有効性~」
埼玉医科大学 東洋医学科 堀部  豪

栢森良二先生の文献は以前より勉強させていただいていたので、はじめて講義を拝聴させていただき、自分たちが理解していたこと。
理解が浅かったところ、そして最新の情報についてアップデートをはかることができました。

最新の顔面神経麻痺の回復としては、これまでの「いかに早く治すか」から「ゆっくり丁寧に、病的共同運動を防ぎながら、回復できるか」
この点が大きく異なりました。

今後も丁寧に顔面神経麻痺の患者さんと向き合っていきたいと思います。

当院での顔面神経麻痺の治療についてはこちらへ

 

 

鍼灸学校の学生という立場で
中林まゆみ

人生で初めて学会に参加して、日本の鍼灸の現状や、医療現場との関係性を垣間見ることができただけでなく、オンラインではありましたが学会の雰囲気も知ることができました。
学生として、これから関わっていく業界をリードしている方々のお話を聴けることは、とっても貴重な経験でした。

パソコンの前でワクワクしながら待って、それからライブが始まり、学会初体験!を楽しみました。
わけもわからず、いきなり「ICD-11とICHIに関する日韓中シンポジウム」を視聴。

なにやら難しい話でしたが、ぼんやりと、中医学や伝統医療がWHOのドキュメントに入ったということ、それについて各国が報告しているということは、わかりました。

日本で鍼灸をしていくとしても、世界で起こっていることを知っておくことは大切。
日本の鍼灸は、中国から伝来し、独自の発展を遂げている。
それでもそこに固執せず、WHOの動向もしっかり把握して、いいものは取り入れたり、発信したりすることで、日本の患者様たちにも寄与していくんだなぁ、と思いました。

「臨床における経絡・経穴の意義を改めて問う」というシンポジウムも視聴しました。

現代医療の立場として東大附属病院の粕谷大智先生、経絡治療の立場から橋本厳先生、伝統鍼灸の立場から藤本新風先生が、意見を交わされていました。

経絡治療とは、いわゆるツボ(経穴)をつないでいる道(経絡)によって、不調にアプローチする治療方法のことです。

例えば、腰が痛いとき足に鍼をすると症状が軽減したりするけど、どういうこと?という話。

驚いたのは、東大病院の粕谷先生が、腰椎脊柱管狭窄症の患者さんの手術の際に、足に鍼をして、腰椎付近の神経内の血流の変化を写真で示されたことです。
なんと手術の合間に神経内を撮影したなんて、さすが東大、と素人な私は思ってしまいました。
一目瞭然、百聞は一見に如かず。しっかりと血流がよくなっているんです。

また、伝統鍼灸の藤本先生は、「経絡・経穴は、あるなしの議論にあたるものではなく、鍼灸医術の礎石であり、アイデンティティの象徴である」と示されていて、なるほどー、確かにそれもある、と思います。

橋本先生は、経絡治療の立場、そして教員もされていることから、経絡治療そのものついて、そして学生が経絡という概念を学ぶ機会があまりにも少なすぎることや、教育現場ではカリキュラムの都合上、暗記に終始しがちであることが課題として示されました。

三者三様の立場からの経絡のお話でしたが、ひとつの同じ山をそれぞれの方向から上って、同じ場所を目指している、という印象を受けました。
経絡は目に見えないものですが、最近は「ファシア」というものが発見され、これが経絡に関連しているのではないか、という研究もされているそうです。
ファシアは、電気を発生し、流すそうです。
解明されていないこと、目に見えないもののことを考える時、紫外線もWiFiも目に見えないし、かつてはその存在すら知らないかった時代もあって、でも今は誰もがその存在を享受していることを思います。

この先、色々解明されていく鍼灸の世界へ入っていくことが楽しみです。