意外と知らない「お灸」の世界

「お灸」と聞くと、「熱そう」「跡が残りそう」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

でも実は、お灸は思ったよりもずっと安心・安全で、昔から暮らしに寄り添ってきた身近なものなのです。

現代のお灸は、じんわりと心地よい温かさで体を癒す、やさしい種類がほとんどです。

今回は、そんな奥深いお灸の世界をもぐさとは?というところからご紹介します。

お灸の主役「もぐさ」って何?

お灸の温かさや香りのもととなる「もぐさ」は、実は皆さんもよくご存じのヨモギの葉から作られています。

ヨモギと聞くと、草餅やお茶を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

食べても体に良く、香りも爽やかな植物。

ヨモギは春から夏にかけて山や野原に自生するキク科の植物です。

収穫されたヨモギの葉は、天日でじっくりと乾燥させた後、石臼で挽き、特殊な道具を使って葉の裏にある白い毛(毛茸や腺毛)だけを選び出すという、非常に手間のかけた工程を経て、「もぐさ」へと生まれ変わります。

この白い毛が、お灸独特の心地よい温熱と香りを生み出すのです。

このモグサを燃やすことで、じんわりと心地よい温かさが体に伝わり、血流を促したり、体をリラックスさせる働きが期待できます。

モグサの質と種類

モグサには精製度によっていくつか種類があります。

・高精製モグサ
とてもきめ細かく、柔らかい。直接皮膚にのせる「透熱灸」などに使われます。

・中精製モグサ
程よい熱量で扱いやすく、鍼と合わせて使う「灸頭鍼」などに使われます。

・低精製モグサ
香りが強く、熱量も大きい。棒状にして離れた位置から温める「棒灸」などに用いられます。

施術の目的や方法に応じて、適切なモグサが使い分けられています。

お灸の種類は大きく分けて2つ!

お灸には大きく分けて「痕が残るもの」と「痕が残らないもの」があります。

1. 跡が残るお灸(有痕灸)

こちらは主に「皮膚の上に直接モグサを置いて燃やす方法」です。

身体に強い温熱刺激を与えることでそれに伴って生じる生体反応を治療に活かしています。

透熱灸、焼灼灸、打膿灸などがあり、焼灼灸はイボやタコの治療などに使われています。

現在では、ご自宅でのセルフケアではなく、ほとんど専門的な場面でのみ行われます。

2. 跡が残らないお灸(無痕灸)

「お灸の跡は残さず」心地よい温かい刺激で効果的な生体反応を期待して治療をしていきます。

初めてお灸を体験する方でも安心して受けていただける、やさしいお灸です。

知熱灸(ちねつきゅう):
もぐさに火をつけた後、熱さを感じ始めたタイミングで消火し、取り除きます。
一人ひとりの「気持ちいい」と感じる温かさで施術を行うため、熱すぎることがなく、安心して受けていただけます。

台座灸(だいざきゅう):
台座に乗ったもぐさを使い、皮膚に直接触れないように温めます。
当院でもよく使用するお灸で、もぐさが燃えたことによる輻射熱に加えて、台座を通して伝える熱(伝導熱)によっても温熱刺激を与えています。

棒灸(ぼうきゅう):
もぐさを棒状にしたもので、火をつけた棒灸を患部から少し離して、輻射熱で広範囲を温めます。

隔物灸(かくぶつきゅう):
もぐさと皮膚の間に、生姜や味噌などを置いて温める方法です。
生姜灸や味噌灸、ニンニク灸、塩灸、ニラ灸、墨灸、ビワの葉灸などがあります。

今では「気持ちいい」「リラックスできる」と感じていただける施術が主流で、痕が残るような強いお灸を行うことは少なくなってきたと思います。

他にも温筒灸や箱灸などありますが、
当院では、こちらの無痕灸の知熱灸や台座灸を中心に施術を行っております。

お灸は心と体にやさしい治療法です

お灸は、薬を使わず、自然の恵みであるヨモギの温熱効果で体の内側から調子を整える、心と体にやさしい治療、それが「お灸」です。

冷え性や肩こり、自律神経の乱れ、慢性的な疲労感など、、、様々な不調に効果が期待できます。

「お灸は熱いんじゃないか…」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、患者さんの感覚に合わせて熱さを細かく調整しますので、心地よいと感じる温かさで施術を受けていただけます。

もし熱いと感じたら、遠慮なくお声がけください。

当院のスタッフは、プロフェッショナルです。

初めての方でも安心してご来院いただけるよう、丁寧な治療と分かりやすい説明を心がけています。

心地よいお灸の温かさを、ぜひ一度ご体験ください。

皆様のお越しを心よりお待ちしております。