ぎっくり腰の鍼灸治療急性腰痛の治療で大切にしていることぎっくり腰(急性腰痛)の鍼灸治療で
大切にしていること

私たちが大切にしていることの一つ目は、医療者として“本当に急性腰痛(ぎっくり腰)なのか”“それ以外の病気は隠れていないか”一度、しっかり疑うことにあります。

急性腰痛とそれ以外の腰痛 関係性

 

急性腰痛以外の腰痛

 

鍼灸院でよく経験するのは、ご年配の方や長期ステロイド服用の方で、「圧迫骨折の疑い」がある方は年に数例経験します。この時には、鍼治療をせずに整形外科を受診していただき「やっぱり圧迫骨折でした」というご報告をいただきます。

 

 

急性腰痛の顔して
実は違う病気だった

急性腰痛で鍼治療を行い、少しずつ痛みが和らぐものの、
「通常の急性腰痛とは経過が異なる」
(このときには、腰痛以外の目立った特徴がない)
「翌日になり、排尿痛が強くなり『尿管結石』を疑い泌尿器科へ受診していただき破砕術を受けて治癒」
「圧迫骨折」と「尿管結石」は数年に1度の割合で経験をします。

お身体を診させていただく上で大切にしていることは、「慢心せず、少ない可能性も考慮して治療を行う」ことを日々意識しております。

この点は、医療者として大切にしている当院の姿勢です。一般のマッサージや、整体ではこの点はかなり欠如していますので、受診する際にリスクがあるということを十分ご注意ください。

患者さんそれぞれの「物語」「診察情報(分析)」によって、ぎっくり腰と判断できれば、「最適を探す」へ

 

鍼治療でぎっくり腰の
どこに変化を与えたいか

 

ぎっくり腰と考えた場合には、いよいよ鍼灸治療を行います。
ぎっくり腰でガイドラインにも記載されている大切なことに『安静(入院させベッドでの絶対安静のレベル)は治りを停滞させる』があります。

今のぎっくり腰で痛みのある現状では、
「こんなに痛みも強いのに、この身体でどうやって動けばいいんだ。」
「とても、動ける状態ではない。」
確かにそんなことを気持ちになると思います。

鍼治療をした場合としない場合で、どんな経過が予想されるか。
鍼治療無)痛みが続く→動くことができない→安静にする→回復が長引く(約2週間で自然回復)
鍼治療有)痛みが軽くなる→早期に動ける→活動の範囲が広がる→早期に回復する

このような考えで当院では、急性腰痛に『早期に動ける状態にする』ことが何より『早期回復に繋がる』という考えで治療を行っております。

 

 

発症して、来院した段階の痛みの強さは異なるものの、①の鍼治療を行うことで、痛みを下げる。
(初診時の目標としては、現在の痛みを10とした場合に5もしくは3まで下げることが理想的)

②2回目の治療は、発症して早いタイミングで治療を行います。
※午前中に治療した場合には、夕方にもう一度治療を行います。(通院可能な場合)
※昼以降に治療した場合には、翌日
※ただし、急性腰痛の方の中には旅行中や、この後出張で飛行機など個々に状況が異なるため、個別に相談し、ベストを見つけ出します

③急性腰痛で一つ大切な通過点は、翌日の起床時に痛みがどの程度かにあります。
この起床時をうまく乗り越えると回復はよりスムーズです。
起床時に痛みを自覚する場合には、もう一度鍼治療を行います。

④日常生活の中では、動ける範囲内で動くこと
※痛みがある状態で無理をして動く必要はない
※同じ姿勢 (ねっぱなし、立ちっぱなし、座りっぱなし)が続くことを避ける

 

(急性腰痛と慢性腰痛の違い)

 

 

ぎっくり腰を
鍼治療でやさしく治す

 

ぎっくり腰と慢性腰痛の大きな違いですが、
外側の円の大きさは痛みの大きさを表現しています。
ぎっくり腰の方が動けない程の痛みであったり激痛のため円が大きくなります。

しかし、原因をみてみると、
ぎっくり腰は、円の大きさと比較して原因の円は小さく、1つしかありません。
慢性腰痛は、長年にわたって腰痛を抱えているため、まるで絡まった毛糸のように原因も複雑になってきます。

ぎっくり腰は、原因の大きさと比較して、痛みが強くギャップがあるのが大きな特徴です。
次は実際にどういったところに原因があるのかをみていきます。

 

「筋膜って何?」と思われた方にイメージしやすい動画が上の動画です。フルーツを人体に見立てたわかりやすく解説されています。
フルーツの実を取り囲む袋や繊維を「筋膜」だと思ってご覧ください。

 

ぎっくり腰の原因として筋膜

NHKスペシャル『腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム”腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~』をはじめ、腰痛の原因の一つとして近年注目されているのが筋膜です。

これまで鍼治療は、治療を行っている場所は筋膜が大きく関与しているのではないかということを米山榮先生らが「筋膜網システム」や「超音波を用いて鍼治療をリアルタイムに可視化」をした研究が発表されています。

当院の鍼治療はこの緊張した筋膜を適切に捉えること、そして緩めるという手技が大きな特徴です。

 

ぎっくり腰の中で痛みの場所や範囲が異なる

この違いには、異常の起こっている筋膜深さや、その周辺に起こった炎症の波及度合により変わってきます。
腰と臀部が痛む場合には、脊椎の周りの脊椎洞神経などを介して(関連痛)、本来の悪いところ以外にも痛みを感じていると考えられます。

急性腰痛で特に治療部位となるのは多裂筋が対象になることが多いです。その多裂筋の中で損傷している筋線維、筋膜はごくごく小さいため微細な損傷部位を狙う治療はまさに職人技、芸術だと考えています。
この違いには、異常の起こっている筋膜深さや、その周辺に起こった炎症の波及度合により変わってきます。
腰と臀部が痛む場合には、脊椎の周りの脊椎洞神経などを介して(関連痛)、本来の悪いところ以外にも痛みを感じていると考えられます。

 


当院が治療で大切にしていること

ぎっくり腰の患者さんの多くは、鍼灸がはじめてで来院されます。
鍼のイメージは実際に受けた方の印象と大きく異なります。
 

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鍼治療がやさしい理由

 

鍼治療で使用する「はり」は、先が注射針よりもずっと細く、皮膚に滑り込むように刺さっていくため、刺激が少なく痛みを感じにくい特徴を持っています。

また、鍼を刺す際に「鍼管(しんかん)」と呼ばれる筒状の道具を使うことで鍼が刺入される痛みを抑えられます。筒を使い鍼柄を指先で軽く叩けば、鍼先が瞬く間に身体に刺さります。

これは「管鍼法(かんしんほう)」と呼ばれる方法で、いつ刺されたか気づかない程です。当院ではこの方法を採用しています。

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鍼は細く尖端は丸い

鍼治療が痛くないもう一つの理由に、鍼の太さがあります。蚊が刺す感覚を痛いと表現する方は少ないように、当院で使用している鍼も非常に細く蚊の口先とほとんど変わらない太さの鍼を用いています。

ぎっくり腰の治療費

初診料     2000円

治療費     5000円

※上記の治療費(合計7000円)で、2回の治療を受けていただけます。
※3回目以降の治療費につきましては、5000円となります。

症例

症例1 43歳 男性

急性腰痛 2日前より 息子さんとドッヂボールをしたこと、もしくは長く座りすぎたことが原因で発症。以前にもぎっくり腰(急性腰痛の経験あり、1度入院経験もある)、その頃の痛みの方が強い。

所見:痛みの部位:痛みは両側(右>左)に広がっている。前屈時に痛み。安静時痛なし。下肢痛、臀部痛なし。局所の熱感(なし)

考察:以前の急性腰痛よりも痛みは軽く、また安静時痛もないことから、急性腰痛を第一選択として、治療をして良いと判断。両側に痛みが広がっているが、痛みの範囲(上下)は限局されていること痛みを発症している筋肉は限定的と判断。治療の反応をみながら、治療部位を随時対応を行う。

治療1. 1番鍼で刺入置鍼5分
治療2. 2番鍼で、手技鍼(腰部のみ)
治療3. 座位にて、2番鍼で手技鍼

痛みが治療前に10だった痛みが、0又は1に軽減したため治療終了。
※その後、奥様も腰痛で通院され非常に喜ばれている。

コメント)
急性腰痛は、鍼灸治療が扱う症状の中でも、即効性があり治療効果の高い症状の一つです。当院での急性腰痛で来院される方の通院はほとんどの方が1度の通院で治療を完了しています。
(再び急性腰痛を半年、1年後に発症し来院する方の後日談や、現在はメールなどで翌日からの経過を確認)。1度の治療で効果を発揮できる理由としては、アクセルとブレーキの使いわけを考えています。鍼治療では、攻めるべきポイント、待つべきタイミングがあるためです。この使いわけが私たちが誇れる武器だと考えています。どうぞ、期待して来院いただいて結構です。

症例2 39歳 男性

急性腰痛 4日前より 工事現場で、電気の配線工事を行うため、配線を狭い場所で持とうと試みた際に発症。 以前にもぎっくり腰(急性の腰痛)は経験があり、過去の痛みと同程度。

発症2日目 他の鍼灸院へ行くも変化ない

発症4日目 当院来院

所見)安静時痛(ー)、歩行は可能、動作時に痛み(前屈が特に厳しい)、過去に同様の痛み(+)

考察)急性腰痛の発症して、痛みがあまり変化がないまま経過中。鍼灸治療を一度他院で受けるも変化がないことから
①患者さんの状態がよっぽど悪い
②一度目に受けた鍼が上手ではない

①の可能性について
患者さんの状態が悪い場合 急性腰痛の中で、筋・筋膜性の腰痛ではなく、尿管結石や血管性も頭の片隅には必要だが、安静時痛もなく、緊急性を有するような状態ではない。

②の可能性について
「鍼灸治療の経験が浅いもしくは固定観念がある方は、治療の方法を知らない方もいるため急性腰痛で何も変化が出せないということは、技術的に問題があると考える。」ということを治療前に患者さんご本人にもお伝えする。

治療)
①寸1-1番鍼で置鍼
直後すでに起き上がりが楽
②寸1-1番鍼 手技鍼
前屈が可能となり、歩行がスムーズ(自然に歩ける)
③寸3ー2番鍼 置鍼

これなら明日仕事に行けますというところまで回復したため治療終了。

症例3 41歳 女性

急性腰痛 昨日より少し腰に痛みを感じていたが、本日くしゃみをしたことで激痛となり当院へ来院。

所見)歩行はできるがぎこちない。(痛みのために普段の可動域がないため、不自然な動き)
安静時痛はない。
左の腰と左臀部に痛みがあり、右は痛みなし。
熱感(ー)

考察)痛みの発症から時間が短いため、現状から判断するには情報量が少ない
①炎症状態はあまり強そうな印象は受けない。
→痛みの訴え方、熱感なし、痛みの時間的な推移
②左の臀部の痛みについては、腰部を治療すれば治るのか、臀部の治療の追加が必要か治療の中で判断

治療)腰部 寸1-1番鍼 置鍼
→直後から痛みが半減し、動きが改善、臀部に痛みが残る
腰部 寸1-1番鍼 手技鍼
→腰部の痛みは軽減、臀部変化がないため臀部に治療追加
臀部 寸2-2番鍼 置鍼
→痛み腰部、臀部ともになくなったため治療終了

コメント)この後の経過をFACEBOOKのメールを使って確認をする。
鍼灸治療の帰宅後に少し痛みを再度感じたが、全体としては落ち着いている。
「動ける範囲では動くように指示。」翌日が日曜日ということもあり、
「もし起床時痛みがあれば、往診も検討しますから遠慮せずに言ってください。」と伝える。

翌日  痛みは少し残るものの、問題なく動ける
2日後 ほとんど痛みを感じない

「回復曲線に乗れていると思います。これでそのまま治っていくでしょう。」
治療終了。

 

 

 

 

腰痛のレッドフラッグサイン(赤旗徴候)

腰痛のレッドフラッグサイン(赤旗徴候)として、急性腰痛に似た痛みを別な病気が原因で起こる場合があります。
腰痛の原因に占める割合としては1%以下ですので、過剰に警戒する必要はありませんが、可能性があることを知っておいてください。疑わしい場合には、早期に病院を受診、診察が必要です。

1.最近大ケガをした(高いところから転落した、交通事故にあったなど)
高齢者の圧迫骨折は、ケガから数日して痛むことがあります。
また交通事故などでは直後は興奮状態で痛みをあまり感じないこともあります。

2.痛みの進行が激しく、じっとしていても痛み、絶え間がない
ぎっくり腰の中には一部痛みが強くなるケースはありますので、総合的な判断が必要ですが、
“寝れいればいい”“立ってしまえばいい”のレベルを超えてじっとしていても痛む!
痛みが強くなるという症状があれば、要注意

3.夜間に痛み、楽な姿勢が探せない、動きと痛みが無関係

4.発熱、冷や汗がでる

5.腰だけでは胸部も痛む

6.大きな病気、長期の薬物使用歴がある(癌の既往歴、長期ステロイド剤の使用等)

7.足にしびれや、麻痺がある

8.排尿や排便に異常がある

これらがあるときには一度病院の受診をお願いしております。
また、当院の診察でも疑わしい場合には、病院への受診を先にしていただき、その後治療をするケースもあります。

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その他,当院の専門分野

顔面神経麻痺の鍼灸治療

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不妊治療と鍼灸治療について

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