逆子症例集

私たちは、日々色んな方の妊娠・出産から学ばせていただいております。
ここでは、すべての症例を掲載することが難しいため、当院で経験した逆子の症例の一部をご紹介します。image59

逆子症例1
経産婦 お灸後に改善が確認される
32週で来院

以前より逆子を指摘されていたが、第一子の際も逆子。その時,逆子体操や体位の指導で頭位に改善したため今回も戻るだろうと考えていた。

主治医より「あと2週間(34週)の健診で戻っていなければ外回転術を行う」と言われ当院を受診。

当院での治療は2回 その間自宅で温灸を朝夜、健診時に頭位確認され、外回転術回避。

その後、無事に正常分娩の報告を出産後に元気な赤ちゃんとともに報告を受ける。

コメント

小児はり(第一子)で来院中のお母さんでした。逆子にお灸がいいことは知っていただので、自分でしていたが改善もないため相談されました。
32週からスタートでしたが、早期に改善してよかったです。
お灸の場所は同じなのに、変化が異なる点が私たちの存在意義だと思いますが、熱量というのは一つ大きな違いだと妊娠しています。
その点を意識しながら治療、自宅施灸の指導を行っております。その後、このお子様も2歳より小児はりに通院され、現在も定期的にお会いしております。

逆子症例2
通院中の院で外回転術
31週+2日で来院

28週時に逆子を指摘.産婦人科にて逆子体操の指導を受け実施中、30週で一度逆子改善するも31週の検診で再び逆子を指摘される。
「きちんと腹帯をしていた?」と言われてしまう…
「結果的には緩かったかも…」
現在胎児の体重は1700g
当院での治療は3回 その間自宅で温灸を朝夜
胎動は多くなるも改善せず,3回目の治療(午前)の後,午後より検診時に出産予定の産婦人科にて外回転術(32週)で改善。

コメント

外回転術については、現在福岡市内でも行っている病院がいくつかあり、32週での外回転術は比較的早い段階で行われたケースでした。自分が通院している病院で外回転術をされる場合には、検診の中で行われたりするため、患者さんも予備知識がないままあれよあれよと改善して驚かれます。

逆子症例3
初産 お灸後に改善が確認される32週+5日で来院

28週時に逆子を指摘.産婦人科にて逆子体操の指導を受け実施するも改善せず、前回検診時胎児体重は1500g(31週時)
「来週の検診で逆子だった場合には,35週までは待つが帝王切開を行う」と主治医の先生より指摘される。当院での治療は2回 自宅で温灸を朝夜
当院でのお灸時胎動は増えるが、逆子体操実施時には胎動が止まることもあり,逆子体操を工夫する必要があった。
2回目治療の翌日が検診日のため産婦人科で確認したところ改善が認められる。

コメント

当院でお灸後にしていただく逆子体操で、代表的な胸膝位の姿勢を取ると、胸が苦しい感じが5分後よりある。また、お灸で増加した胎動も止まることが確認されたため、お灸後は側臥位のみで対応をしました。治療の方法、指導方法もやはり患者さんの状態、反応により変更する必要があります。ゆったりとして時間の中で、お話しをお伺いし、お灸をし、観察し話合う。この時間の流れは鍼灸院のもつ特徴なんだと思います。一緒に話合い、相談することが大切だと思います。その後、逆子は改善しましたが出産直前に児頭骨盤不均衡で緊急帝王切開になったことを報告を受けました。
母子ともに健康で電話で報告を受けたその声は明るく弾んでいました。

逆子症例4
経産婦 お灸で改善32週で来院

28週の検診で逆子を指摘され、その後一度逆子改善するも、再び逆子。
第一子の際にも、逆子でお灸を受け改善したため、今回も”逆子にはお灸”と思い来院。当院でも逆子を確認の上で鍼灸治療を行い、翌日の検診で改善を確認される。
余ったお灸は、安産の目的で三陰交に継続的に灸。腰痛緩和目的で、大腸兪へ灸にて出産を迎え、元気な赤ちゃんを出産される。

コメント

コメント:28週で逆子、30週では頭位、32週逆子と赤ちゃんがお腹の中で動くスペースがあるということは改善もしやすいということを経験します。ぎゅっと縮こまった子宮のスペースでは動くことも難しい。ゆったりした子宮では、宇宙空間を遊泳している宇宙飛行士のように、赤ちゃんも動きまわっているのではないでしょうか。
1度のお灸で改善し、その後は出産に向けてポジションを決めてくれたようです。
ご近所なので、時々赤ちゃんの泣き声が聞こえるととても幸せな気分になります。

逆子症例5
自然回転のため、治療をせず30週で来院

27週の検診では頭位であったが、29週の検診時に逆子を指摘され、逆子体操の指導を受ける。
現在30週になるが、逆子を指摘された頃は、下腹部で赤ちゃんに蹴られているように感じたが、最近は上腹部で感じるため一度かかりつけの病院に電話したところ「まれに頭をすりすりしていることがあるから次回の検診で確認してみましょう。」「逆子体操はいったんやめておいてください。」と言われた。
この後里帰りをするため、できれば早く逆子を改善したいと思い当院を受診。
触診でいつも逆子は触れる頭が見当たらない。エコーで確認するとすでに頭位(正常位)となったため治療はせずにご帰宅いただく。

コメント

今回の症例にもしもお灸をしていたら、私は名人になれたのかもしれません。しかし、それは医療とは呼べません。逆子の頻度、自然回転率を考慮した場合には必ずエコーで確認した上で治療を行わなければ、無駄な治療も増えます。逆子の灸の有効性もわかりません。
今回のようなすでに逆子が改善している症例の場合には、初診料のみで治療費はいただいておりません。お灸で改善する場合には、直後に改善するよりもご帰宅後に改善していることが多いため、お電話でご報告いただいております。そのため、逆子が改善していますよと知った直後の表情は私は想像することができませんが、今回のようにお灸をして改善したわけではないのですが、改善していることを知ったときの嬉しい笑顔は私の一生の宝物になっています。エコーを導入してよかったし、真摯に臨床をしていてよかったと感じた症例です。その後も逆子の自然回転は多く逆子全体では10%が自然回転が確認されますし、32週未満では、25%近い症例が自然に回転しています。

逆子症例6
一泊入院で外回転術32週で来院

28週の検診逆子を指摘され、逆子体操の指導とかかりつけ医でお灸の指導を受ける。
その後お灸をしてもらいために他の鍼灸院へ行くも改善せず、当院を受診。
エコーにて逆子を確認し、その後にお灸と自宅施灸の指導。
これまで受けていたお灸では、熱量が少ないことが考えられたため、灸の量を増やす。
継続的に治療を行うも改善しないため「逆子のまま出産も考えている。」「今の病院は外回転術はしないという方針」「福岡県内の病院に問い合わせをしたところ、紹介状なしで受け入れてくれる病院、紹介状があれば受け入れてくれる病院が見つかりました。」その後紹介状が必要な病院を受診し、検査の結果「外回転術はできます。勝率は5割でしょう。」と言われ外回転術を受けることを決意。入院し外回転術で頭位へ戻り、経膣分娩で無事にご出産。

コメント

この患者さんに学んだことは、現在のネット社会の情報は常に最新ではないということです。
またネットに出ていない情報も多いこともあり、一件ずつ電話をかけ問い合わせをする。これはとても根気のいることです。途中で「2、3年前までしていましたが、現在はしていません。」「うちではしていません。しているところは少ないんではないでしょうか。」どれだけ心が挫けそうになったことでしょう。決して外回転術を推奨しているわけではありません。しかし、帝王切開をさけることが次の妊娠時の帝王切開や、帝王切開後の妊娠のリスクを下げることを考えると外回転術を受ける選択枝もあって良いと考えます。お灸ですべての方に改善できれば、外回転術、帝王切開を回避できるので、それを目標にしていますが現状6割+自然回転率1割です。
これは早期に来院していただければ改善率も増えてきます。この患者さんのおかげで次の患者さんへのアドバイスに大きな幅が広がりました。無事のご出産おめでとうございます。

逆子症例7
外回転術後に鍼灸院へ34週+5日で来院

30週で一度逆子を指摘され産婦人科にて逆子体操を指導受け一度改善する。この時、Dr.より「外回転術をしますか?早い方が回転もしやすいと。」と言われたがこの時のもう少し様子をみると判断し、逆子体操。34週で胎動の変化に気づき病院を受診したところ、逆子と診断され外回転術をその日に受ける。しかし、逆子改善しないため、その足で当院を受診しエコーにて逆子を確認の上お灸開始。10日後に実家に帰省するために、治療の間隔を毎日として、自宅施灸と逆子体操を継続。日曜日を挟んだため、治療開始4日後(3診目)に改善確認。 病院でもその後頭位確認の上ご実家へ帰省。
※今症例のように、当院で最後頭位が確認できた場合の最終日の治療費はいただいておりません。

逆子症例8
1度のお灸で改善する症例30週+5日で来院

第2子
1週間前にはじめて逆子を指摘され、逆子体操の指導を受ける(10分、四つ這い、側臥位 1回/日)
WEBで調べたところ、当院を見つけ受診。所見
「30週ということで、まだ自然に回転する方も多いこと」「第2子ということで、初産より周りやすいこと」をお伝えした上で、お腹の触診を行う。
お腹は非常に柔らかく、逆子(骨盤位)は確認されるも、動きがある。固定されていない状態のため周りやすいのではないかという予測を立てる。
※反対にあかちゃんが、ぐっと固定された状態、おしりが骨盤にはまり込むなど動きにくい傾向治療
鍼でお腹の腹直筋を緩め、お灸を三陰交、至陰へ3壮
寝返り時の腰痛があるため、腰部へ鍼治療の追加指導
自宅施灸をせんねん灸にて、三陰交、至陰へ行い、逆子体操2診目(4日後)
逆子が改善をエコー(超音波診断装置)にて確認
腰痛治療のみ本日行い。
産後のからだについてや、母乳トラブルについて話合う

コメント

コメント:逆子の治療で早い方は、今回の症例のように1回での治療で改善されるケースも多く経験します。今回の症例は、年末に来院だったこともあり次回の検診は年明けという状況です。これがエコーのない鍼灸院の場合には、年末もう一日治療を追加し、逆子(骨盤位)か頭位かわからない状態で年を越さなければなりません。逆子が改善されたことで、ご自宅でのお灸の使い方も変更が必要になります。逆子の治療から、腰痛やマタニティーケアへとお灸の目的も変わります。正しい時期に適切な治療を行うことが私たち鍼灸師に求められ来院されます。そして、逆子を治すだけがゴールではありません。その後の出産、育児へとスムーズに進んでいただき、その時期に頼れる存在であること、また自分たちの限界を理解し、頼れる存在を紹介することで患者さんがより良い生活を送る。これが当院の役割だと考えています。

逆子症例9
帝王切開にて出産36週
(里帰り出産のため福岡に帰省)

2週間後に帝王切開予定。治療)腹部散鍼、三陰交、至陰へお灸
自宅施灸の指導 朝・夕 2回治療期間 エコーで連日確認するも改善がないため、5日間連続で治療も改善せず。患者さん「先生、次検診がありますので、今日で治療は最後にします」
私「お力になれず申し訳ありません。」
患者さん「帝王切開の前に最後にできることをしておきたかったので、諦めがつきました」
患者さん「ありがとうございました」という言葉をかけられました。

コメント

コメント)自分たちの治療が、すべての逆子の患者さんを救えるものではないと自覚しています。初診時に、当院では病院で受けることが可能な外回転術の話も初診でさせていただいております。ご縁があって治療を開始した以上は、すべての方に頭位へとなっていただきたいと思って治療をしています。改善が難しい方の原因も出産してみないとなぜ回転しなかったのかわからないもの。出産してもなおわからないものもあります。どうか、お早めに受診していただきたいと思います。
ですが、私は帝王切開を決意された患者さんの晴れやかな表情を忘れることはないと思います。
一番はやっぱり元気な赤ちゃんが産まれること。精進して治療をしていきたいと思います。

逆子症例10
海外で出産のため、
23週で来院!

2週間で帰国!23週で逆子の治療を目的に来院されたのは、これまでで最も早い来院です。
当院を訪れた理由は二つ。
1)可能であれば逆子を改善したい
2)逆子の改善の仕方を習って帰国して、帰国後に逆子の時に活かしたい23週は、まだまだ胎児は小さいため逆子、頭位、逆子を繰り返すことが予想できます。
小さいことで治りやすいが、逆子にもなりやすいという状態です。
そのため、「改善はできると思う。でもまた帰国して逆子も充分ありえるので、お灸もしっかりできるようになって、帰国後のフォローはメールでしましょう。」ということで治療をスタート。治療)腹部散鍼、三陰交、至陰へお灸
自宅施灸の指導 朝・夕 2回経過)1週間後に来院時に逆子改善を確認。
前日に検診で逆子を指摘されているため、前日から本日の間に改善したのでしょう。

コメント

23週での逆子の治療目的は、今後もないと思います。これまで継続来院されている方などで確認すればなくもないですが、予定はありません。
海外の出産事情は、国によっても異なりますが、出産後ではビザの手続きが難しいため海外での出産を決意されたということでした。安全な日本で産むべきか。産後の子連れでの渡航や手続きを考慮するべきか非常に悩ましいところでした。一旦これで逆子の治療はお休みし、帰国後はメールでの相談ということになりました。逆子症例11
36週1回の治療で改善36週で来院。
この時期になると、逆子の改善率がぐっと下がるため、「お灸を続けてやりましょう。」ただし、時間は限られていますし、出産予定の先生は、紹介状を書いて外回転術を受けることが可能な先生でしたので、「どうしても下かた出産したい場合には、外回転術も選択肢の一つだと思う旨を説明」1回の鍼灸治療後に、外回転術の相談をするため出産予定の先生に相談したところ改善が確認。

逆子症例12
34週5回の治療で改善しないため
外回転術を受診

34週で来院。第2子。
お腹を触ると、非常にやわらかく胎動もある。
第2子ということもあり、お灸で改善を期待して治療を開始するも5回の治療で改善がなく、主治医より外回転術に対する紹介状を書いていただき、外回転術の外来を受診。
エコー後にすっと回転し、頭位となる。

コメント

もともとのお腹の柔らかさに加え、お灸を改善したことによりさらに柔らかくなった。
しかし、最終的な頭位への改善は赤ちゃんの胎動によるところが大きいため、「もういつまわってくれてもいい。」という環境が整い、そこで改善が見られないケースは外回転術の恩恵を一番受けることができるのではないかと考えています。外回転術を受けないという決断も、受けるという決断も私たちは応援したいと思っています。

逆子症例13
33週より10回以上治療

33週で来院。第1子。
お灸を3日に一回行い、産休後は連日行うも改善せず、里帰り先で外回転術を受ける予定。
里帰り先で、検診時逆子が確認。5日後に外回転術を予定し、その日のエコーが頭位に戻っている。

コメント

里帰り後もメールで連絡を取りながら経過をお伺いしていました。外回転術当日まで、自宅でお灸は継続して取り組んでいただき、最後の最後で頭位という結果になりました。
本当に最後までわからないことを学んだ症例です。