緊急事態宣言解除に伴う当院の対応について

 
このたび、新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および感染拡大により生活に影響を受けられている皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
また、医療関係者をはじめ社会活動を支えてくださっている皆さまに感謝と敬意を表します。

田中はり灸療院は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、政府「新型コロナウイルス感染症対策本部」より発令された「緊急事態宣言」が一部地域で解除されたことを受け、診療方針を変更した上で診療を継続していきます。

今後も感染者の発生や患者クラスター(集団)を生み出さないために、政府の専門家会議が提言する「新しい生活様式」の実践について、スタッフ一同取り組んで参ります。

4月も鍼灸院は休業要請対象外

鍼灸院は、4月の緊急事態宣言後の休業要請は対象外であったため、この1か月間の間も診療を続けて参りました。

これは、私たちが有する資格が国家資格だということ。
また、保健所管轄の医療機関ということ。

この二つの理由から、コロナの感染を防ぎつつ、診療を継続する工夫をしてきました。

緊急事態宣言からの徹底してきたことは、数え切れませんが

一つは、コロナウィルスについて可能な対策を検討するにあたり知識をインプットを行い感染症対策を行う必要がありました。

その時に参考にしたのが、「新型コロナウィルス 職場の対策マニュアル」、この本です。
また、4月に開催されました日本感染症学会「 COVID-19 シンポジウム―私たちの経験と英知を結集して―」を通じて最新の医学情報を確認しながら、コロナ対策とコロナとどの程度の距離を取ることが必要なのかを検討してきました。

具体的にとった策としては、
「手洗い・手指消毒の徹底」
「マスクの着用」
「スタッフの出勤を制限」かつ「予約の制限」
「施術室の部屋を分ける」
「急な体調の不良の場合は治療をご遠慮いただく」
「付き添いの方のご来院をご遠慮いただく」
「待ち合いでの、待ち時間をなくす」

施術室1(ベッド6台)

施術室2(ベッド3台)
施術室3(ベッド1台)
※施術室3は、当ビルの3階

などを重視しながらの診療でした。

この実施項目だけを見ると、当たり前のことばかり書きならべていますが、

感じたことは、当たり前のことを当たり前にすることの大切さ。

もう一つは、その間に来院される患者さんと正しい医学情報を共有すること。

コロナウィルスは「空気感染ではなく飛沫感染だということ」
「PCR検査は実施すべきかどうか?」
「PCR検査そのものの精度だけでなく、医療のキャパシティを見ながら検査の数を調整する必要があること」

「検査結果が陽性と陰性で、その後の治療方法、自宅待機等の行動が変わらない限り検査が持つ意味はないこと」
「検査が持っている感度50%-70%とはどういう意味なのか」
検査の精度とともに考えなければいけないのは、そもそもどれぐらいの疾患割合があるのか。
人口10万人あたり、10000人(10%)なのか。1000人(1%)なのか。100人(0.1%)なのかによって、実は検査の意味は大きくことなること。
このような内容を患者さんと治療をしながら情報を共有してきました。

令和2年7月28日現在の方針

3月、4月と同じようなPCR検査陽性者が出ている中で、その頃と異なる点として、「重傷者数」、「死亡者数」は陽性者数と比例した増え方をしていない。

また、PCR検査陽性者という言葉と、感染者数は、実際には同義ではないことを考える必要がある。

検査陽性、検査陰性、疾患あり、疾患なしという2×2の表で医療者は考える。

コロナを1万人の人口当たり1000人の罹患数とすると罹患割合は10%
もし、1万人の人口当たり100人の罹患数とすると罹患割合は1%

PCR検査の感度は現時点では高くて70%程度と考えられており、検査結果の判断は慎重に行う必要がある。
感度:新型コロナウイルス感染症の方(疾患あり)で、PCR検査が陽性となる割合

特異度は、99%と仮定して以下の表を作成する。
特異度:新型コロナウイルス感染症の方(疾患あり)で、PCR検査が陽性となる割合

【罹患率が10%の場合】

疾患あり(1000人)疾患なし(9000人)
検査(+)700人90人
検査(-)300人8910人

【罹患率が1%の場合】

疾患あり(100人)疾患なし(9900人)
検査(+)70人99人
検査(-)30人9801人

二つの違いは、同じ検査をしているにも関わらず、検査が陽性に出た時に正しく疾患があると言えるかどうか。
陽性的中率に違いがある。

10%の罹患率では、88%(700/790)である一方、1%の罹患率では41%(70/169)となる。

現在の日本国内のコロナの罹患率はこの両者の間にあると考える。

検査陽性と感染者数には乖離があり、正しく情報を得る必要がある。

陽性者数が増えているにも関わらず、緊急事態宣言をしない理由としてはこういうところにある。

福岡の陽性者数も増加傾向にあるが、重症な患者さんは増加しておらず、
現在のコロナ対策は一定の効果があると考え、当院でも衛生管理に勤めながら、
かつ国内の陽性者、感染者情報を注視しながら治療方針を柔軟に対応していきます。

 

コロナウィルスと共に生きる

コロナウィルスに対してはワクチンなどの決定打はないために、終息という状況にはまだ時間がかかることが予想されます。

そのため、感染状況は地域ごとに観察しながら方針を柔軟に対応をしていくことが大切になってきます。
感染防止対策の徹底(消毒、施術者)をこれまで以上に徹底した上での治療を行っていきます。

その中で今後大切になってくるのが、鍼灸院の治療を望まれる方がどれだけいるか。
需要に応じた対応をしていく必要があります。

「適切な治療を安全に行う」
「治療の質を確保しながら、その先の未来のために経営を維持する」

患者様にお願いしたいことは、私たちは診療の状況に合わせて柔軟な対応をしていきます。

そのために、急性の症状(ぎっくり腰や、寝違え)については当日に対応をしますが、
その他の症状で悩まれている方に関しては、余裕を持って事前予約をお願いいたします。

予約状況に合わせて万全の体制を整えて当日の治療にあたります。

ご理解とご協力の程宜しくお願いいたします。

 

来院患者様へのお願い

院内はマスクの着用をお願い致します。(手作りでも可)

来院されましたらお手洗いで20秒以上手洗い、または手指の消毒のご協力をお願い致します。

施術中もマスクの着用をお願いします。

ご家族、お子様、親御様、ご友人等の同伴は当面の間ご遠慮下さい。

来院をご遠慮ください

37度を超える発熱のある方。

発熱が無くても、咳・鼻水の症状や、味覚、嗅覚の違和感があるなど体調がすぐれない方。

ご本人に症状があるなしに関わらず、ご家族に新型コロナウイルス陽性者がいらっしゃる方、または陽性者と接触した可能性のある方。

過去1ヵ月以内に海外渡航歴のある方(来院前にお電話でお問合せ下さい。)