田中はり灸療院について

鍼灸治療の「技」をつなぐ

私たちが代々受け継ぐべき鍼灸の形として、鍼治療「技術」があります。
当院では、日本式の鍼灸治療を行います。

昭和15年に田中僅悟が鍼術営業免許証を取得し、一度鍼灸院を開業し、その後、衛生兵として戦地へ。帰国後に福岡市中央区舞鶴(旧職人町)に鍼灸院を開業したのが当院の始まりです。

鍼灸治療は、『徒弟制度の中で各鍼灸院がもっている技術を伝承する』
これは鍼灸治療に限らず伝統工芸、伝統文化などが技術や文化を守り受け継ぐために日本で当たり前にあった形でした。

遠藤彰宏、遠藤真紀子の二人も幸い大阪時代には「米山鍼灸院」で米山由子先生をはじめ米山鍼灸院の考えを受け継ぎ活躍されている方々に出会うことができました。

また、田中はり灸療院でも田中僅悟、田中正治に出会うことができました。

私たち二人も技術を受け継ぎ、次の世代に襷をつなぐという使命感をもって日々行動をしています。

鍼灸で何ができるのか。
鍼灸師に何ができるのか。
今日も考え続けています。

外から「日本の鍼灸」見つめる


鍼灸師になって色んな経験をしてきました。

その中で、印象的な出来事としてドイツより毎年日本で鍼灸を学び、ドイツで日本の鍼灸治療を行っているピーター・ザルツマン氏との出会いです。

海外から日本に旅行に来る方によって、日本の文化が見直されるように、私たちが日常行っている鍼灸治療にどんな魅力と特徴があるのか改めて考える時間をもらいました。

中でも2010年、2014年、2016年と3度、米山榮先生(神経内科医、医師)を団長としてドイツのワイマールへ実際に行き、ザルツマン氏はもちろん、日本の鍼灸に興味を持っている医師や、治療家、学生と多くの方と一緒の時間を過ごすことができました。

「日本の鍼を使用することで、痛みがなく繊細な治療が可能」
「中国医学の臓腑経絡学とは違う角度で、長年にわたって神経生理学を含めた現代医学的な視点から鍼灸を学ぶことができた」

(ドイツワイマールにて 『日本の鍼灸』2014.8 米山榮、尾崎朋文、鈴木信、湯谷達、遠藤彰宏、川口眞知子、森香り)

問題解決をする

 

鍼灸治療という武器を私たちはもっています。

その武器をどう使う。
どこに使うか。

鍼灸以外にどんなことが必要なのか。

これは患者さんごとに異なります。

そのため丁寧に対話をすることで、問題解決の糸口を見つけ鍼灸を行っていきます。

身体の変化に合わせて、行動も変わるため、問題があった場所も移動をしていきます。
さらに対話を重ねることで、変化を起こしていきます。

「アートとサイエンス」

丁寧にわかりやすく

田中はり灸療院の一つの特徴として、鍼灸治療を含む東洋医学、中国医学に登場する「気」「血」「水」「陰陽」「五行(木・火・土・金・水)」という言葉をほとんど使いません。
ただ鍼灸治療を行うだけではなく、鍼灸治療が社会の中でどう評価され、一般化をしていくのかを考え、常に行動をしています。

患者さんにわかりやすい言葉で、情報をお伝えするために現代医学の知識で病気、お身体の状態、治療計画、経過予測を立てる努力をしております。

その際に、お話しさせていただく情報の根拠は、何かをできるだけ示せるようにしております。

「EBM(根拠に基づく医療)」

「EBM(根拠に基づく医療)」と訳されますが、エビデンスという点は、今後も必要な臨床の柱の一つであることは間違いありません。
そのため、各疾患についての情報収集は日々の日課となるほど文献や、医学書と向き合います。

一方で、エビデンス、エビデンスという言葉が広がりましたが、難しい点もわかってきました。
臨床研究の莫大なお金と、時間がかかる点、臨床研究のデザインの問題、製薬会社の利益追求などなどあげればいくらでも出てきます。

鍼灸もエビデンスを証明したいと世界中で研究されていますが、証明までにはまだまだ時間がかかると考えています。

一方で、「NBM(物語に基づく医療)」こちらはご存じない方もおられるかもしれませんが、「EBM」と対比してよく出される言葉です。
より個人個人を活かして治療を行っていくことを主としています。

鍼灸治療の大きな特徴は、個人個人の人に合わせて治療を行える点があります。

「サイエンス」と「アート」

鍼灸治療は「個人の技」に大きく影響をされてきたため、ある鍼灸院ではよくなったが、他の鍼灸院ではよくならない。
これは鍼灸治療が一つ技の伝承という形で古くは徒弟制度によって技術を伝えてきました。

当院でも同様です。

私たちが残したい鍼… 故田中僅悟(初代 田中はり灸療院院長)、故米山由子先生(大阪 米山鍼灸院)の鍼があります。
「心地よく身体に響き」「身体が温かくなることを実感」「治療中から眠ってしまう」
この鍼治療の技術は生涯に渡り追求していくことが私たちの使命であり、次の世代へとつないでいく必要のある技術だと考えています。

一方で、技術を追究するだけではありません。
より多くの方の希望を叶えるためには、高い再現性を求めています。

大きな影響を受けているのが「不妊鍼灸ネットワーク」「日本臨床鍼灸懇話会」
知識を集積し、技術を共有し、さらなる課題へと探求することで、より高いレベルでの再現性を求め研鑽しています。

どちらの会も共通している点は、これまで培ってこられた秘伝を包み隠さず「すべては患者さんのために」の精神で行動をしています。
当院でも参加や発表を繰り返しながら、より鍼灸治療をサイエンスへと近づける努力を行っております。

image71
「こだわるのは、鍼・灸だけではなく鍼灸院レベル」

よく聞かれる質問に3代で鍼灸院をしていると、「何か秘伝みたいなのがあるんじゃないの?」という質問を受けます。
またその院で同じ治療法、技術を伝承しようとしている鍼灸院もあるようです。
田中はり灸療院はそうではありません。

私たちは、常に挑戦者だと考えております。
時代の中で、鍼灸院に来院する方のニーズも大きく変わっています。

痛み治療が代表的だった時代が田中僅悟が開業した昭和20年代です。
鍼麻酔のブームなどもあり、さらに鍼灸治療の痛み治療へのニーズは拡大していきました。

この間に痛みへの理解は医学界でも大きく変わり、「局所」の痛みを訴えているところだけに目を向けるのではなく、患者さん「全体」という視点へと変化をしていくことで、痛みへの理解も深まってきたのではないでしょうか。

鍼灸院以外でも痛みをケアできる場所は増えてきたのではないでしょうか。

では、現在の当院の状況として大きな変化をしているのは、「不妊症」「突発性難聴」「顔面神経麻痺」「小児はり」があります。
以前は、20代で産みあげる時代で、不妊症はこれほど大きな社会問題ではありませんでしたし、体外受精という技術もありませんでした。

1978年体外受精ー胚移植をはじめ不妊治療は技術が大きく進化し、以前は子供を望むことができなかった方も妊娠・出産できる時代となりました。

一方で高度生殖医療も技術的には限界に近づいていると考えられ、妊娠率の上昇は一定のところで止まっております。そこで、鍼灸治療で新しい課題「卵子の栄養状態の改善(育卵)」「子宮内膜への働きかけ」「免疫寛容」「流産予防」などに鍼灸治療を応用することで、妊娠率の向上を目指し、高度生殖医療の補助医療として鍼灸治療を行っております。
11040301_738189786296050_7287115_n鍼灸だけではなく、超音波診断装置(エコー)での逆子の確認を行った上で治療を行う。今後は子宮内膜の観察などにも応用していきたいと考えていますが、より正確に!より再現性!をとった際には、診断装置の必要性を感じます。
「逆子なんです。」といって来院された患者さんが、すでに自然回転によって「正常位になっていますよ。」とお伝えできたときの笑顔は忘れることができません。
もし、この方にお灸をすればすでに逆子ではなかったのですが、お灸をする。産婦人科で正常位が確認される。「あのお灸のおかげだ!」となります。私たちはそんな偽りの名人になりたいわけではありません。必要な方に必要な治療を提供できる医療者でありたいとありたいと思います。

「突発性難聴」も同様です。難聴のレベルは評価が難しいため、必ず病院での聴力検査をお願いしています。また、当院でも確認ができるようにオージオメーターを完備し、治療を行っております。

耳鳴りの治療に対しては、鍼治療の効果は直後から変化するため有効性は実感していますが、聴力の回復を目的に鍼治療だけでは内耳の循環改善はスーパーライザーと比較するとスーパーライザーに軍配が上がるでしょう。

鍼灸だけにおだわっていたのでは、この難聴の方々を治療することは難しかったと思います。

私たちは鍼灸にこだわりは当然持っています。
その上でさらに鍼灸院にこだわりをもつ。
鍼灸師という私たち自身にこだわりをもつ。

この挑戦は生涯完成することはないと思います。
常に新しい課題を持つ患者さんと向き合いながら、ここにしかない鍼灸院。

ONLY ONEの鍼灸院を追及し続けたいと思います。

image22そんな思いを込めて当院の理念“BEYOND”(範囲や限界といったものを超える)として患者さんのためにを胸に歩み続けます。

当院の専門分野

 

不妊治療と鍼灸治療について

逆子と鍼灸治療(エコー完備)

 

椎間板ヘルニアと鍼灸治療

四十肩・五十肩の鍼灸治療

急性腰痛の鍼灸治療

顔面神経麻痺の鍼灸治療

突発性難聴と鍼灸治療