私たちの普段の思考過程「患者さんの疑問に応える」
私たちの普段の思考過程「患者さんの疑問に応える」
田中はり灸療院の遠藤彰宏です。
最近経験した患者さんの疑問
「めまいがないんですが、眼振が出ているので、めまいの薬を飲んでいます。」
さぁこれは「めまい」なんでしょうか。
「私めまいはないんです」
「めまいの薬を服用する必要はあるのでしょうか?」
実は「ここだけを切り取ってはいけない」
実は、「めまいがある」「めまいがない」というここは問題ではないんです。
「めまいの薬が出ているけど、めまいの薬ではない」
読み進めていただけるとこの謎が溶けてきます。
この患者さんは、「過去に難聴になった既往がある」
そして約20年後に、「反対側の耳が聴力が下がった」
ここで、「過去の聴力低下既往」と「最近の聴力低下」
この病歴は「突発性難聴なのか」「メニエル」なのか非常に迷う。
突発性難聴は、「原因が特定できない」かつ「急性の聴力低下」で原因は不明ながら内耳での炎症が考えられ抗炎症作用を狙って「ステロイド剤」が用いられる。
一方、「メニエル」の場合には一般的には「めまい」かつ「聴力低下」ではある。
これは症状から病名を考える場合には、この方法を用いる。
しかしながら、メニエルの原因には「内耳での浮腫(むくみ)」が原因で起こっていると考えられ「浮腫を改善する」ために、「利尿剤」を用いられる。
ここで、「突発性難聴」「メニエル」どちらの可能性が高いのかを知るために「めまいがない」時に耳鼻科医の先生が診察したのが「眼振を調べる」
この時に眼振は焦点が合わないように特殊なメガネをかけて、微細な眼振も観察できるようにしています。
その結果「眼振がある」という状態は、「メニエル」>「突発性難聴」と考えられ、「浮腫をとるための薬利尿剤が処方される」
その薬の説明には「めまいの薬」って書いてある。
「目的」「手段」として分けた時に、
目的:「内耳浮腫によって起こっている聴力低下を改善する」
手段:「浮腫を改善するために利尿剤を服用する」
これが「めまいの自覚がない」だけど「めまいの薬が処方されている」理由です。
できるだけ皆さんの普段の身体の不調に関する疑問をわかりやすく分解しながら説明できるように努力をしています。
まだまだ改善すべきところはありますが、普段からこのように医学的にどうやって論理的に思考するのか。
こういう見えないところにも課題意識を持ちながら取り組んでいます。
文責:遠藤彰宏
図解:TOCfE(教育のためのTOC)ロジックブランチ
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早く行きたいなら一人で行きなさい。
遠くへ行きたいならみんなで行きなさい
#1 遠藤真紀子 CEO (代表取締役社長) はり師 きゅう師 |
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