めまい
はじめまして、田中はり灸療院の遠藤彰宏です。
田中はり灸療院に来院する「めまい」の患者さんの特徴として、
1)突発性難聴発症時に、めまいを生じている方
2)めまい発症後から耳鼻科へ通院しており、いくらか軽減しているが、すっきりしない方
というケースを多く診療します。
めまいの症状で当院の鍼灸治療を検討されている方へ
「一般的なめまいの症状について」
「なぜ発症したのか」
「現在どういう状態にあるのか」
「鍼灸治療に何ができるのか」について
このWEB内では、できるだけ一般の方にわかりやすい表現になるよう努めておりますが、
症状やお身体のこと、鍼灸治療についてご不明な点等ありましたら、お気軽にお問合せください。
■突発性難聴(発症後1か月以内)でお困りの方はこちらも参考にしてください。
(田中はり灸療院の突発性難聴ページへリンク)
めまいとは
通常、人間の視覚・平衡感覚と固有感覚は一致しているものですが、それが崩れた時に起こるのが「めまい」です。
私たちの脳は目からの視覚の信号、内耳の平衡感覚を司る器官からの信号、手足や頚などの筋肉や関節からの知覚情報などを受け取って、自分の姿勢や運動を認識します。
この感覚の間に矛盾がない=めまいは起こらない、感じない。
内耳の調子が悪くなると、実際の体勢や動きとは異なる情報が内耳から発信されます。
その場合、実際に頭や身体は動いていないのに、それが動いた時と同じような筋肉の反射が起こります。
内耳からの情報は直接、脳にも伝わりますが、これらの誤った情報は現実の運動で生じたものとは異なるため、視覚や筋肉、関節から伝わる体の感覚と一致しません。
私たちはこのような複数の感覚情報の不一致・アンバランスを「めまい」と自覚するのです。
めまいを大きく分類する時、代表的なものとして
『回転性めまい(vertigo)』と『浮動性めまい(dizziness)』の2種類に分ける事ができます。
『回転性めまい(vertigo)』
いわゆる「目が回る」という状態。天井や壁がぐるぐる回る。
「外界が自分の周りを回っている、もしくは空間の中で自分が回っている」。
遊園地のコーヒーカップで回り過ぎた時のような「頭や身体がぐるぐる回る感覚」。
身体が片側へ引っ張られるかのように傾いていく。
『浮動性めまい (dizziness)』
「ふわふわする」めまい。地に足がつかないような不安定さ、身体がふらついて倒れそう。ゆらゆらしている感じ。
当院では、このような表現で不調を訴える方に多く出会います。
患者さんにとって「めまい」を正確に表現することは難しく、医療者側がめまいの状態や病歴を診る、身体診察を行うなどして、丁寧に分類をする必要があります。
※他に、激しいめまいが続いて動けない、めまいと共に意識が遠くなる(失神する)、呂律がまわらない、しびれや痙攣が伴うものなど、すぐに病院で医師の診察・治療が必要なめまいがあるので注意が必要です。
※脳の病気で「めまい」を感じるケースもあります。この場合は医師の診察・治療が必要です。
末梢性めまいの随伴症状と推定診断の関係
めまいの診断をする際、それが末梢性めまいか、中枢性めまいかを、鑑別することが大切になります。
回転性のめまいを伴うものが「末梢性めまい」です。
患者さんの症状 | 初期診断 |
聴力低下なし+一時的な回転性めまい | 良性発作性頭位変換眩暈症 |
聴力低下なし+持続的な回転性めまい | 前庭神経炎 |
聴力低下あり+一時的な回転性めまい | メニエル病 |
聴力低下あり+持続的な回転性めまい | 迷路炎 |
その他に
「いつ、めまい感が生じるか」
・早朝に生じやすい
・頭を動かした時
「他の神経症状はないか」
・筋力低下
・発語困難
・複視(ものが二重に見える)
などが診断の参考になります。
鍼灸治療が適応といわれているものは、主に末梢性めまいの「良性発作性頭位変換眩暈症(BBPV)」や「メニエル病」とされています。
内耳のトラブルで起こるめまいの内、「良性発作性頭位変換眩暈症(BBPV)」によるめまいが6割以上、メニエール病によるものは2割以下、といわれています。
この他に、頚や肩のこりからくる「頚性めまい」が鍼灸治療適応とされています。
良性発作性頭位変換眩暈症(BPPV)
回転性のめまいを伴う末梢性めまいの一つに「良性発作性頭位変換眩暈症(BPPV)」があります。(以下、BPPV)
このBBPVの発症のメカニズムをごく簡単に言うと、耳の奥に内耳といわれるエリアがあり、ここに身体の平衡感覚を司る耳石器という部分があるのですが、
そこから「耳石」といわれる炭酸カルシウムの微細な粒が剥がれ落ち、この粒が三半規管に入り込むことが原因です。
三半規管も同じく身体の平衡感覚を司る器官。
この中はリンパ液で満たされており、私たちの頭の動きに応じてリンパ液が三半規管の中を流れています。
私たちはこのリンパ液の動きを感知しながら体のバランスをとっていますが、耳石がリンパ液に入り込み浮遊することでリンパ液の流れが乱れ、
実際の身体の傾きと内耳の感知にズレが生じるために、めまいが起こるのです。
後半規管型良性発作性頭位めまい症(半規 管結石症)の診断基準
A.症状
1.特定の頭位変換によって回転性あるいは動揺性のめまいがおこる。
2.めまいは数秒の潜時をおいて出現し,次第 に増強した後に減弱ないし消失する。めまいの持 続時間は1分以内のことが多い。
3.繰り返して同じめまい頭位をとると,めま いは軽減するか,おこらなくなる。
4.めまいに随伴する難聴,耳鳴,耳閉塞感な どの聴覚症状を認めない。
日本めまい平衡医学会の BPPV の新診断基準9)
『良性発作性頭位めまい症』今井 貴夫Equilibrium Res Vol. 79(4) 293-301,2017
メニエル病のめまい
めまいを伴う疾患として広く知られているものに、メニエル病があります。
メニエル病は内耳を満たしているリンパ液が増え、聴覚に関与している「蝸牛」や平衡感覚を司る三半規管・耳石器に、リンパ液が過剰に溜まることで起こります。
代表的な症状としては、激しい回転性のめまい(中にはフワフワとしためまいを訴える方もあります)と共に耳鳴りや難聴などの聴力の低下、耳閉塞感、吐き気などを『繰り返す』があります。
めまいの持続時間は10分を超える程度から数時間単位と、他のめまいと比較して長時間続くことが特徴です。
必ずしも、めまい=メニエル病ではない。
メニエル病の診断基準には、難聴、耳鳴り、耳閉塞感などの聴覚症状を伴うめまいを『長期に渡り』『何度も繰り返す』ことが挙げられています。
この『繰り返す』という点がメニエル病の大きな特徴であり、診断基準の大きな要素になります。
頚性めまい
まだ広く一般的に知られていないのが「頚性めまい」です。
頚や肩のこりが原因で起こるめまいのことで、これは、めまいを訴える方の中には酷い肩こり~頚部痛(頚の痛み)を併発している方が多く、
そのような方々の頚部を治療するとめまいが軽減したことが多かったことから、認知されるようになってきました。
頚部の筋肉の中で何が起こっているのか?については様々な推察がされていますが、
肩~頚部の過緊張=こりが、頚部の筋肉やそこにある自律神経などの神経系に影響し、めまい、頭痛や頭重感、不眠や入眠困難など、不快な体調不良が起こることが
言われています。
頚部には自律神経の神経節があります。
頚部の過度な筋緊張が交感神経を過剰に刺激 → 血管を収縮させるため血液の循環が悪くなる → 内耳の血流が滞る → 内耳の環境に異常=めまいが起こる
ということが考えられています。
長時間のPCやスマートフォンの利用や運転、仕事や日常生活において長時間偏った姿勢を取るなど、現代の日常的な身体の使い方が頚肩に負担をかけ、
結果として、こりからのめまいに悩む方が増えているのかもしれません。
鍼灸治療にできることは何か
編集中です。
#1 遠藤真紀子はり師 きゅう師 |
#2
遠藤彰宏
CDO
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あん摩マッサージ指圧師
#3
竹永百華
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小坂知世
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#5
福地弓子
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#6髙田良子
受付/事務
当院で30年勤務
どんなに昔の方からお電話をいただいても
「〇〇さんお久しぶりですね」
この安心感に私たちは支えられています。
当院のレジェンドです。