突発性難聴の「聴力の程度」どう見る?

突発性難聴の「聴力の程度」
どう見る

突発性難聴のように、急に耳が聞こえにくくなる病気では、「どれくらい聞こえにくいのか」を正しく評価することがとても大切です。

そのために行うのが「聴力検査」です。

聴力検査の見方について語る前に、まず聴力検査でよく出てくる Hz(ヘルツ)dB(デシベル) の意味を簡単に説明させていただきます。

【Hz(ヘルツ)= 音の「高さ」を表す単位】

音には、高い音や低い音がありますが、この音の高さ(周波数)を表す単位が Hz(ヘルツ) です。

周波数 具体的な音の例
125Hz トラックの走行音などの地響きのような低い音
500Hz 男性の低い声、エンジン音など
1,000Hz 普通の会話の声
4,000Hz 女性や子どもの高めの声、小鳥のさえずり
8,000Hz とても高い音、金属のこすれる音など

【dB(デシベル)= 音の「大きさ」を表す単位】

音の大きさや聞こえにくさを表す単位がdB(デシベル)です。

この数値が大きくなるほど、「大きな音でないと聞こえない」という意味になります。

聴力レベル(dB) 意味・日常での例
0〜25dB未満 正常な聴力
→ささやき声も聞こえ、日常生活に基本不自由しない
25〜40dB 軽度難聴
→静かな会話が聞き取りづらい
50〜70dB 中等度難聴
→普通の会話や大き声が聞き取りづらい
80dB以上 高度~重度難聴
→大声でも聞こえにくい、補聴器を用いる人もいる
聴力と難聴のレベル30ー40デシベルが軽度難聴、40-70デシベルを中等度難聴、70デシベルを高度難聴

これらの「音の高さ(Hz)」と「聞こえの程度(dB)」を組み合わせて評価するのが聴力検査です。

では、実際にこの検査結果をどうやって数字で評価するのか、代表的な方法をご紹介します。

(1) 全周波数平均値

125Hz〜8000Hzまで、合計7つの周波数すべての数値を平均して、聴力を表す方法です。

この方法では、「どの周波数が特に悪いか」ではなく、全体としての聴力の低下の程度を把握することができます。

(2) 5周波数平均値

125Hzと8,000Hzを除いた5つの周波数(250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hz)の平均を出す方法です。

こちらも全体としての聴力の低下の程度を把握することができます。

両端の周波数(125Hzと8000Hz)は測定誤差が出やすく、実際の日常生活では聞かない音のため、両端の周波数を除外した方法です。

(3) 3分法・4分法(言語帯域3周波数平均値)

言葉の聞き取りに特に関係の深い500Hz、1000Hz、2000Hz の3つの周波数の数値を単純に平均する方法です。

この3分法は、日常生活での聞こえの不便さ(ハンディキャップ)を簡単に表すのに役立ちます。身体障害者手帳や年金申請などにも用いられることがあります。

3分法と同じく、500Hz、1000Hz、2000Hzを使いますが、
1000Hz の音は特に大切なので、その数値を2倍してから計算するのが「4分法」です。

3分法の計算式:
(500Hz + 1000Hz + 2000Hz)÷ 3

4分法の計算式:
(500Hz + 1000Hz×2 + 2000Hz)÷ 4

この方法は、より正確に「言葉の聞き取りやすさ」を反映しようと工夫されたものです。

実際には3分法と大きな違いはありませんが、法的な診断書ではこちらが使われることもあります。

(5) 6分法(4周波数6分法平均聴力レベル)

労災保険で障害の等級を決めるときに使われる方法です。

500Hz〜4,000Hz の4つの周波数を使いますが、間の1000Hzと2000Hzを2倍にしてから平均を出します。

計算式:
(500Hz + 1000Hz×2 + 2000Hz×2 + 4000Hz)÷ 6

これも「言葉を聞き取る力」に重みを置いた方法です。

(6) 低音域・高音域3分法

低音3分法:125Hz、250Hz、500Hz の平均
 → 低音型突発性難聴などで使います。

高音3分法:2000Hz、4000Hz、8000Hz の平均
 → 職業性難聴や加齢による難聴などに使います。

まとめ

突発性難聴の診断や治療には、聴力の評価がとても大切です。

どれを使うかは目的によって変わりますが、それぞれの方法に意味があります。

特に早期の対応が重要な突発性難聴では、正確な聴力の把握と適切な治療が、予後を大きく左右します。

自分の聴力データがどのように評価されているのか、少しでも理解が深まればと思います。

(文責 竹永百華)

参考本:よくわかるオージオグラム 筆者:立木孝、村井和夫

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