妊活に有効なサプリ「ビタミンD」

妊活に有効なサプリ
「ビタミンD」

ビタミンDは妊活においてもとても大切な栄養素です。

当院でも、「何かサプリでおすすめはありますか?」と問われた時にビタミンDのお話をすることがあります。

 

ビタミンDは不妊治療専門病院でも血中濃度を測定していますが、なぜこれが大事かご存知ですか?

 

ビタミンDは骨を作るビタミンとして知られてきましたが、
最近では抗癌作用や免疫疾患の発病に関与したり、妊娠出産の際にも大事な役割があることがわかってきました。

子宮内膜の環境を整え
受精卵の着床を助ける

ビタミンDは子宮内膜の免疫機能にも影響を与えます。

 ⚫️T細胞→Th1の細胞障害活性を弱めてTh2優位の状態へ導きます。

Th(ヘルパーT細胞)は、産生するサイトカインの種類によってTh1とTh2に分類され、それぞれが免疫バランスを維持しています。

  • Th1は細菌やウイルスに対する細胞性免疫を担当し、IFN-γを産生してマクロファージや細胞傷害性T細胞を活性化します。
  • Th2体液性免疫を担当し、 産生してB細胞による抗体産生を促します。

Th1が過剰になると炎症や自己免疫疾患が、Th2が過剰になるとアレルギーが引き起こされます。Th1とTh2は互いに抑制し合いながらバランスを取っています。

妊娠中はTh1が抑制され、Th2が優位になることで、母体が胎児を免疫攻撃せず、妊娠が維持されます。

 ⚫️制御性T細胞(Treg)の分化を促しTh17のIL-17産生を減少させ、Th17の機能を抑制しています。

妊娠中、母体の免疫系は胎児を異物と認識しつつも、免疫寛容を維持しています。この免疫寛容には制御性T細胞(Treg)が重要な役割を果たし、Th17のIL-17産生を抑制することで炎症や拒絶反応を防いでいます。

しかし、胎児の染色体が正常な流産例では、着床部(基底脱落膜)でTreg(特に抑制活性の高いeffector Treg)が減少しており、免疫寛容が破綻している可能性があります。

出産率を高める

ビタミンD濃度とIVFの成績

ビタミンD不十分
→ 25(OH)D 濃度が20〜30ng/mlで出産率23.2%

ビタミンD不足
→ 25(OH)D 濃度が20ng/ml未満で出産率27.0%

ビタミンD十分!
→ 25(OH)D濃度が30ng/ml以上で出産率37.7%

上記3群に分けて不足、および不十分な方と比べて、
十分な方は出産率が高いことがわかります。

ビタミンDの酵素と受容体が子宮内膜で発見されていることから、受精卵の着床にはビタミンDが重要な役割をしていると考えられています。

出典 Vitamin D and assisted reproductive treatment outcome: a prospective cohort study.

健康リスクを軽減する

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを高めることも報告されています。

  • 妊娠初期・中期にビタミンDが不足している女性は、妊娠高血圧症候群のリスクが高まる可能性が示唆されています。
  • 25(OH)D(血中ビタミンD濃度)が低いと、血管内皮機能の低下や炎症の増加を引き起こし、妊娠高血圧発症につながる可能性があります。

Vitamin D Levels in Early and Middle Pregnancy and Preeclampsia: A Systematic Review and Meta-Analysis

赤ちゃんの健康にも
影響を考える

妊娠前に止まらず、妊娠中・出産後も、とても重要なビタミンです。

妊娠中のビタミンD不足は、赤ちゃんの骨の発育不全や免疫力の低下とアレルギーや喘息のリスクが高まる可能性があります。

妊娠後期から授乳期にかけて、母体のカルシウム代謝は大きく変動します。

胎児の骨形成には母体からのカルシウム供給が必要で、特に分娩6週間前には1日300~500mgが供給されます。

妊娠後半では活性型ビタミンDが非妊娠時の約3倍に増え、胎盤でも産生されます。白いベッドで眠っている小さな赤ちゃん

授乳期には母乳を通じて1日220~340mgのカルシウムが供給されますが、この時期は胎盤からのビタミンD供給がないため、母体は自らの骨のカルシウムを利用します。

乳児の体内ビタミンD量は母親のビタミンD量によって決まります。

特に、妊娠中期の母親のビタミンD量は新生児の成長に関係するため、不足しないように注意が必要です。

子供のクローズアップされた小さな手と母親と父親の手のひら。生まれたばかりの赤ちゃんは、出生後に親の指をしっかりと握っています。新生児がお母さんの指

どれくらい飲めば良い?

諸説ありますが、1000IU/日 が推奨されています。(25μgは1000IU)

日本では厚生労働省の推奨量→5.5μg/日(耐用上限量100μg)
米国科学アカデミー医学研究所での推奨量→15μg/日

推奨量が全然違いますね。
これは
・日本では食事による平均摂取量7.5μg/日
・日光にも恵まれている

上記の理由で米国と推奨摂取量に大きな差がありました。

しかし、実際は日焼け止めを使用し、太陽光を避ける生活のためビタミンD合成は少ない予想です。

女性の顔に sunscream を適用することのクローズ アップ

米国内分泌学会が発行した2021年のガイドラインによると

最適な血中ビタミンD濃度を30ng/ml以上とし、常にその数値を上回るようにするには

成人で最低1500〜2000IU/日
小児及び青年で 1,000IU/日

のビタミンDを補充する必要があると報告されています。

食べ物や日光浴だけで足りるのは理想ですが、日々の生活でなかなか充足させるのは難しいようです。

イギリスの研究ですがビタミンD濃度が充足していのはわずか16%というデータが出ています。

日本においても男女分けたデータで充足しているのは男子20%・女子10%と、特に女子にビタミンD不足が見られれる傾向がありました。

健康的な生活を心がけつつ、足りない分は積極的に補うと良いでしょう。

(文責 遠藤真紀子)

参考文献

高齢不妊診療ハンドブック 編集 太田邦明 森本義晴

Vitamin D and assisted reproductive treatment outcome: a prospective cohort study.

妊娠初期および中期と妊娠中毒症におけるビタミン D レベル、系統的レビューとメタ分析

しんきゅうコンパス

田中はり灸療院の口コミ・感想をもっと見る

予約方法

電話予約またはWEB予約
移植直前等、すぐに予約をしたい場合には電話でのお問い合わせをお願いいたします。
WEB予約では予約ができない表示の場合にも直前のキャンセルが出た場合など対応が可能です。

【完全予約制】

092-751-0227

WEB予約
(外部リンクへ)

STAFF
早く行きたいなら一人で行きなさい。
遠くへ行きたいならみんなで行きなさい。

#1
遠藤真紀子
CEO
(代表取締役社長)
はり師
きゅう師

#2
遠藤彰宏
CDO
(最高デザイン責任者)
はり師
きゅう師
あん摩マッサージ指圧師

#3
竹永百華
はり師
きゅう師

#4
小坂知世
はり師
きゅう師

#5
辻尚美
はり師
きゅう師

#6
福地弓子
Cabin attendant

#7
髙田良子
受付/事務
当院で30年勤務
どんなに昔の方からお電話をいただいても
「〇〇さんお久しぶりですね」
この安心感に私たちは支えられています。
当院のレジェンド。