なぜ、鍼灸院に「チームビルディング」が必要なのか?

~「一人の天才」より「全員のプロフェッショナル」が、あなたの健康を守り抜く理由~

田中はり灸療院の遠藤彰宏です。

あなたは鍼灸院を選ぶとき、何を基準にしていますか? 「口コミで評判の凄い先生がいる」「あの先生はゴッドハンドだ」 そういった「一人のカリスマ」を求めて来院される方も少なくありません。

もちろん、卓越した技術を持つ個人の先生は素晴らしい存在です。 しかし、当院はあえて、一人の天才に頼るのではなく、**「チームビルディング(組織的な治療体制)」**を構築するという、険しい道を選びました。

なぜなら、それが**「患者様が最短で回復し、その後の人生を長く守り続けるための、最も確実な手段」**だと確信しているからです。

今回は、当院がなぜこれほどまでに「チーム」にこだわるのか。その理由と、患者様が得られる具体的なメリットについて、私たちの決意をお伝えします。


1. 「一人の限界」を「チームの集合知」で突破する

結論:一人の経験値には限りがありますが、チームで知恵を出し合えば、解決策は無限に広がります。

鍼灸の世界では長らく、「師匠と弟子」あるいは「一匹狼」の文化が根強く残ってきました。 しかし、現代の複雑化した健康問題(突発性難聴、顔面神経麻痺、原因不明の不調など)に対し、たった一人の知識と経験だけで立ち向かうことには限界があります。

「三人寄れば文殊の知恵」を医療の現場へ

一人の鍼灸師が一生に出会える症例数には限りがあります。 また、どんな名医であっても人間である以上、「自分の得意なパターン」に当てはめて診てしまうバイアス(思考の癖)を完全になくすことはできません。

当院では、複数のスタッフが多角的に検証する仕組みを持っています。

  • 一人の視点: 「このツボが効くはずだ」

  • チームの視点: 「解剖学的にはこちらの神経アプローチも有効では?」「生活背景を見るとメンタルケアも必要かもしれない」

このように、それぞれの専門性(女性疾患、神経痛、メンタルケアなど)を持ったメンバーが意見を交わすことで、**「一人では気づけなかった最適解」**へ、最短ルートでたどり着くことができます。


2. 患者様にとっての「チーム医療」3つの約束

結論:担当者の不在や技術のばらつきを無くし、常に「田中はり灸療院品質」の医療を保証します。

「担当の先生が変わると治療方針が変わるのが怖い」 「先生が体調を崩したら、私の治療は止まってしまうの?」

こうした患者様の不安(リスク)を、私たちはチームの力で引き受けます。

① 「情報と想い」の完全な共有

私たちは単に電子カルテの文字情報を共有するだけではありません。 「どのような言葉かけで安心されたか」「痛みの質はどう変化したか」といった微細なニュアンスまでを共有しています。

誰が担当しても、あなたの身体の歴史と現在の状態を深く理解した上で、一貫性のある治療を提供します。

② それぞれの音色が重なる「オーケストラ」のような治療

私は当院のスタッフをよく「オーケストラ」に例えます。 バイオリンにはバイオリンの、チェロにはチェロの役割があるように、スタッフ一人ひとりに異なる「強み」があります。

これらがバラバラに動くのではなく、一つの「治癒」という目的に向かって連携することで、ソロ演奏では決して出せない厚みのあるサポートが可能になります。

③ 継続可能な安心の提供

個人院では、先生の怪我や病気、あるいは引退によって、突然「かかりつけ」を失うリスクがあります。 組織として運営されている当院ならば、そのような心配はありません。私たちがチームであることは、患者様にとっての「永続的な安心」の担保でもあります。


3. 私たちが実践する「共に育つ」文化

結論:スタッフが失敗を恐れず挑戦できる環境こそが、医療技術の革新を生みます。

当院では、定期的に全員参加の研修・カンファレンス(症例検討会)を行っています。 売上よりも教育を優先するこの時間は、私たちの誇りです。

心理的な安全性が「気づき」を生む

上下関係が厳しすぎる組織では、若手がベテランに意見できず、重要な「気づき」が見過ごされることがあります。 当院では、「上司・部下」という関係よりも「共に患者様を治す仲間」としてのフラットな関係を重視しています。

若手の鋭い感性と、ベテランの豊富な経験。 双方が遠慮なく意見を交わし、失敗を責めるのではなく「次はどうすれば良いか」を建設的に議論する文化(心理的安全性)があるからこそ、私たちは常にアップデートし続けることができるのです。


最後に:遠くへ行きたいなら、みんなで行こう

私には、大切にしているアフリカの諺(ことわざ)があります。

「早く行きたいなら一人で行きなさい。遠くへ行きたいならみんなで行きなさい」

目先の痛みを取るだけなら、一人の技術でも可能かもしれません。 しかし、患者様の人生という長い旅路を支え、心身ともに健やかな未来へ導くには、チームとしての持久力と対応力が不可欠です。

田中はり灸療院には、あなた一人のために知恵を絞り、全力を尽くす「チーム」が待っています。 私たちがチームビルディングに情熱を注ぐのは、すべて**「あなたに元気になってもらいたい」**という一点のためです。

一人の限界を超えた、組織としての温かく力強いサポートを、ぜひ体験してください。 私たちが、あなたの健康のパートナーとして伴走できることを楽しみにしています。


FAQ

Q1. 担当の先生が毎回変わるのでしょうか?
A. 基本的には専任の担当者がつくケースが多いですが、症状や経過に応じて、その分野を得意とする別のスタッフが担当、あるいは連携して治療にあたる場合があります。どのスタッフが担当しても、詳細なカルテ共有とカンファレンスにより、一貫した質の高い治療を提供しますのでご安心ください。

Q2. チーム制だと、個人的な悩みが他のスタッフに知られるのが心配です。 A. 医療従事者として守秘義務を徹底しておりますので、外部に情報が漏れることは決してありません。院内での情報共有は「治療効果を高める目的」に限定し、必要な範囲でのみ行われます。もし共有してほしくない特段の事情がある場合は、担当者に遠慮なくお申し付けください。

Q3. 遠藤先生の施術を受けたい場合は指名できますか?
A. はい、可能です。ご予約時にお伝えください。ただし、私もチームの一員として動いておりますので、初診時の診断や治療方針の決定に関わり、実際の施術は信頼できるスタッフと連携して行う場合もございます。どの形であっても、私が責任を持ってチーム全体であなたの治療を監修・サポートいたします。

院情報・アクセス

  • 名称: 田中はり灸療院

  • 住所: 福岡県福岡市中央区天神3丁目12−12 天神田中ビル 2階

  • 執筆者: 遠藤彰宏(はり師・きゅう師)

  • 専門: 顔面神経麻痺、突発性難聴、耳管開放症、男性不妊、各種神経痛 他

  • URL: https://tanaka-harikyu.jp/ (文責 遠藤彰宏)