突発性難聴

田中はり灸療院スタッフの体験より

当院と突発性難聴

田中はり灸療院のWEBページをご覧いただき、ありがとうございます。
当院スタッフの福地です。

冒頭の聴力検査表の写真は、私自身が突発性難聴を発症後2週間の服薬と鍼灸+スーパーライザー治療を続けながら耳鼻科を受診した際のものです。
向かって左から右へ、グラフを見ると聴力が順調に回復していることが分かります。

当院では様々な症状の診療を行っておりますが、
近年お会いすることが多いのが突発性難聴、メニエルといった急性の聴力低下、また耳管開放症や耳管閉塞症など、耳のつまり感や耳鳴りといった耳鼻科症状に悩む患者さんです。
当院が耳の症状を多く診ている、という特殊な環境にあるということもありますが、年々耳鼻科疾患の患者数が増えているのが実情です。

【突発性難聴は急性期(早期)の治療開始がより効果的】

「耳の調子がいつもと違う」「変だ」と感じたら、そのままにしないですぐに耳鼻科を受診することが肝要です。
合わせて当院の鍼灸とスーパーライザーの併用治療にお越しいただけると、よりスムーズな症状改善を目指すお力になれると、
私どもは考えております。

今回、当院スタッフである私が突発性難聴を経験をすることとなりました。
発症時の状況や耳鼻科でのお話、当院での治療についても綴っていますので、参考になれば幸いです。

突然の違和感

2022年12月28日深夜
突然、右耳に大音量の耳鳴り。ほんの一瞬。経験したことの無い、大きくて不快な音に驚きました。

子供の頃は中耳炎を起こしやすかったし、大人になってからも飛行機に乗れば航空性中耳炎になることもしばしば。
元々、右耳がトラブルを起こしやすい自覚はありました。
今も日常的に耳鳴りがありますが、今回のは全く違う、と感じました。
嫌な予感。
そういえば。
「突然、大きな音(耳鳴り)がして、そしたら・・・」と話していた患者さんがいたことを思い出しました。
そして、当院に来られる突発性難聴の患者さんには40代~60代の頑張り盛り世代が多くいらっしゃる、私も年齢的にはまさにそのゾーンにいます。

当院でお会いする患者さんから聞いていたお話を思い返しながらも「まさか」。
「明日の朝には何も無かったようになっているかもしれないし・・・」そう思いたかったのかもしれません。

発症後、耳鼻科と鍼治療&スーパーライザー

翌29日朝
朝起きると、耳の中に何かくぐもったような、いわゆる「耳閉感」がある。
音はいつも通りに聴こえる(と感じている)し、聴こえ方に大きな異変は感じない。
ただ、右耳にいつもと違う感じというのか、なんともいえない不快感。

出勤後、「今すぐ耳鼻科を受診する方がいい!」と言われ、近隣の耳鼻科を受診。
年末ですでに天神の耳鼻科は休診に入ってしまったところが多い。

google mapを使って今日診療している耳鼻科を検索しながら、歩き回りました。
この耳鼻科クリニックは診療している、ここは当院を受診している方もいらっしゃるし、と、とある耳鼻科を受診。

聴力検査の結果、右耳の突発性難聴の診断。
聴力検査表が示すグラフは明らかに右耳の聴力が下がっているのですが、自覚は全く無し。
本人としては、十分聴こえている(と思う)。
ただ、特定の高音だけが耳の中で雑音のように響くのは今までになかったこと。
(どうやらこれを聴覚過敏というのか、耳の違和感を言語化することは非常に難しい!)

医師から処方された薬を服用を開始。
ステロイド、ビタミン12、血管拡張剤、胃薬など。
発症からの7~10日間に薬を飲むことが治療効果に繋がるため、処方された期間をしっかり飲み切るようにアドバイスされる。

終業後、当院で鍼とスーパーライザーの治療を受ける。
耳の症状には頚の筋肉、胸鎖乳突筋などを鍼治療して滞っている血流を改善、自律神経を整えることも効果的とされる。
(個人の感覚にはなりますが、頚や胸鎖乳突筋を緩めることは私にとっては効果があると感じました。それに何より、心地良い!)
薬と鍼治療の相乗効果なのか、気づくと耳の不快な感じは消失。朝感じた高音の反響も無くなった。

30日も午前中は鍼灸院で勤務だったので、スーパーライザーを照射。

年末年始を挟んでちょうど1週間後に耳鼻科で検査の予定。
鍼灸院も休みに入るので、次回の鍼治療は年明けの出勤日に受ける事にする。

耳鼻科の薬と鍼治療が効いたのか、その後は問題なく年末年始の休みを過ごす。
医師からのアドバイスの「睡眠、休養をしっかりとる」を実践。

初診から約1週間

2023年1月4日
初診から1週間後の聴力検査に耳鼻科へ。医師より、かなり改善しているが充分ではないとのことで、
もう1週間処方の追加あり。さらに1週間後、聴力検査を受けることになる。

翌1月5日
仕事始め。
当院の鍼灸とスーパーライザー治療を受ける。
1週間後の聴力検査まで出来る事をしようと、スーパーライザー照射を続けることにする。
耳の不快感はゼロ。慣れ親しんだ耳鳴りは時折あるが、わたしにとってはいつもと同程度のものなので、不安は無い。

治療終了

2023年1月11日
耳鼻科で3度目の聴力検査。冒頭の一番右の検査表が最終結果で、左右の聴力がほぼ同程度に揃っていることが分かる。
「治っている、ということでいいでしょう」と医師より。

検査表の数値と、普段と違う耳の不快感は突発性難聴であることを示していましたが、
発症から改善まで、私自身は〈聴力が落ちている〉という自覚は全くありませんでした。

これを考えると
・人によって、症状の度合いによっては発症にすら気づかない
もしくは
・症状が進行してからやっと気づく
が起こるということなのか。
治療に来られる患者さんから聞いてきた、様々な話が思い出されます。

そして、自身の症状の経過を振り返ると、やはり。
・発症後は出来る限り速やかに耳鼻科を受診し、治療をスタートする。
・「耳鼻科受診と服薬と鍼治療」を併用する。
が、突発性難聴の症状改善をとてもスムーズにしてくれたと思います。

もちろん人によって症状の重さは様々で、辿る経過も様々です。
全ての方が同じ結果を得られるというわけではない。
それでも共通していることが一つあるとすると、
当院に治療に来られる患者さん方が口々に仰っていることですが
「少しでも良くなるために、出来ることはないか」
その選択肢の一つとして、鍼灸治療がある。
その選択肢として、当院の鍼灸+スーパーライザー治療があると思います。

座談会

遠藤:
年末ギリギリに突発性難聴になって、大変だったよね。
「これは突発性難聴かもしれない」とすぐに疑った?

福地:
耳の症状をたくさん診ている鍼灸院にいるからこそ「もしかしたら」と感じましたが、
そうでなければ気づかなかったか、何となくそのままにしていたかもしれない。
私の場合はそれくらい微妙な感じでした。

遠藤:
微妙な変化や異常だと、そのままやり過ごしてしまう人は多いだろうと想像できる。
それに仕事や家事で忙しいと「あれ?」と思っても、つい後回しになるというか、気づかずに時が経ってしまう人はいるかもしれないな。

福地:
そう思います。
私も「実はなんともないんじゃない??」と迷いました。
遠藤先生に「今すぐ開いている耳鼻科へ行っ来て!」と言われて助かりました。
あの一言で危機感が生まれました(笑)。年末に開いている耳鼻科を探さないといけなかったので、余計に焦って素早く行動して、
それが早期の診断と治療の開始に繋がって、結果、回復までがほんとにスムーズになったということですね。

遠藤:
今回はそのお蔭だね(笑)
患者さんにもお伝えしていることだけど、とにかく早めに耳鼻科の診察と検査で「突発性難聴が起こっている」が分かることで、薬だったり鍼治療だったり、必要な手立てがスタートできるのは大きい。
その意味でも、まずは耳鼻科で診察を受けることは必要だと考えている。「早期治療の重要性」
もう一つは、今回のが突発性難聴かどうかは、正直私にはわかりません。
急性の聴力低下には他の疾患も多くあるので。ただ医療者として大切にしていることは、「空振りは恐れるな」という心構えです。
もしかしたら聴力低下も無いのかもしれない。でもそれは結果的に、何も無かったことが分かる、ということなので、それでいいと思って送り出しています。
もし「今日は鍼灸院が忙しいから行けない」とでも言えば、引きずってでも行かせてます。
それぐらい早期診断、早期治療が大切だと思って、鍼灸を行っています。

ところで、これぐらいの聴力低下だと気づかずに健康診断ではじめて聴力低下を指摘されたりする人がいるけど、
実際に右耳の聴こえが良くないという自覚はあった?

福地:
それが全く無かった、というのか、気づかなかったというのか。
人の話し声や音は普通に聴き取れていたので。
ただ、右耳の奥に何か腫れているような不快な感じがありました。
あと、耳鼻科で診察待ちをしている間に、特定の高い音が耳の中で雑音みたいに反響したことがあって、
さすがに「やっぱり何かが起きているんだな」と思いました。

遠藤:
普通ではないことはわかるけど、それが何なのかはわからないような状態。
聴力検査では、問題が起きている右耳とそうではない左耳とでは何か違いを感じた?

福地:
よく分からなかったです・・・
検査になると緊張して、音を聞くというより前のめりに音を探しに行くみたいになっちゃいます(笑)

検査室は診察スペースからは離れていて、ボックスの中で検査を受けられるようになっていたのですが、
私は元々耳の感度が良過ぎるみたいで、ヘッドフォンをして集中をすると、検査室の外の声や気配や自分の呼吸とか鼓動に
敏感に反応してしまい、なんというか、普段は気にならないようなノイズが気になって検査の音どころじゃなくなっていました(笑)
それでもきちんと結果はグラフ上に表れていたし、検査技師も医師も様々な状況は想定内なのだろうと感じました。

遠藤:
そうだろうね。
一つは正確に聴力を測定して欲しい患者さんの立場と、医療でいけば、聴力低下があるのかどうか。聴力低下がどの程度なのかの目安が欲しい。
同じ条件で検査をしていて、1回目、2回目で検査の数値が違うなら少なくとも回復傾向なのか、悪化傾向なのかを判断はできる。
いい検査機器を備えても診療報酬が上がらない。どこまで設備投資するかは医療がもっているジレンマだと思います。

医師から他に何か言われたことはあった?

福地:
はい。睡眠不足や疲労・ストレスが影響するから睡眠時間の確保、体を休めるようにと、1週間後の聴力検査を受けに来るまで処方薬をしっかり飲み切るように言われました。
この鍼灸院でも言われたけど、薬をきっちり飲むのが大事ということですね。

遠藤:
処方される薬の目的は、急性期に起こっている炎症を抑えることでの症状の早期改善だからね。
当院の鍼灸とスーパーライザー治療も狙いは同じ。だからこそ、併せて治療を始めてもらいたいと考えています。

福地:
体験した身として、そう思います。
ちなみに、一応「治った」とお墨付きはいただいたのですが、やはり少し不安を感じています。
これからも頚の鍼治療やスーパーライザー照射をメンテナンスとして利用します。耳にもそれがいいと感じています。

遠藤:
理想としては当院としても、それはお薦めします。
でも突発性難聴は繰り返す性質は基本的にはないので、一度治療を卒業するケースが大半です。
体の不調が耳だけではなく、頚肩の凝り、頭痛、腰痛など色んな症状もある方はメンテナンスしながら体調管理をしたいです。

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外部リンク:鍼灸SL研究会